テレミンソフト坐薬(ビサコジル)の効果【医師が教える下剤の全て】

テレミンソフト坐薬(一般名:ビサコジル)は1968年に発売された下剤(瀉下薬、便秘薬)です。

約50年の歴史を持つ古いお薬ですが、便秘に対する効果と坐薬という剤型の特徴から今でも用いられている下剤になります。

テレミンソフトはどんな特徴のある下剤で、どんな患者さんに向いているお薬なのか、今日はテレミンソフト坐薬の効果や特徴についてみていきましょう。

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1.テレミンソフト坐薬の特徴

まずはテレミンソフト坐薬というお薬の特徴について紹介します。

テレミンソフト(ビサコジル)は下剤になりますが、その中でも「大腸刺激性下剤」という種類に属します。

下剤にはいくつかの種類があり、それぞれで便を出す作用機序が異なります。その中でテレミンソフトは大腸を刺激する事で大腸の動きを活性化させ、排便を促すという作用を持ちます。またテレミンソフトは坐薬として肛門に入れて使いますので、大腸の中でも結腸や直腸といった大腸の下の方に集中的に作用し、その他の部位には作用しにくいという特徴があります。

つまり、テレミンソフトは結腸や直腸といった大腸の下部の動きが低下して便秘になっている方に向いている下剤だと言う事です。そのため「便が下の方まで下りてきているけど、あと一歩で出ない」というような便秘には適しているお薬です。

大腸を刺激して動かす事で排便を促すという方法は確実な排便を期待できるメリットがありますが、使い続けていると大腸が次第に刺激に慣れてきてしまうというデメリットもあります。大腸への刺激を慢性的に続けていると、次第に大腸は刺激に反応しなくなり、必要なお薬の量がどんどんと増えてしまいます。これを「耐性が生じる」と言います。

また、テレミンソフトは坐薬であり、この剤型はこのお薬の大きな特徴です。お薬は経口摂取(口から飲む)で服用するものがほとんどですが、飲み薬は飲み込む力が弱い方やお薬の必要性を理解できずに飲む事を拒否してしまう方には不適のお薬です。

しかし坐薬は肛門に入れることで効果を発揮しますので、例えば言葉がうまく伝わらないような小さい子や認知症の高齢者の方にも使いやすいというメリットもあります。

テレミンソフトは即効性が高いのも大きな特徴です。作用発現までにかかる時間は、肛門に挿入してから早いと5分で遅くても1~2時間以内には排便が得られます。そのため、排便コントロールをしやすいお薬です。

テレミンソフト坐薬の特徴として次のようなことが挙げられます。

【テレミンソフト坐薬(ビサコジル)の特徴】

・結腸・直腸を刺激して排便を促すため、これらの部位の腸管の動きが悪い便秘に効果がある
・坐薬であり、口からお薬を飲めない方でも使える
・大腸刺激性下剤であり、連用により耐性が形成される
・即効性があるため、排便の目処がつけやすい
・値段が安い

2.テレミンソフト坐薬はどんな疾患に用いるのか

テレミンソフト坐薬はどのような疾患に用いられるのでしょうか。テレミンソフトの添付文書を見ると、次のように記載されています(2015年7月現在)。

【効能又は効果】

便秘症
消化管検査時又は手術前後における腸管内容物の排泄

テレミンソフトは下剤ですので、使用する疾患は当然「便秘」になります。

実際の臨床現場においても、便秘の改善のために用いられることがほとんどです。

ちなみに「消化管検査時又は手術前後における腸管内容物の排泄」という記載もありますが、これは要するに胃カメラや大腸カメラをする前、手術前後などに腸管を空っぽにする目的で使ってもいいですよ、という事です。

胃カメラや大腸カメラを行う前には、腸管は出来る限り空っぽにしなくてはいけません。食べたものや便がたくさん腸管に残っていると、せっかくカメラで見ても何も見えなくなってしまうからです。

また手術の内容によっては手術前も腸管を空っぽにしておく必要があります。手術後は、しばらく寝たきりで動けない事もあるため、便秘になりやすくなります。このような状態にもテレミンソフトを使うことができます。

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3.テレミンソフト坐薬の作用機序

主に便秘症に対して用いられるテレミンソフト坐薬ですが、どのような機序で便秘を改善させているのでしょうか。

テレミンソフトは坐薬として肛門に入れることで、直接結腸や直腸といった大腸の下側の腸管壁を刺激し、腸管の動きを促進します。また、同部からの水分吸収を抑えることで便を柔らかくするはたらきもあります。

