ラエンネックの効果と副作用【プラセンタ注射】

ラエンネック錠(一般名:ヒト胎盤抽出物)は1974年より発売されているお薬で、肝臓を保護するお薬になります。

しかし、それ以外にも美容目的で自費診療で投与される事もあります。ラエンネックはいわゆる「プラセンタ」です。プラセンタというと美容のための物質というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

現在ではほとんどが美容目的での投与になっていますが、本来は肝臓を保護するお薬として発売されたものになのです。

ラエンネックはどんな特徴のあってどのような作用機序を持っているのでしょうか。

ラエンネックの効果や特徴についてみていきましょう。

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1.ラエンネックの特徴

まずはラエンネックというお薬の特徴について説明します。

ラエンネックはヒトの胎盤から採取した物質になります。「プラセンタ」という言葉も「胎盤」という意味になります。

では胎盤って何でしょうか。胎盤は妊婦さんが持っている組織で、子宮内にいる赤ちゃんとお母さんをつなぐはたらきがあり、赤ちゃんは胎盤を通じて母親から栄養を受け取ります。

赤ちゃんは胎盤から送られてくる栄養をもとに子宮内で成長していきます。そのため胎盤の中には非常に豊富な栄養素が流れています。赤ちゃんが成長するために必要な物質が流れているわけですから、ヒトに必要な物質はほぼすべて含まれているといっても良いでしょう。

この胎盤のエキスを抽出したものがプラセンタです。

プラセンタというのは何か単一の物質を指しているわけではありません。胎盤に含まれる豊富な栄養素をすべて含めて「プラセンタ」と呼んでいるのです。

ヒトの胎盤から抽出されたエキスであるラエンネックは、医療的には肝臓疾患への適応を持っています。

肝臓疾患に用いる事で、

  • 肝細胞の再生を促す
  • 肝細胞の線維化を抑制する
  • 脂肪肝を改善させる

といった効果が報告されています。

しかしラエンネックは何も肝疾患の治療に特化した物質ではありません。赤ちゃんを成長させるために必要な栄養源を豊富に含むヒト胎盤から抽出されているわけですので、それ以外の作用ももちろん期待できます。

プラセンタで報告されている作用としては、

  • 細胞の再生を促す(新陳代謝を促し、アンチエイジング効果が得られる)
  • 皮膚細胞の再生を促す(皮膚のハリやツヤが改善する)
  • 抗アレルギー作用
  • 免疫増強作用(ばい菌に対する抵抗力が高まる)
  • 活性酸素を除去する(細胞を傷付ける活性酸素を減らす)
  • 血行を改善させる

などがあります。

これらの作用は主に美容領域で注目され、「若返りエキス」「アンチエイジング注射」として用いられます。これは保険的な適応ではないため保険外(自費)診療になりますが、このような効果が期待できるのです。

ラエンネックは副作用もほとんどありません。考えれば当たり前で、ラエンネックはヒトの胎盤から抽出されていて本来は赤ちゃんに届くはずのものです。それが危険なものだったら大変ですよね。

ただしヒトから採取しているものですので、感染症のリスクがある事は覚えておかないといけません。つまり、採取された方に何らかの感染症があった場合、それが移ってしまうリスクがゼロではないという事です(輸血で感染症にかかるリスクがある事と同じです)。

製造の過程で感染症のチェックは厳格に行っており、1974年に発売されてから国内・海外でそのような報告は一例もありません。ここから、そのような可能性は極めて低いとは言えますが、ゼロでない事は知っておく必要がなります。

以上からラエンネックの特徴を挙げると次のようになります。

【ラエンネックの特徴】

・ヒト胎盤エキス(プラセンタ)である
・細胞の再生や血行促進、免疫増強・抗アレルギー作用などがあり美容領域でよく用いられる
・医療的には肝疾患に用いられ、肝細胞の再生作用・脂肪肝の改善作用などがある
・ヒトから抽出されているものであり安全性は高い

