アレンドロン酸の効果と副作用【骨粗しょう症治療剤】

アレンドロン酸は2001年から発売されている「ボナロン」「フォサマック」というお薬のジェネリック医薬品で、骨粗しょう症の治療薬になります。

骨粗しょう症とは加齢などに伴い骨がもろくなってしまう疾患です。骨粗しょう症になると、骨折や骨の痛みが生じやすくなってしまいます。

アレンドロン酸は骨粗しょう症の治療薬であり骨を丈夫にする作用を持つお薬です。全体的に見れば安全性に優れるお薬ですが、使用にはいくつかの注意点が必要なお薬でもあります。

骨粗しょう症のお薬にもいくつかの種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。骨粗しょう症治療薬の中でアレンドロン酸はどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに向いているお薬なのでしょうか。ここではアレンドロン酸の効能や特徴、副作用などを紹介していきます。

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1.アレンドロン酸の特徴

まずはアレンドロン酸の特徴を紹介します。

アレンドロン酸は破骨細胞(骨を壊す細胞)のはたらきを抑える事で、骨がもろくなるのを抑えます。食道や胃などへの刺激性があるため、多くの水で服用したり服用後30分は横になれないなどの制限があります。

アレンドロン酸は骨粗しょう症治療薬で「ビスホスホネート系」に属するお薬です。骨粗しょう症というのは、主に加齢などによって骨がもろくなってしまい、骨折しやすい状態になってしまう事です。

骨に関係する細胞には「骨芽細胞(骨を作る細胞)」と「破骨細胞(骨を壊す細胞)」の2つがあります。両者のバランスによって古い骨が壊され、新しい骨が作られるというサイクルが作られています。

骨粗しょう症では、骨芽細胞よりも破骨細胞の活性が高くなってしまっており、これにより骨がどんどんともろくなってしまいます。

アレンドロン酸は破骨細胞のはたらきを抑える事で、相対的に骨芽細胞のはたらきを高め、これにより骨粗しょう症の改善をはかるお薬になります。

骨の形成を促進するというわけではなく、骨の分解を抑えるという防戦重視のお薬であるため、その作用は強力とは言えません。しかし服用を続けることで穏やかに骨粗しょう症を改善させてくれます。

アレンドロン酸のデメリットとしては、食道・胃などへの刺激性が挙げられます。このお薬の成分は食道粘膜などにくっつくと炎症を起こしてしまい、食道炎・食道潰瘍などを起こしてしまう事があります。

そのためアレンドロン酸は服用する際には多くの水(180ml程度)で服用し、服用後になるべく早く胃内に到達させるために30分は横になってはいけない事となっています。

骨粗しょう症の好発年齢である高齢者の方は、お水を一気にたくさん飲めなかったり、30分も横になれないのは難しいという方も少なくありません。そのような方にはアレンドロン酸はあまり向かないお薬になります。

アレンドロン酸は5mg製剤と35mg製剤があります。どちらも効果は変わりませんが、5mgは毎日1回服用するため、毎日毎日多くの水で服用し、30分横にならないという制限を続けないといけません。対して35mgは週に1回服用すればよいため、この制限を1週間に1回に軽減する事ができます。

アレンドロン酸はジェネリック医薬品であるため、先発品に比べて薬価が安いというメリットもあります。

以上からアレンドロン酸の特徴として次のような点が挙げられます。

【アレンドロン酸の特徴】

・骨の分解を抑制する事により骨を丈夫にする
・骨粗しょう症による骨折を予防したり、痛みの改善が期待できる
・服用時は多くの水とともに飲み、服用後は30分は横になってはいけない
・毎日服用する5mg製剤と、週に1回服用する35mg製剤がある
・ジェネリック医薬品であり薬価が安い

2.アレンドロン酸はどのような疾患に用いるのか

アレンドロン酸はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

骨粗鬆症

アレンドロン酸は骨粗しょう症の治療薬になりますので、その適応はもちろん「骨粗しょう症」です。

使用するにあたっては骨粗しょう症の診断をしっかりと確定させてから開始するようにしましょう。

アレンドロン酸はジェネリック医薬品のため有効性に対する詳しい調査は行われていません。しかし先発品の「ボナロン」「フォサマック」では行われており、骨粗しょう症の患者さんに2年間服用してもらったところ、腰椎骨密度が8.7%増加したことが報告されており、また骨折の発生も有意に抑制された事が示されています。

