ステーブラ錠・OD錠の効果

ステーブラ錠(一般名:イミダフェナシン)は2007年に発売された頻尿・過活動膀胱治療薬です。2010年には口腔内崩壊錠である、ステーブラOD錠も発売されました。

ステーブラは膀胱の収縮を抑えることで頻尿を改善します。そのため、膀胱の収縮が過剰になっており、それによる頻尿で困っている方には役立つお薬です。

頻尿を改善するお薬にもいくつかの種類がありますが、ステーブラはどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに向いているお薬なのか。ここではステーブラの効能や特徴を紹介していきたいと思います。

ちなみにステーブラは小野薬品工業が発売しているお薬ですが、杏林製薬が発売している「ウリトス」と全く同成分のお薬です。

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1.ステーブラ錠・ステーブラOD錠の特徴

まずはステーブラ錠・ステーブラOD錠の特徴をざっくりと紹介します。

ステーブラの最大の特徴は、膀胱のムスカリン1受容体とムスカリン3受容体の2か所に作用することにより、しっかりと頻尿を抑えてくれることです。

難しい言い方ですが、これは要するに膀胱の過剰な収縮をムスカリン1受容体ブロックとムスカリン3受容体ブロックという、2つの箇所でブロックしているため、よりしっかりと頻尿を抑えてくれるということです。

2か所に作用するため、1か所にしか作用しない頻尿改善薬よりも効果が期待できる反面、副作用も出やすくなる可能性もあり、これは一長一短の特徴になります。

また半減期が約3時間と非常に短いため、1日1回の服用では不十分で1日2回(朝・夕食後)に服用する必要があります。薬効が短いのは、1日に何回も飲まないといけないという手間ではデメリットになりますが、すぐにお薬が身体から抜けるため蓄積しない、細かい用量調整がしやすいという点ではメリットとも捉えることができます。

ステーブラはOD錠(口腔内崩壊錠)という剤型があるのも特徴です。最近ではOD錠があるお薬も増えてきましたが、OD錠は水なしでも服用できるため、出先で服用したい方であったり、飲み込む力が弱い高齢者の方にとって重宝する剤型です。

ステーブラは基本的には食後に服薬する必要があります。寝る前などの空腹時に服薬すると、食後服用と比べて血中濃度が若干低くなってしまう事が確認されています(血中濃度が約80%ほどに低下します)。そのため、夜間の頻尿などを改善したい場合も、眠前などの空腹時に服薬することは保険上は認められていません。

以上からステーブラの特徴として次のような点が挙げられます。

【ステーブラの特徴】

・2つのムスカリン受容体(1と3)をブロックする事でしっかりと頻尿を改善する
・1日2回服薬する必要がある
・OD錠があるため、水なしで服用することもできる
・食後服用が原則で、保険上は空腹時には服用できない

2.ステーブラ錠・ステーブラOD錠はどんな疾患に用いるのか

ステーブラ錠・ステーブラOD錠はどのような疾患に用いられるのでしょうか。ステーブラの添付文書には、次のように記載されています(2015年6月現在)。

【効能又は効果】

過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁

難しい専門用語が並んでいますが、ざっくりと言えば「おしっこの回数が多かったり、おしっこが間に合わない人」に対して、尿の回数を減らすことで改善させる効果があるということです。

過活動膀胱(OAB:OverActive Bladder)という疾患は、膀胱の本来のはたらきである「おしっこを溜めるはたらき(蓄尿能)」が低下してしまう病気です。主に高齢者に多く、少し尿が溜まっただけで排尿筋が収縮してしまい、尿意を感じるため頻尿になってしまうのです。

ステーブラは、膀胱の異常な収縮を抑えることで蓄尿能を改善させ、過活動膀胱の頻尿に対して効果を発揮します。

ただし、頻尿であれば何にでも効くわけではありません。あくまでも膀胱の過剰な収縮が生じている過活動膀胱の頻尿を改善させるというはたらきになります。

別の原因で頻尿が生じているのであれば、ステーブラ以外のお薬の方が適切なことがありますので注意が必要です。

例えば、男性の頻尿であれば過活動膀胱ではなく、前立腺肥大症に伴って生じていることもあります。この場合はステーブラではなく、α1遮断薬と呼ばれる尿道の拡がりを良くするお薬をまずは使用することが推奨されています。前立腺肥大症で尿道が狭くなっているのに、ステーブラで更に排尿しにくくしてしまうと、かえって症状が悪化してしまう可能性もありますので注意が必要です。