2.ラエンネック錠はどんな疾患に用いるのか

ラエンネックはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

慢性肝疾患における肝機能の改善

ラエンネックの適応は、「慢性肝疾患」です。これは慢性肝炎や肝硬変、脂肪肝などが該当します。

一方で保険外にはなりますが、細胞の再生を促す事によるアンチエイジング効果や免疫増強効果、血行促進効果なども期待できます。このような効果を期待して注射する場合は、保険外(自費)診療での投与となります。

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3.ラエンネック錠にはどのような作用があるのか

ラエンネックは具体的にどのような作用を有しているのでしょうか。

ラエンネックの作用機序について紹介します。

ラエンネックはいわゆる「プラセンタ」ですが、そもそもプラセンタとはどういったものかご存知でしょうか。

プラセンタ(Placenta)というのは「胎盤」という意味です。胎盤というのは妊娠中の女性と赤ちゃんをつないでいる組織です。赤ちゃんには多くの栄養を送らないといけませんので、プラセンタ(胎盤)の中には豊富な栄養が含まれています。

これを利用しようとして生まれたのがラエンネックになります。

そもそもヒト胎盤が医学的に用いられるようになったのは、1950年ごろからです。当初は「組織療法」と呼ばれていました。これはプラセンタを皮下組織に注射する事で、

  • 新陳代謝の改善
  • 血行促進
  • 免疫力増強

といった効果を得る治療法になります。プラセンタはこのように昔から使われていました。

更に昔の歴史を振り返ると、「医学の父」と呼ばれているヒポクラテスも病気の治療にプラセンタを用いていたという記録があり、はるか昔から身体にとって良い作用のあるものであるという事は経験的に知られていたようです。

プラセンタには多くの作用があり日本胎盤臨床医学会によれば、

  • 基礎代謝向上作用
  • 細胞活性化作用
  • 呼吸促進作用
  • 血行促進作用
  • 造血作用
  • 疲労回復作用
  • 血圧調節作用
  • 自律神経調節作用
  • ホルモン分泌調整作用
  • 免疫強化作用
  • 活性酸素除去作用
  • 抗突然変異作用
  • 創傷治癒促進作用
  • 抗炎症作用
  • 抗アレルギー作用
  • 妊婦の乳汁分泌促進作用

などが認められています。

細胞が活性化すれば、細胞分裂が生じ、また細胞の再生も促進されるため、新しい細胞が増え、アンチエイジング効果が期待できます。

なた活性酸素を除去する作用によって、細胞を傷付ける活性酸素が減るため、これもアンチエイジング効果につながります。

造血作用や血行促進作用によって全身の隅々まで血液が送られるようになると、身体の疲労も取れやすく、また活気も上がります。

免疫力を強化する事でばい菌に感染しにくくなり、また抗突然変異作用によってガンなどのリスクを抑える可能性も報告されています。

このような様々な作用をざっくりとまとめると「身体が若々しく、元気になる」作用だと言えるでしょう。

これを期待して、多くの方がプラセンタに興味を持っているのです。

一方で保険適応的に見ればラエンネックは肝疾患の方に投与されます。これは肝疾患で肝臓が痛んでいる方の、

  • 肝細胞の再生を促す
  • 肝臓への血流を促進する
  • 代謝を高めて脂肪肝を改善させる
  • 肝臓の炎症を抑える

といった作用が期待できます。

実際に慢性肝炎や肝硬変の患者さんにラエンネックを投与したところ、有意に肝臓の数値(AST、ALTなど)が改善する事が確認されています。

4.ラエンネックの副作用

ラエンネックの副作用はどのようなものがあるのでしょうか。またラエンネックは安全はお薬なのでしょうか、それとも副作用が多いお薬なのでしょうか。

全体的な印象としてラエンネックは安全性が高いお薬です。お薬というよりはヒトの胎盤ですので、そもそもがヒトに害を与えるものではありません。適正に使用していれば重篤な副作用に出会うことはほとんどありません。