ジェネリック医薬品のアレンドロン酸にも同程度の有効性があると考えられます。

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3.アレンドロン酸にはどのような作用があるのか

アレンドロン酸は骨粗しょう症治療薬です。

骨粗しょう症は加齢などによって骨がもろくなってしまい、骨折しやすくなってしまう疾患です。

骨粗しょう症の治療薬は大きく分けると2つの種類があります。

  • 骨形成促進薬:骨の形成を促進する事で骨を強くする
  • 骨吸収抑制薬:骨が分解されるのを抑える事で骨を弱くしないようにする

このうち、アレンドロン酸は「骨吸収抑制薬」になります。

ではアレンドロン酸はどのような機序によって骨の分解を抑制しているのでしょうか。

アレンドロン酸は骨の構成成分の1つである「ハイドロキシアパタイト」に結合するという特徴があります。

骨を溶かす細胞である破骨細胞は、骨を溶かす際に酸を分泌する事で骨を分解・吸収するのですが、その際にハイドロキシアパタイトに結合していたアレンドロン酸が遊離し、今度は破骨細胞にくっつき、破骨細胞のはたらきをジャマします。

ハイドロキシアパタイトにくっついているアレンドロン酸は、破骨細胞によって酸性環境下になるとハイドロキシアパタイトから離れます。そして今度は破骨細胞にくっつき、破骨細胞の酸の分泌を抑えるように作用するのです。

これにより破骨細胞のはたらきをブロックされ、骨の分解が抑えられます。

4.アレンドロン酸の副作用

アレンドロン酸にはどんな副作用があるのでしょうか。また副作用の頻度はどのくらいなのでしょうか。

アレンドロン酸はジェネリック医薬品であり、副作用発生率の詳しい調査は行われていません。

しかし先発品の「ボナロン」「フォサマック」では行われており、5mgの副作用発生率は19.5%、検査値異常は15.1%と報告されています。また35mgの副作用発生率は13.1%、検査値異常は3.6%と報告されています。

アレンドロン酸の副作用発生率もこれと同程度でしょう。

アレンドロン酸で生じる主な副作用としては、

  • 嘔気
  • 便秘
  • 下痢
  • 胃炎
  • 胃痛

などで多くは胃腸系の副作用になります。

アレンドロン酸は口腔・食道・胃などの消化管粘膜に刺激性を持ちます。そのため、時にこれらの粘膜を傷付けてしまう事があり、これにより上記の副作用が生じてしまいます。

また検査値の異常としては、

  • LDH上昇
  • CK(CPK)上昇

などが報告されています。

頻度は稀ですが重篤な副作用としては、

  • 食道障害(食道穿孔、食道狭窄、食道潰瘍、食道炎、食道びらん)
  • 口腔内潰瘍、胃・十二指腸潰瘍、出血性胃炎
  • 肝機能障害、黄疸
  • 低カルシウム血症
  • 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS)
  • 顎骨壊死・顎骨骨髄炎
  • 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折

が記載されています。

アレンドロン酸の注意点としては、前述の消化管粘膜に対する刺激性の他に、顎骨壊死が頻度は稀ながら報告されている事です。これは顎の骨が壊死してしまう(死んでしまう)副作用で、特に抜歯などの歯科治療をした際に生じやすい事が知られています。

アレンドロン酸を服用している方で歯科治療をする際は、必ず歯科医にアレンドロン酸を服用している事を伝える必要があります。また現在歯科治療中の方は、可能であればアレンドロン酸の服用は歯科治療が終了してから開始するのが無難でしょう。

アレンドロン酸は次のような方には禁忌(絶対に使ってはダメ)となっていますので注意しましょう。

(1)食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある方
(2)30分以上上体を起こしていることや立っていることのできない方
(3)ビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある方
(4)低カルシウム血症の患者

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5.アレンドロン酸の用法・用量と剤形

アレンドロン酸は次の剤型が発売されています。

アレンドロン酸錠 5mg
アレンドロン酸錠 35mg

アレンドロン酸の使い方は、

【5mg錠】
通常、成人には5mgを1日1回、毎朝起床時に水約180mLとともに経口投与する。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

【35mg錠】
通常、成人には35mgを1週間に1回、朝起床時に水約180mLとともに経口服用する。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食 (水を除く) 並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。

と書かれています。

アレンドロン酸は服用時に注意点があります。

それは、

  • 起床時(朝食の30分以上前)に服用する必要がある
  • 180ml程度の水分とともに服用する
  • 服用後少なくとも30分は横にならず、他のお薬や食べ物を食べない

という制限がある点です。

アレンドロン酸は口腔内や食道、胃に長く停滞していると口腔潰瘍や食道潰瘍などを生じさせてしまうリスクがあります。そのため、なるべくたくさんの水分と一緒に摂取し、服用後は速やかに消化吸収させるために横にならない事が推奨されています。

6.アレンドロン酸が向いている人は?

