ガスコン錠・ドロップ(ジメチコン)の効果と副作用【医師が教える胃腸薬のすべて】

ガスコン錠・ガスコンドロップ・ガスコン散(一般名:ジメチコン)は1965年から発売されている胃腸薬になります。

ガスコンは非常にユニークな作用を持つお薬で、一般的な胃腸薬とは異なる効果が期待できます。

ガスコンはどんなお薬で、どんな患者さんに向いているのでしょうか。ガスコンの効果や特徴についてみていきましょう。

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1.ガスコンの特徴

まずはガスコンの特徴について、かんたんに紹介します。

ガスコンは胃腸ガスを除去する作用が持つお薬になります。

ガスコンは「ガスを除去する」という独特の作用機序を持つお薬になります。

腸内細菌の発酵などによって生じる腸管ガスは気泡という形でも腸管内に存在しています。ガスコンはこの気泡を表面張力を下げることで破裂させます(消泡作用)。

気泡の中に腸管ガスが溜まっていると、気泡はその場にとどまってしまい、なかなか排出されないことがあります。しかしこの気泡を壊すことによって腸管ガスは体外に排泄されやすくなるのです。

ガスコンのはたらきには「腸管ガスの除去」と書かれているため、「ガスコンは腸管ガスを消してくれる」と誤解される事が時々ありますが、ガスが魔法のように消えるわけではありません。

ガスコンは気泡を壊すことで腸管ガスを体外に排泄されやすいようにするのです。

そのため、腸管内に腸管ガスの気泡が溜まりすぎてお腹が張っている方(鼓張・腹満)に対して良い適応となります。

また、ガスコンは副作用が非常に少ないのも大きなメリットです。ガスコンは時に腸を刺激してしまう事で、下痢や腹痛をいった胃腸症状を来たすことがありますが、その頻度は非常に少なく、ほとんどの場合問題となるような副作用は生じません。

以上からガスコンの特徴として次のようなことが挙げられます。

【ガスコン錠・ドロップ・散(ジメチコン)の特徴】

・気泡を破裂させることで、腸管ガスを体外に排泄されやすくする
・鼓張・腹満に対して有効
・副作用が非常に少なく、安全性も非常に高い

2.ガスコンはどんな疾患に用いるのか

ガスコンはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

1.胃腸管内のガスに起因する腹部症状の改善
2.胃内視鏡検査時における胃内有泡性粘液の除去
3.腹部X線検査時における腸内ガスの駆除

ガスコンは、それ自体は体内に吸収されないお薬になります。口から入ったガスコンは、消化管全体に対して消泡作用を発揮し、そのまま体外に排泄されます。

そのため、ガスコンの胃や腸といった消化管全体のガスの除去に役立ちます。

一般的な使用法としては、鼓張・腹満(お腹が張っている)に対しての使用です。気泡を壊す事によって腸管ガスが体外に出やすいように働いてくれ、鼓張・腹満の改善が得られます。

また、胃腸の検査を行う際は、胃腸のガスは少なくなっている方が精度の高い検査が出来るため、検査前の処置としてガスコンを使うこともあります。

例えば、胃内視鏡(胃カメラ)を行う前に、胃のガスを除去する目的でガスコンを投与することがあります。これによって胃カメラを入れた時にガスにジャマされずに胃の中を正確に評価できるようになります。

また、腹部レントゲンを撮る前にガスコンを投与することで、腸管ガスを除去するという使い方もあります。これも胃カメラの例と同じようにガスを減らすことで、より正確に腹部の状態を評価することが可能になります。

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3.ガスコンにはどのような作用があるのか

ガスコンは消化管のガス(いわゆる放屁・おなら)を除去するはたらきがありますが、これはどのような作用機序に基づいているのでしょうか。

ガスコンの主な作用について紹介します。

Ⅰ.消化管のガスを除去する

ガスコンの主成分はジメチコン(ジメチルポリシロキサン)と呼ばれる物質で、これはいわゆる「シリコン」の一種になります。

シリコンは体内に吸収されないというメリットの他、表面張力を低下させる作用があります。

このシリコンの特徴を利用したのがガスコンになります。

ガスコンは、体内に吸収されないため、消化管のみで作用を発揮します。また表面張力を下げる事で、腸管ガスが溜まってしまう気泡を壊すはたらきがあります。

シャボン玉などの泡は表面張力によってその形状が保たれています。仮にシャボン玉の表面張力が低下すれば、シャボン玉は膨み、やがて破裂します。

これと同様の事が腸管で生じています。ガスコンがガスの表面張力を低下させると、腸管ガスが溜まった気泡は膨張し、やがて破裂するのです。

気泡が破裂すると、その中にあった腸管ガスは気泡外に出てきます。気泡の中にあるとそのままその部位に溜まりやすい腸管ガスですが、気泡外に出ることで体外に排泄されやすくなります。肛門から放屁として排泄されたり、口腔からげっぷとして排泄されることもあります。

腸管ガスを「消し去る」わけではなく、あくまでも「排泄されやすくする」のがガスコンになります。

4.ガスコンの副作用

ガスコンは安全性に優れ、副作用非常に少ないお薬になります。副作用発生率は1%未満と報告されています。

生じうる主な副作用としては、

  • 軟便
  • 胃部不快感
  • 下痢
  • 腹痛

などの消化器症状がほとんどになります。

これはガスコンが気泡の表面張力を低下される過程で、消化管を刺激してしまうことで生じると考えられます。

いずれも重篤となる事は少なく、ほとんどはガスコンの量を調整したり、ガスコンを中止すれば改善が得られます。

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5.ガスコンの用法・用量と剤形

ガスコンは、

ガスコン錠(ジメチコン) 40mg
ガスコン錠(ジメチコン) 80mg

ガスコン散(ジメチコン) 10%

ガスコンドロップ内用液(ジメチコン) 2%

の4種類のお薬ががあります。

ガスコンの使い方は、

【胃腸管内のガスに起因する腹部症状の改善】
通常成人1日120mg~240mgを食後又は食間の3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【胃内視鏡検査時における胃内有泡性粘液の除去】
検査15~40分前に、通常成人1日40mg~80mgを約10mlの水と共に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【腹部X線検査時における腸内ガスの駆除】
検査3~4日前より、通常成人1日120mg~240mgを食後又は食前の3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

となっています。

6.ガスコンが向いている人は?

以上から考えて、ガスコンが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ガスコンの特徴をおさらいすると、

・気泡を破裂させることで、腸管ガスを体外に排泄されやすくする
・鼓張・腹満に対して有効
・副作用が非常に少なく、安全性も非常に高い

というものでした。

ガスコンは、副作用がほとんどないお薬で安全性が高く、使いやすいお薬になります。

しかしどんな胃腸症状にも効くお薬ではありません。ガスコンは「腸管ガス」をターゲットとしているお薬であるため、腸管ガスが溜まりすぎていると考えられる病態において効果が期待できます。

腸管ガスの貯留によってお腹が張っている場合には、ガスコンは良い適応となります。

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