ヘモナーゼ配合錠の効果と副作用【痔疾患治療薬】

ヘモナーゼ配合錠(一般名:ブロメライン・トコフェロール酢酸エステル)は「痔疾患治療薬」という種類のお薬で、1967年から発売されています。主に痔の諸症状の改善に用いられます。

ヘモナーゼは2つの成分を含んでいる「配合錠」になります。そのため1剤でいくつかの効果が期待できます。

古いお薬ですがヘモナーゼ配合錠は現在でも良く用いられています。ヘモナーゼ配合錠はどんな特徴を持っていて、どのような効果が期待できるお薬なのでしょうか。

ヘモナーゼ配合錠の効果・効能や特徴、副作用についてみてみましょう。

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1.ヘモナーゼ配合錠の特徴

まずはヘモナーゼ配合錠の特徴をざっくりと紹介します。

ヘモナーゼ配合錠には主に2つの成分が含まれており、次のような特徴を持ちます。

  • 痔が出来てしまった部位の炎症を抑え、
  • 痔に悪さをしている血栓を溶かし
  • 血流を良くすることで痔の改善を促します。

ヘモナーゼ配合錠には1錠中に、

ブロメライン 35,000ブロメライン単位
トコフェロール酢酸エステル 10mg

が含まれています。

それぞれの作用をかんたんに言うと、ブロメラインは炎症を抑える「消炎剤」になります。痔では炎症が生じているため、ブロメラインで炎症を抑えてあげることは症状の緩和が期待できます。ブロメラインは蛋白質を溶かす作用があるため、血栓に存在するフィブリンという蛋白質を溶かしてくれる作用も期待できます。

痔によっては血栓が出来てしまい、それが悪さをしている事があるため、このような時には良い適応となります。

またトコフェロール酢酸エステルは、血流を促進するお薬でいわゆる「ビタミンE」になります。ビタミンEが配合されているお薬には「ユベラ」がありますが、ユベラは末梢の血流を改善することでしもやけなどの治療にも用いられています。

ブロメラインで炎症を抑えて、ビタミンEで血流を良くして傷の治りを促進するというのがヘモナーゼ配合錠です。

痔の治療薬はステロイドを含むものも多いのですが、ヘモナーゼ配合錠はステロイドを含まないため、長期間使用しても比較的安全なお薬になります。

以上からヘモナーゼ配合錠の特徴を挙げると、次のようなことが挙げられます。

【ヘモナーゼ配合錠の特徴】
・痔を改善させる治療薬
・炎症を抑えることで痔症状を改善させる
・血栓を溶かすことで痔を改善させる
・血流を良くする事で痔を改善させる
・ステロイドを含まないため長期使いやすい

2.ヘモナーゼ配合錠はどのような疾患に用いるのか

ヘモナーゼ配合錠はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】
・痔核・裂肛の症状(出血、疼痛、腫脹、痒感)の緩解
・肛門部手術創

色々難しい用語が並んでいますが、ヘモナーゼ配合錠は主に痔をはじめとした肛門周囲の炎症性疾患に対して処方されるお薬になります。

痔の治療薬は軟膏・坐薬か飲み薬の2種類に分けられますが、ヘモナーゼ配合錠は飲み薬になります。

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3.ヘモナーゼ配合錠にはどのような作用があるのか

ヘモナーゼ配合錠は痔を治すために使われますが、どのような作用を持っているのでしょうか。

ヘモナーゼ配合錠は2つの成分を含んだ配合錠であるため、いくつかの作用を持っています。

具体的なヘモナーゼ配合錠の作用について紹介します。

Ⅰ.消炎作用

ヘモナーゼ配合錠の含有成分であるブロメラインは炎症を抑える「消炎作用」を持ちます。

炎症とは、

  • 発赤(赤くなる)
  • 熱感(熱くなる)
  • 腫脹(腫れる)
  • 疼痛(痛くなる)

といった症状を認める状態です。

痔は肛門付近の炎症が生じている状態です。そのためお尻に痛みや熱感を感じたり、腫れがひどくなったりするといった症状を認めるのです。

ヘモナーゼ配合錠に含まれるブロメラインは、これらの炎症症状を軽減してくれるはたらきを持ちます。

Ⅱ.血栓溶解作用

ブロメラインは、穏やかな血栓溶解作用を持っています。

そのため、血栓が出来てしまってそれが痔の悪化に関係していると疑われる場合は、ヘモナーゼは良い適応になります。

ちなみにブロメラインは塗り薬としても医療現場では用いられています。ブロメラインは蛋白溶解作用を持つため、主に褥瘡などに対して壊死組織(死んでしまった組織)を除去し、傷の治りを早めてくれるのです(壊死組織はばい菌が巣食いやすい部位になるため、除去してあげた方が傷の治りは良くなります)。