ラエンネックの副作用発生率は約3.7%と報告されています。

そのほとんどがラエンネックの副作用というよりは注射する事により生じるものです。

具体的には、

  • 注射部位の疼痛
  • 発疹・発熱・かゆみ
  • 注射部位の硬結
  • 女性化乳房

などが報告されています。

ちなみにラエンネックはヒトの胎盤から抽出されたエキスになりますが、そもそもこれってどうやって作っているのでしょうか。

販売元の製薬会社担当者に聞いたところ、産婦人科病院と提携し、同意を頂けた産後の女性から採取しているのだそうです。

このようにヒトの体液から採取しているため、ラエンネックの副作用のリスクとして知っておかなくてはいけない事に「感染症リスク」があります。

もちろん販売会社はそのような事がないように厳重に検査・管理を行っており、今のところはそのような報告はないのですが、化学的に合成された物質ではなくヒトから採取している物質ですので可能性はゼロとは言いきれません。

製薬会社はウイルスや細菌が混入しないために、

①原料提供者1人1人について既往歴、渡航歴などの問診及び血清学的検査等によってウィルス・細菌の感染症等のスクリーニングを実施

②HBV-DNA(B型肝炎)、 HCV-RNA(C型肝炎)及びHIV-1-RNA(エイズ)について核酸増幅検査を行い適合した原料を使用

③製造工程で科学的に証明された種々のウイルスを不活性化処理

④最終製品について、B型肝炎、C型肝炎、エイズに加え成人T細胞白血病(ATL)やリンゴ病のウイルス検査で陰性である事を確認

といった方法を行い、厳重にウイルス・細菌の混入がないようにチェックしています。

そのおかげで今のところラエンネックによって感染症が発症したという報告は海外・国内ともにありません。

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5.ラエンネックの用法・用量と剤形

ラエンネックは、

ラエンネック注 2ml

の1剤形があります。

ラエンネックは小さな瓶に入っており、1本が2mlです。この2ml中に、「ヒト胎盤酵素分解物(いわゆるプラセンタ)」を112mg含んでいます。

ラエンネックの使い方は、

通常成人1日1回2mLを皮下又は筋肉内に注射する。症状により1日2~3回注射することができる

と書かれています。

6.ラエンネックが向いている人は

以上から考えて、ラエンネックが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ラエンネックの特徴をおさらいすると、

・ヒト胎盤エキス(プラセンタ)である
・細胞の再生や血行促進、免疫増強・抗アレルギー作用などがあり美容領域でよく用いられる
・医療的には肝疾患に用いられ、肝細胞の再生作用・脂肪肝の改善作用などがある
・ヒトから抽出されているものであり安全性は高い

というものでした。

保険医療的には、慢性肝疾患のある方には推奨しやすいお薬です。副作用も少なく、肝臓だけでなく全身の細胞の活性化が期待できます。

保険外で使いたいという方は、感染症の報告は今までにはないものの、「可能性はある」という事は理解して使用してください。

7.ラエンネックの薬価

ラエンネックの薬価はどのくらいなのでしょうか。

「プラセンタ」と聞くと高いものだと思われる方も多いですが、実はラエンネックは非常に安価です。

ラエンネック注2ml 186円

1瓶186円であり3割負担であれば、約60円です。

この料金でプラセンタが注射できるのなら、ぜひやってほしいという方は多いのではないでしょうか。

しかしこの値段は「保険診療」で行われた場合、つまり「慢性肝疾患における肝機能の改善」に使用された場合に限ります。

美容目的での投与は自費診療になりますので、料金は病院・クリニックが自由に決める事が出来ます。

美容目的での投与の場合、その料金は医療機関が自由に決める事ができます。利益を考えなければ、200円前後で打つことは可能ですが、実際はおおよそ2000円前後の料金としているところが多いようです。

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