AZ点眼液(アズレン)の効果と副作用【医師が教える目薬の全て】

AZ点眼液(一般名:アズレン)は1970年から発売されているお薬で目薬になります。

「非ステロイド性抗炎症薬」という種類に属し、眼に生じた炎症を穏やかに抑えてくれるはたらきがあります。また穏やかな抗アレルギー作用があるため、アレルギー症状改善も期待できます。古いお薬ですが安全性が高く大きな副作用もないため、現在でも用いられるお薬です。

AZ点眼液はどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんが使うお薬なのでしょうか。

AZ点眼液の効能や特徴を紹介していきたいと思います。

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1.AZ点眼液の特徴

まずはAZ点眼液の特徴を紹介します。

AZ点眼液は穏やかな作用を持ち、抗炎症作用、抗アレルギー作用を持ちます。また、ステロイドや抗生物質のように長期使用をすることによる問題が生じにくい点眼薬です。

その作用は穏やかで、劇的な効果を期待できるものではありません。

AZ点眼液は炎症を抑える作用を持ち、また非常に弱いですが抗アレルギー作用も持っています。

一番の特徴は安全性の高さでしょう。AZ点眼液の原料は「アズレン」というもので、これはカミツレというヨーロッパ産のキク科の植物に含まれる成分です。つまりAZ点眼液は植物由来の天然のお薬なのです。

以上からAZ点眼液の特徴として次のような点が挙げられます。

【AZ点眼液の特徴】

・穏やかな抗炎症作用を持つ
・非常に穏やかな抗アレルギー作用を持つ
・副作用はほとんどない

2.AZ点眼液はどんな疾患に用いるのか

AZ点眼液はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています(2015年7月現在)。

【効能又は効果】

急性・慢性結膜炎、アレルギー性結膜炎、表層角膜炎、眼瞼縁炎、強膜炎

難しい用語で書かれていますが、カンタンに言えば「眼やその周囲の炎症」を改善させるために使われるということになります。

強膜というのは、いわゆる白目の部分で、ここに生じた炎症が強膜炎です。角膜というのは、黒目の部分で、ここに生じた炎症が角膜炎になります。

結膜は強膜の外側にあり、白目の表面とまぶたの裏側を覆っている膜になります。

AZ点眼液はこのような部位の炎症を改善させるために用いられます。

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3.AZ点眼液にはどのような作用があるのか

ではAZ点眼液は具体的にどのような機序で眼精疲労を改善させているのでしょうか。

AZ点眼液の主成分は「アズレン」という物質で、これは「アズノール軟膏」の主成分と同じになります。

具体的には次の作用を持つことが知られています。

Ⅰ.抗炎症作用

AZ点眼液には穏やかな抗炎症作用があります。抗炎症作用とは、炎症を抑えてくれるはたらきのことです。

炎症とは、発赤 (赤くなる)、熱感 (熱くなる)、腫脹(腫れる)、疼痛(痛みを感じる)の4つの徴候を生じる状態のことで、感染したり受傷したりすることで生じます。またアレルギーで生じることもあります。

みなさんも身体をぶつけたり、ばい菌に感染したりして、身体がこのような状態になったことがあると思います。これが炎症です。眼に炎症が生じると、角膜炎・結膜炎・強膜炎などになります。目をこすったりぶつけたりといった外傷でも生じるし、ばい菌に感染することでも生じるし、アレルギーでも生じます。

どのような原因であれ、炎症そのものを抑えてくれるのが抗炎症作用です。アズノールは抗炎症作用により、発赤・熱感・腫脹・疼痛を和らげてくれます。

ちなみに抗炎症作用を持つ物質というとステロイドが有名で、実際にステロイド点眼液も眼の炎症に用いられています。

ステロイドは確実な抗炎症作用を持ち、しっかりとした効果が期待できるため医療現場でもよく用いられていますが、反面で長期使用による副作用も決して軽視はできません。眼圧を上げてしまうこともありますし(ステロイド緑内障)、免疫系のはたらきを抑えてしまうことでばい菌に感染しやすくなってしまうこともあります。

ステロイド点眼液と比べるとAZ点眼液の抗炎症作用は非力だと言わざるをえません。しかしAZ点眼液は、その分安全性に優れています。長期使用をしても安全でありステロイドのような副作用が出ることはありません。

そのため、軽症の方であったり、長期にわたる点眼が予測される方には、AZ点眼液が用いられやすい傾向にあります。

ちなみに余談ですが、患者さんの中にはステロイドを過剰に怖がってしまう方がいますが、ステロイドは知識のしっかりある医師の元で正しく使用すれば、決して怖いものではありません。むしろ病気を早く治してくれる頼もしい薬です。

眼の状態に応じてAZ点眼液を使ったりステロイドを使ったり、上手に使い分けることが大切です。イメージだけで「ステロイドはイヤだ」と毛嫌いするのではなく、正しい知識を持って必要な時にはしっかりと使って頂きたいと思っております。

Ⅱ.抗アレルギー作用

AZ点眼液には、アレルギーを抑える作用があることが確認されています。

しかしその強さは非常に弱いため、あくまでも補助的な作用くらいに認識しておくのが良いでしょう。

本格的なアレルギー疾患に対して、AZ点眼液だけで治療するのは力不足になってしまう事が多いです。

Ⅲ.上皮形成・肉芽形成促進作用

AZ点眼液は、上皮や肉芽の形成を促進するはたらきがあります。

これはかんたんに言うと、「傷の治りを早くする」ということです。そのため、眼に軽い傷がある可能性がある場合にもAZ点眼液は効果が期待できます。

4.AZ点眼液の副作用

AZ点眼液にはどんな副作用があるのでしょうか。

AZ点眼液はその主成分が植物であり、安全性の高いお薬です。そのため、副作用はほとんど生じません。

時折、体質的に合わない方には、

・眼の腫れ
・眼の赤み
・眼のかゆみ

などが生じることがありますが、いずれも重篤となる事は稀で、使用を中止すれば自然と改善します。

添付文書では、副作用の発現率は0.094%と報告されており、「ほぼ生じない」と言ってもよい頻度です。

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5.AZ点眼液の用法・用量と剤形

AZ点眼液は次の剤型が発売されています。

AZ点眼液(アズレン)0.02%  5ml

の1剤型のみが発売されています。

AZ点眼液の使い方は、

通常、1回1~2滴を1日3~5回点眼する。
(1滴あたりの容量は約40μl)

と書かれています。

お薬は基本的には医師が指示した用法通りに使用していただきたいのですが、AZ点眼液に関してはそこまで厳密に投与しなくても良いことが多いです(とはいっても医薬品ですので、主治医に使用法を確認し、指示に従って下さいね)。

6.AZ点眼液が向いている人は?

以上から考えて、AZ点眼液が向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

AZ点眼液の特徴をおさらいすると、

・穏やかな抗炎症作用を持つ
・非常に穏やかな抗アレルギー作用を持つ
・副作用はほとんどない

などがありました。

ここから、

・眼の軽い炎症

に対して用いられやすいお薬だと言えます。

また、長期連用による副作用がないため、症状がひどい急性期はステロイド点眼液などでしっかり治して、症状がある程度落ち着いてきた慢性期になったらAZ点眼液に切り替えるというのも良い使い方だと思われます。

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