現在用いられている下剤は、次の2つのはたらきを持つものに分けられます。

・便を柔らかくする(酸化マグネシウム、バルコーゼ、アミティーザなど)
・大腸を刺激して腸を動かす(プルゼニド、アローゼンなど)

どちらも便秘には効果があり、患者さんの便秘の状態に応じてお薬は使い分けていきます。

このうちでテレミンソフト坐薬は、後者の「大腸を刺激して腸を動かす」作用が主であるお薬になりますが、前者の便を柔らかくする作用も併せて持っているお薬になります。

テレミンソフトの主な作用を紹介します。

Ⅰ.結腸・直腸刺激作用

テレミンソフト坐薬は肛門に入れることで、大腸の下側である結腸や直腸の腸管壁に作用し、腸管の蠕動運動を改善させるはたらきがあります。

他の大腸刺激性下剤との違いは、結腸・直腸への選択性が高く、その他の部位(小腸や盲腸など)にはほとんど作用しない事です。そのため、結腸・直腸まで便が下りてきており、「あともう一歩で便が出そう」という便秘の方に対しては向いているお薬になります。

Ⅱ.水分吸収抑制作用

テレミンソフト坐薬は、結腸・直腸の腸管壁に作用して腸管の動きを改善するだけでなく、腸管から体内に水分が吸収されるのを抑えるはたらきもあります。腸管から水分を吸収できなくなると、腸管内の水分量が多くなるため、便が水分を含み柔らかくなります。

このようにテレミンソフトは便を柔らかくして排便を促すという作用も併せ持っているのです。

ちなみにテレミンソフトは水分の吸収は抑制しますが、結腸や直腸にしか作用しないため栄養分の吸収が抑えられることはほとんどなく、その影響は無視できる程度です。

4.テレミンソフト坐薬の用法・用量と剤形

テレミンソフト坐薬は、

テレミンソフト坐薬(ビサコジル)1号 2mg
テレミンソフト坐薬(ビサコジル)3号 10mg

の2剤形があります。

テレミンソフト坐薬の使い方としては、

乳幼児は2mgを、1日1~2回肛門内に挿入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

成人は10mgを、1日1~2回肛門内に挿入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

と書かれています。

要するに2mgが子供用、10mgが大人用です。

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5.テレミンソフト坐薬はどれくらいの時間で作用が発現するのか

テレミンソフト坐薬の特徴の一つに、「即効性」があります。

入れてすぐに効くため、排便をしたい時に使え、また排便コントロールの目安を付けやすいのはこのお薬の強みです。

では具体的に使用してからどれくらいで効果が得られるのでしょうか。

個人差はありますが、早いと5分、遅くても1~2時間ほど経てば、効果が出現すると考えられます。2時間以内には効果が出ることを考えて使用する必要がありますので、例えば寝る直前に使うなどといった方法はあまり良くないことが分かります。

6.テレミンソフト坐薬が向いている人は?

以上から考えて、テレミンソフト坐薬が向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

テレミンソフト坐薬の特徴をおさらいすると、

・結腸・直腸を刺激して排便を促すため、これらの部位の腸管の動きが悪い便秘に効果がある
・坐薬であり、口からお薬を飲めない方でも使える
・大腸刺激性下剤であり、連用により耐性が形成される
・即効性があるため、排便の目処がつけやすい
・値段が安い

というものでした。

ここから、

・かなり下まで便が下りてきているけども、あと一歩のところで便が出ない、という方
・乳幼児や認知症の高齢者など、服薬の意義を理解できない方
・排便時間をある程度分かりやすくした方が良い方

などにとっては向いているお薬だといえます。

反対に、

・便が結腸・直腸まで下りてきていない方

にはほとんど効果はありません。テレミンソフトは結腸・直腸にしか作用せず、その他の腸管にはあまり作用しないからです。

7.テレミンソフトの薬価

下剤は薬価が非常に安いのが特徴で、テレミンソフトも安価に設定されています。

ではテレミンソフト坐薬の薬価はどれくらいでしょうか。

薬価は2年に1回改訂されますが、2015年5月の薬価基準収載では次のように薬価が設定されています。

テレミンソフト坐薬2mg(ビサコジル) 19.30円
テレミンソフト坐薬10mg(ビサコジル) 21.10円

(2015年7月現在)

なお薬価の改訂は定期的に行われているため、テレミンソフトの薬価も今後、変更される可能性がありますことをご了承下さい。最新の薬価は、厚生労働省のサイトや製薬会社のサイトにてご確認下さい。

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