アレンドロン酸はどのような方に向いているお薬なのでしょうか。

アレンドロン酸の特徴をおさらいすると、

・骨の分解を抑制する事により骨を丈夫にする
・骨粗しょう症による骨折を予防したり、痛みの改善が期待できる
・服用時は多くの水とともに飲み、服用後は30分は横になってはいけない
・毎日服用する5mg製剤と、週に1回服用する35mg製剤がある
・ジェネリック医薬品であり薬価が安い

といった特徴がありました。

アレンドロン酸は全体的に見れば安全性の高いお薬になりますが、服用に当たっていくつかのルールがあるお薬です。

  • 起床時(朝食の30分以上前)に服用する必要がある
  • 180ml程度の水分とともに服用する
  • 服用後少なくとも30分は横にならず、他のお薬や食べ物を食べない

この3つを守れる方でなければ使用するのは難しいでしょう。

例えば水を一気にたくさんは飲めない、30分も座っておく事が出来ない、という場合はアレンドロン酸以外のお薬を選んだ方が良いでしょう。

また毎日服用する5mg製剤と、1週間に1回の服用である35mg製剤がありますが、現在用いられているのはほとんどが35mg製剤です。

どちらも効果はほとんど同じで、35mg製剤の方が服用の手間が1/7になりますから、メリットが大きいためです。

7.先発品と後発品は本当に効果は同じなのか?

アレンドロン酸は「ボナロン」「フォサマック」というお薬のジェネリック医薬品になります。

ジェネリックは薬価も安く、患者さんにとってメリットが多いように見えます。

しかし「安いという事は品質に問題があるのではないか」「やはり正規品の方が安心なのではないか」とジェネリックへの切り替えを心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

同じ商品で価格が高いものと安いものがあると、つい私たちは「安い方には何か問題があるのではないか」と考えてしまうものです。

ジェネリックは、先発品と比べて本当に遜色はないのでしょうか。

結論から言ってしまうと、先発品とジェネリックはほぼ同じ効果・効能だと考えて問題ありません。

ジェネリックを発売するに当たっては「これは先発品と同じような効果があるお薬です」という根拠を証明した試験を行わないといけません(生物学的同等性試験)。

発売したいジェネリック医薬品の詳細説明や試験結果を厚生労働省に提出し、許可をもらわないと発売はできないのです、

ここから考えると、先発品とジェネリックはおおよそ同じような作用を持つと考えられます。明らかに効果に差があれば、厚生労働省が許可を出すはずがないからです。

しかし先発品とジェネリックは多少の違いもあります。ジェネリックを販売する製薬会社は、先発品にはないメリットを付加して患者さんに自分の会社の薬を選んでもらえるように工夫をしています。例えば使い心地を工夫して添加物を先発品と変えることもあります。

これによって患者さんによっては多少の効果の違いを感じてしまうことはあります。この多少の違いが人によっては大きく感じられることもあるため、ジェネリックに変えてから調子が悪いという方は先発品に戻すのも1つの方法になります。

では先発品とジェネリックは同じ効果・効能なのに、なぜジェネリックの方が安くなるのでしょうか。これを「先発品より品質が悪いから」と誤解している方がいますが、これは誤りです。

先発品は、そのお薬を始めて発売するわけですから実は発売までに莫大な費用が掛かっています。有効成分を探す開発費用、そしてそこから動物実験やヒトにおける臨床試験などで効果を確認するための研究費用など、お薬を1つ作るのには実は莫大な費用がかかるのです(製薬会社さんに聞いたところ、数百億という規模のお金がかかるそうです)。

しかしジェネリックは、発売に当たって先ほども説明した「生物学的同等性試験」はしますが、有効成分を改めて探す必要もありませんし、先発品がすでにしている研究においては重複して何度も同じ試験をやる必要はありません。

先発品と後発品は研究・開発費に雲泥の差があるのです。そしてそれが薬価の差になっているのです。

つまりジェネリック医薬品の薬価は莫大な研究開発費がかかっていない分が差し引かれており先発品よりも安くなっているということで、決して品質の差が薬価の差になっているわけではありません。

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