ラックビー錠・ラックビー微粒N(ビフィズス菌)の効果・効能と副作用

ラックビー錠・ラックビー微粒N(一般名:ビフィズス菌)は1961年から発売されている整腸剤です。

「お薬」とは言っても化学的な物質ではなく、その主成分は「ビフィズス菌」という腸内細菌になります。非常に古くから用いられているラックビーですが、大きな副作用なく胃腸の調子を整えてくれるため、現在でも広く用いられています。

整腸剤にもいくつかの種類がありますが、ラックビーはどんな特徴のある整腸剤で、どんな患者さんに向いているのでしょうか。ラックビーの効果や特徴についてみていきましょう。

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1.ラックビーの特徴

まずはラックビーというお薬の特徴についてみてみましょう。

ラックビーは、ビフィズス菌という乳酸菌の1種が主成分となっている整腸剤です。ビフィズス菌は私たちの腸内に元々存在している菌であり、腸内環境を整えるために役立っています。

そのため、なんらかの原因(腸炎や下痢など)で腸内のビフィズス菌が少なくなってしまった場合、ラックビーを服薬することで外からビフィズス菌を補うと、症状の改善が得られます。

胃腸の調子が悪い場合というと、下痢や便秘、腹痛などが挙げられますが、整腸剤は腸内のバランスを整えることでどの状態に対しても効果を発揮します。よく「整腸剤は下痢と便秘のどちらに効くのですか?」と患者さんから質問を頂きますが、腸内細菌のバランスの乱れが原因なのであればどちらにも効くのが整腸剤になります。

またビフィズス菌というのは、一般食品にも含まれている自然な菌になります。ラックビーは医薬品ではありますが、化学的な物質ではなくビフィズス菌が主成分であり、大きな副作用がないことも特徴になります。

また近年の研究では、ビフィズス菌に抗アレルギー作用や炎症を抑える作用があることも報告されており、服薬することでこれらの効果も期待できます。

以上から、ラックビーの特徴として次のようなことが挙げられます。

【ラックビー(ビフィズス菌)の特徴】

・乳酸菌の一種であるビフィズス菌を含有し、整腸効果を発揮する
・大きな副作用がない
・近年、アレルギーを抑える作用も報告されている
・炎症を抑える作用も報告されている

2.ラックビーはどんな疾患に用いるのか

ラックビーはどのような疾患に用いられるのでしょうか。ラックビーの添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

腸内細菌叢の異常による諸症状の改善

ラックビーは整腸剤であり、腸内細菌の1つである「ビフィズス菌」を補うはたらきがあります。ビフィズス菌はいわゆる「善玉菌」であり、腸内環境を適正に整えてくれます。

そのため、ラックビーは腸内細菌のバランス異常で生じる症状に対して効果を発揮します。この添付文書の記載だと、具体的にどんな時に使うお薬なのかが分かりにくいのですが、具体的には、

  • 腸内細菌の異常で生じた下痢
  • 腸内細菌の異常で生じた便秘
  • 腸内細菌の異常で生じた腹痛

などに用います。

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3.ラックビーの作用機序

ラックビーは、どのような機序で整腸作用をもたらしているのでしょうか。

ラックビーは、ビフィズス菌という生菌が主成分となっています。最近ではヨーグルトなどにもビフィズス菌が含まれているものがあるため、「ビフィズス菌」という名前を聞いたことがあるという方も多いでしょう。

ビフィズス菌は元々人間を含む動物の腸内にいる生菌で、乳酸菌の1種になります。腸内に住んでいる菌を腸内細菌と呼びますが、ビフィズス菌も腸内細菌であり腸内の環境を保つためにはたらいてくれています。

昔から母乳栄養の赤ちゃんの方が人工栄養の赤ちゃんよりも死亡率が低く、感染性の腸炎などにもかかりにくい事が経験的に知られていました。そこで母乳栄養児の便を調べたところ、ビフィズス菌が多く含まれていることが分かりました。

ここから、このビフィズス菌が腸内環境を整えてくれ、これにより健康を促進している事が考えられ、ビフィズス菌が注目されるようになりました。

ビフィズス菌の主なはたらきは、小腸下部・大腸において腸内にやってきた糖を分解するのが主なはたらきです。糖を分解することによって酸(乳酸・酢酸)が作られますが、これにより腸内のpHが適正に整えられ、有害菌の発育を抑えるはたらきがあります。