また、尿路感染症に伴って頻尿となっているのであれば、治療はステーブラのようなお薬ではなく、抗生物質でばい菌をやっつけたり、水分をたくさん取ってばい菌を洗い流すことになります。この場合、ステーブラを使うことによって尿の出を少なくしてしまうと、かえってばい菌が膀胱に留まりやすくなってしまい、病状が悪化してしまうこともあります。

ステーブラは過活動膀胱に伴う頻尿には有効なお薬ですが、頻尿全般に使える万能薬ではありません。ステーブラを使うべき頻尿であるのかどうかは主治医にしっかりと診察してもらい判断してもらいましょう。

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3.ステーブラ錠・ステーブラOD錠にはどのような作用があるのか

ステーブラは主に過活動膀胱の症状(頻尿)の改善に用いられます。つまり、尿の回数を少なくする作用があるということです。どのような作用によって尿の回数を少なくしているのでしょうか。

ステーブラは膀胱の平滑筋という筋肉に存在するムスカリン3受容体(アセチルコリン受容体と呼ばれることもあります)のはたらきをブロックするはたらきがあります。また、膀胱の神経終末に存在するムスカリン1受容体のはたらきをブロックするはたらきもあります。

このムスカリン1受容体、ムスカリン3受容体へのブロックが、ステーブラの主な作用です。

アセチルコリンという物質が膀胱のムスカリン3受容体とくっつくと、膀胱は収縮することが知られています。ステーブラはムスカリン3受容体にアセチルコリンがくっつくのをジャマします。そうなると、膀胱が収縮しにくくなるため、頻尿が改善されるというわけです。

また膀胱の神経終末に存在するムスカリン1受容体が刺激されると、アセチルコリンが分泌されることが知られています。ステーブラはムスカリン1受容体をブロックすることで、アセチルコリンの量自体をも減らす作用があります。アセチルコリンの量が減れば、ムスカリン3受容体にくっつこうとするアセチルコリンも少なくなるため、頻尿がよりしっかりと改善されます。

このようにステーブラはアセチルコリンに拮抗する(=ジャマする)ので「抗コリン薬」とも呼ばれています。

ちなみにムスカリン受容体は、1から5まであり、それぞれ全身に分布しており作用も異なります。ステーブラは主にムスカリン1受容体とムスカリン3受容体に作用するお薬です。そのため、しっかりと頻尿を抑えてくれる反面で、多くの受容体に作用する分だけ副作用も多くなってしまう可能性もあります。

同じ過活動膀胱の治療薬としてベシケア(一般面:コハク酸ソリフェナシン)がありますが、ベシケアはムスカリン3受容体に集中的に作用し、ムスカリン1受容体にはあまり作用しません。ムスカリン1受容体に作用しない分だけ、頻尿の改善作用は落ちる可能性はありますが、その分副作用は少なくなる可能性があります。

どちらも一長一短あるため、主治医とよく相談して、自分にとって最適な治療薬を選ぶことが大切です。

4.ステーブラ錠・ステーブラOD錠の副作用

ステーブラにはどんな副作用があるのでしょうか。

先ほど説明した通り、ステーブラはムスカリン受容体をブロックするお薬です。ムスカリンの中でもムスカリン1,3受容体に作用しやすいという特徴がありますが、多少は他のムスカリン受容体にも作用してしまいます。

そのため、時に副作用が生じることがあります。

副作用としてもっとも多いものは、抗コリン作用と呼ばれるものです。抗コリン作用というのは、アセチルコリンをブロックするために生じてしまう作用のことです。ちなみにアセチルコリン受容体にはムスカリン受容体とニコチン受容体の2種類があり、ムスカリン受容体はアセチルコリン受容体の一つになります。