この作用と同じで、ヘモナーゼ中のブロメラインもフィブリンという血栓の元になる蛋白質を溶解することで血栓を溶かす作用があるのです。

血栓を溶かす作用によって痔による出血が更に悪化してしまうのではないかと心配される方もいらっしゃると思いますが、副作用報告ではそのような報告は認められません。

理論的には痔の出血を悪化させる可能性は考えられますが、ヘモナーゼの血栓溶解作用は強くはないため、穏やかに問題部位の血栓を徐々に溶かす程度で、痔の出血を悪化させるほどではないのかもしれませんね。

Ⅲ.血流促進作用

ヘモナーゼ配合錠に含まれるトコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)は、血流を促進する作用があります。

ビタミンEを配合する代表的なお薬には「ユベラ(一般名:トコフェロール)」がありますが、ユベラも末梢(手足など)の血流を改善する作用があり、冷え症やしもやけなどに用いられます。

それと同じでヘモナーゼも血流を促進する作用があります。

血液中には傷を治すための成分が豊富に含まれているため、血流が豊富になれば傷の治りは早くなります。そのため、痔の改善も早まるのです。

4.ヘモナーゼ配合錠の副作用

ヘモナーゼ配合錠は穏やかに効くお薬であり、副作用は多くはありません。副作用発生率は1.6%前後と報告されています。

ヘモナーゼ配合錠の副作用は、

  • 吐き気・食欲不振
  • 下痢

など胃腸系の副作用が多くなります。

いずれも重篤となることは少なく、多くは様子を見たりヘモナーゼ配合錠の服用を中止すれば自然と改善していきます。

また、ヘモナーゼに含まれるブロメラインはタンパク質を分解する作用があるため、血栓を溶かすはたらきを持ちます。そのため、元々出血傾向がある方(凝固能の異常がある方)は更に出血しやすくしてしまう可能性があるため、慎重に使用する必要があります(使用できないわけではありません)。

他のお薬との飲み合わせとしても同様に、ワーファリンなどの「血液を固まりにくくするお薬」を服用している場合は、更に血液が固まりにくくなってしまう可能性があるため、主治医と相談の上で慎重に使用するようにしましょう(使用できないわけではありません)。

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5.ヘモナーゼ配合錠の用量・用法と剤型

ヘモナーゼ配合錠は、

ヘモナーゼ配合錠

の1剤型のみがあります。

ヘモナーゼ配合錠には1錠中に

ブロメライン 35,000ブロメライン単位
トコフェロール酢酸エステル 10mg

が含まれています。

ブロメラインが炎症を抑えるはたらきをし、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)血流を良くして傷の治りを早めます。

ヘモナーゼ配合錠の使い方は、

通常成人1回1錠を1日3~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する

と書かれています。

6.ヘモナーゼ配合錠が向いている人は?

以上から考えて、ヘモナーゼ配合錠が向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ヘモナーゼ配合錠の特徴をおさらいすると、

・痔を改善させる治療薬
・炎症を抑えることで痔症状を改善させる
・血栓を溶かすことで痔を改善させる
・血流を良くする事で痔を改善させる
・ステロイドを含まないため長期使いやすい

というものでした。

ヘモナーゼ配合錠は現在でも痔の治療薬として用いられているお薬になります。

ヘモナーゼをはじめとした痔に対するお薬は主に軽症例に対して用いられます。軽度のものであればお薬だけでも改善しますが、ある程度進行しているものだと手術などを検討する必要もあります。

ヘモナーゼの特徴的な作用としては、血栓溶解作用が挙げられます。

そのため血栓が痔の悪化に影響していると考えられる症例には処方されることが多いと思われます。

また痔の治療はお薬だけでなく生活習慣の改善が一番大切です。

  • 座る時間を減らす
  • 食事を規則正しく、バランス良く
  • 飲酒やタバコを控える
  • しっかりと睡眠を取る
  • 刺激物(からいものなど)の摂取を控える

など、生活習慣の改善も忘れないようにしましょう。

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