酢酸には殺菌作用があるため、これが腸内の悪い菌をやっつけてくれるという効果も期待できます。

また近年の研究では、ラックビーは抗アレルギー作用を有し、花粉症やアトピーなどの改善にも役立つ事が報告されたり、感染染性腸炎などの炎症を抑える作用があることも明らかになってきています。

ラックビーはこれらの機序により、腸管のバランスを整え、整腸作用を発揮すると考えられています。

4.ラックビーの副作用

ラックビーの主成分は、元々腸内に存在するビフィズス菌になります。

腸内に異常が生じて、腸内のビフィズス菌が少なくなってしまった時、ラックビーを服薬することで、少なくなったビフィズス菌を外から補えます。

つまりラックビーの服薬は、元々腸内にいたものを補うだけです。そのためラックビーを服薬することによる副作用はほとんどないと考えられます。

実際、添付文書上でも副作用の発現頻度は0.3%と報告されています。

その内容も、

・腹部膨満

などであり、重篤な副作用が生じることはまずありません。

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5.ラックビーの用法・用量と剤形

ラックビーは、

・ラックビー錠(1錠中にビフィズス菌を10mg含有)
・ラックビー微粒N(1g中にビフィズス菌を40mg含有)

の2剤形があります。

ちなみにラックビー微粒Nの「N」って何でしょうか。

これはNormal(通常)という意味になります。「通常のラックビーですよ」ということです。

なぜこんな書き方をするかというと「ラックビーR」というものがあるからです。このRは「Resistance(耐性)」という意味で「抗生物質に対する耐性がありますよ」という意味になります。

身体の中に細菌が入ってしまった場合、抗生物質を服用することがあります。抗生物質は菌をやっつけるのが作用ですから、抗生物質とラックビーNを一緒に飲んでしまうと、抗生物質によってビフィズス菌がやっつけられてしまいます。これではラックビーを投与した意味がありません。

そこで役立つのがラックビーRです。ラックビーRは抗生物質に対して耐性を持ったビフィズス菌であるため、抗生物質と一緒に投与しても抗生物質にやっつけられることがありません。

感染性胃腸炎などで、抗生物質と整腸剤を一緒に服用したい場合に「R」製剤は役立ちます。「R」製剤があるため、その対比としての「N」製剤があるというだけです。

またラックビーの用法・用量は次のようになります。

【ラックビー微粒N】
通常成人1日3~6gを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【ラックビー錠】
通常成人1日3~6錠を3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

ラックビーの主成分であるビフィズス菌は、胃酸によって殺されてしまうことがあります。これでは服用する意味がありません。そのため、ラックビーはできる限り食後に服薬することが推奨されます。

食後だと、胃内に食事が残っているため胃内の酸性度が弱まり、ビフィズス菌が死滅しにくくなるためです。

6.ラックビーの作用時間

一般的な医薬品を服薬する場合、「どれくらいで効果が発揮されるのか」「どれくらい効果が持続するのか」ということは重要な情報となりますが、ラックビーは、その主成分が食品などにも含まれていることの多いビフィズス菌であり、効果発現時間や作用時間を気にすることはあまりありません。

ヨーグルトを食べたとき、「どのくらいの時間が経てば整腸作用が発揮されるのだろう」と気にする方はほとんどいないでしょう。

そのため、作用時間や半減期などの詳しい試験はあまり行われていないようです。

臨床的な感覚としては、早い方だと半日後には効果は得られる方もいますが、しっかりした効果を得るには2~3日飲み続ける必要があると感じます。

7.ラックビーが向いている人は?

以上から考えて、ラックビーが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ラックビーの特徴をおさらいすると、

・乳酸菌の一種であるビフィズス菌を含有し、整腸効果を発揮する
・大きな副作用がない
・近年、アレルギーを抑える作用も報告されている
・炎症を抑える作用も報告されている

大きな副作用なく穏やかに整腸作用を発揮してくれるラックビーは、腸内細菌の異常(特にビフィズス菌の減少)によって生じている腹部症状に対しては、最初に用いるお薬として適切だと考えられます。

ただし、抗生物質とラックビーを併用する時は注意してください。

抗生物質とラックビ-Nを併用してしまうと、抗生物質は菌をやっつけるのがはたらきですから、ラックビーの主成分であるビフィズス菌もやっつけられてしまい、整腸作用を発揮できなくなってしまいます。

抗生物質と併用する場合は、ラックビーRを使用するようにしましょう。

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