ステーブラがムスカリン受容体のはたらきをブロックしてしまうと、口渇(口腔内乾燥)、便秘、霧視などが生じる可能性があります。頻度は低いですが重篤なものとしては尿閉(尿が出なくなる)や不整脈、麻痺性イレウス(腸が麻痺して動かなくなってしまう病気)が生じることもあります。

また、ステーブラは肝臓や腎臓で代謝されるため、肝障害や腎障害が生じることがあり、それに伴い血液検査で腎臓系酵素や肝臓系酵素の上昇が認められることがあります。BUN、AST、ALTなどの肝臓・腎臓系酵素の上昇が生じることもあることが報告されています。

特に肝障害・腎障害などの疾患が元々ある方は特に注意しなければいけませんので、事前に主治医に自分の病気についてしっかりと伝えておきましょう。

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5.ステーブラ錠・ステーブラOD錠の用法・用量と剤形

ステーブラは錠剤とOD錠の二つの剤型が発売されています。OD錠とは「口腔内崩壊錠」のことで、口に入れると唾液で溶ける作用を持つ剤型のことです。OD錠は水なしでも飲めることがメリットであり、外出先など水がない状況で服薬したい方や、飲み込みが悪い高齢者などに好まれます。

ステーブラ錠は、

ステーブラ錠(イミダフェナシン) 0.1mg

と1剤型のみが発売されています。

またステーブラOD錠も同様に、

ステーブラOD錠(イミダフェナシン) 0.1mg

の1剤型のみが発売されています。

ステーブラの使い方は、

通常、成人には1回0.1mgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与する。効果不十分な場合は、1回0.2mg、1日0.4mgまで増量できる。

と書かれています。まずは0.2mg/日(1日2錠)より開始し、最大で0.4mg/日(1日4錠)まで使えるということです。

ステーブラは半減期が約3時間ほどであり、作用時間が非常に短いお薬です。そのため、1日1回の服用では効果は1日間持続せず、1日複数回副作用する必要があります。添付文書的には1日2回の服用が指示されています。ちなみ半減期とは、お薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、そのお薬の作用時間の一つの目安になる数値です。

また、ステーブラは基本的には食後の服用を想定して作られています。空腹時に服用すると血中濃度は0.8倍程度まで低下してしまうため注意が必要です。

特に夜間頻尿に対してステーブラを使う場合などでは寝る前などの空腹時に服用したいところです。しかし、このようなお薬の特徴のため保険的には食後投与しか認められていません。

6.ステーブラが向いている人は?

以上から考えて、ステーブラが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ステーブラの特徴をおさらいすると、

・2つのムスカリン受容体(1と3)をブロックする事でしっかりと頻尿を改善する
・1日2回服薬する必要がある
・OD錠があるため、水なしで服用することもできる
・食後服用が原則で、保険上は空腹時には服用できない

ここから、過活動膀胱と診断された方であって、

・しっかりと頻尿を改善させたい方
・OD錠を使いたい方
・1日に複数回の服用が苦ではない方
・主に夜間ではなく、日中の頻尿を改善させたい方

などにとっては向いているお薬かもしれません。

7.ステーブラ錠・ステーブラOD錠の薬価

ステーブラの薬価はどれくらいなのでしょうか。

薬価は2年に1回改訂されますが、2015年5月の薬価基準収載では次のように薬価が設定されています。

ステーブラ錠(イミダフェナシン) 0.1mg  99.3円
(2015年6月現在)

またステーブラOD錠も同様の薬価です。

ステーブラOD錠(イミダフェナシン) 0.1mg  99.3円
(2015年6月現在)

ちなみに同成分のお薬である、ウリトスの薬価は

ウリトス錠(イミダフェナシン) 0.1mg  98.3円
ウリトスOD錠(イミダフェナシン) 0.1mg  98.3円
(2015年6月現在)

と何故か1円だけ安くなっています。ちなみに値段はステーブラの方が1円だけ高いですが、薬効は全く同じです。

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