プロテカジン錠・OD錠(ラフチジン)の効果と副作用【胃薬】

プロテカジン(一般名:ラフチジン)は2000年から発売されている胃薬になります。錠剤の他、OD錠(口腔内崩壊錠)も発売されています。OD錠とは、口の中で素早く溶けるタイプのお薬の事で、水がなくても服薬できるメリットのあるお薬の事です。

プロテカジンは胃薬の中でもH2ブロッカーという種類に属し、胃壁細胞のヒスタミン2(H2)受容体をブロックすることで胃酸の分泌を抑えるはたらきがあります。

胃酸の分泌をおさえるお薬には多くのものがあります。H2ブロッカーにもたくさんの種類がありますし、他にも「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」と呼ばれるお薬もあります。これらの中でプロテカジンはどのような位置付けになるのでしょうか。

プロテカジンの効果や特徴、どのような方に向いているお薬なのかについてみていきましょう。

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1.プロテカジンの特徴

まずはプロテカジンの特徴について、かんたんに紹介します。

プロテカジンは胃酸の分泌を抑えるお薬になります。

プロテカジンはヒスタミン2(H2)受容体をブロックする作用を持つお薬で、そのため「H2ブロッカー」とも呼ばれています。

胃壁に存在する胃壁細胞はヒスタミン2受容体があり、これにヒスタミンという物質がくっつくと胃酸を分泌するシグナル(cAMP)が発信されます。プロテカジンはヒスタミン2受容体をブロックするため、これにより胃酸分泌のシグナル弱めるはたらきがあるのです。

そのため胃酸が胃に対して悪さをしてしまっている時に効果を発揮するお薬になります。例えば、胃炎や胃潰瘍などでは胃酸が胃壁に出来た傷を攻撃してしまうため、胃酸の分泌を弱めた方が傷が早く治ります。

H2ブロッカーの中でのプロテカジンの特徴としては、胃酸の分泌を抑制するだけでなく、胃粘液を増加させる作用もある事が挙げられます。プロテカジンは「胃酸を減らす」という攻撃因子の低下だけでなく、「胃粘液を増やす」という防御因子の増強も助け、2つの方向から胃を保護してくれるのです。

またH2ブロッカーのほとんどは腎臓で代謝されますが、プロテカジンは肝臓で代謝されます。そのため腎臓が悪い方でも比較的使いやすいH2ブロッカーになります。

プロテカジンの副作用は多くはありません。稀に重篤な副作用の報告もありますが、臨床の実感としては十分安全に使用できるお薬になります。

胃酸の分泌を抑えるお薬というとPPI(プロトンポンプ阻害薬)もありますが、PPIとH2ブロッカーには特徴の違いがあるため、症状・経過によって使い分けられます(詳しくは後述します)。

簡単に言うと、H2ブロッカーは効果はPPIに劣るものの、夜間の胃酸分泌の抑制に効果的です。薬価も安く、急性期よりも維持期に使用するのに向いています。

以上からプロテカジンの特徴として次のようなことが挙げられます。

【プロテカジン(ラフチジン)の特徴】

・ヒスタミン2(H2)受容体をブロックすることで、胃酸の分泌を抑える
・特に夜間の胃酸分泌を抑えてくれる
・胃粘液を増やし、胃を保護する作用がある
・腎臓が悪い方でも比較的使いやすい
・副作用が少ない

2.プロテカジンはどんな疾患に用いるのか

プロテカジンはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

1.胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎

2.急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善

3.麻酔前投薬

プロテカジンは、胃のヒスタミン2受容体をブロックすることで胃酸の分泌を抑えるはたらきがあります。

胃酸は強力な酸ですので、私たちの細胞をも傷付けてしまいます。普段は胃粘膜には胃酸から細胞を守るようなバリアが張られているのですが、胃に炎症や潰瘍などが生じるとこのバリアが不十分になるため、胃酸が胃壁細胞を傷付けてしまいます。

このような場合はプロテカジンなどのお薬を使うことで、胃酸を弱めて胃炎・胃潰瘍の治りを早めることができます。

また逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して食道壁を傷付けてしまう疾患ですが、これもプロテカジンなどのお薬で胃酸の分泌を抑えると改善が得られます。ただし逆流性食道炎は重症例においては効果の研究が行われていないため、プロテカジンの対象は軽症例から中等症例になります。

適応外ですが、これら以外にも抗血小板薬や抗凝固薬といった「血が固まりにくくなるお薬」を服薬している方に胃出血の予防目的で投与されることもあります。

同様に、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤、いわゆる「痛み止め」)を長期服薬していると胃が荒れやすくなる副作用が生じることがあるため、このような場合にプロテカジンを併用して胃潰瘍の予防をすることもあります。

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3.プロテカジンにはどのような作用があるのか

プロテカジンは主に胃酸の分泌を抑えることで胃を守る作用があります。これはどのような作用機序になっているのでしょうか。プロテカジンの主な作用について詳しく紹介します。

Ⅰ.胃酸の分泌抑制作用

プロテカジンは、胃の壁細胞に存在するヒスタミン2(H2)受容体に作用します。

胃壁細胞のヒスタミン2受容体にヒスタミンがくっつくと、cAMPというメッセンジャーが胃酸を分泌させるシグナルを送り、これによって胃酸が分泌されます。

プロテカジンはヒスタミン2受容体のはたらきをブロックする作用があり、これによって胃酸の分泌を抑えてくれるのです。

Ⅱ.胃粘液増加作用

H2ブロッカーの中でプロテカジンに特徴的な作用としては、胃粘液を増やしてくれる作用が挙げられます。

胃粘液は胃の表面を覆ってくれる粘液で、ヘキソサミンやムチンというたんぱく質などが成分となっています。ヘキソサミンはアルカリ性の物質であり胃酸を中和してくれるため、胃酸から胃壁を守るはたらきがあります。ムチンは粘性のある糖タンパクで、その粘性によって胃壁を保護してくれます。

プロテカジンはカプサイシン感受性知覚神経を介して胃粘液(ヘキソサミンやムチンなど)の分泌を促すはたらきがあると考えられています。

4.プロテカジンの副作用

プロテカジンをはじめとするH2ブロッカーは安全性に優れ、副作用が少ないお薬になります。プロテカジンもその副作用発生率は1.7~2.5%前後と報告されており、H2ブロッカーの中ではやや多めになるものの、安全性は高いお薬となります。

生じうる副作用としては、

  • 便秘・下痢
  • 発疹

などが報告されています。

また検査数値の異常としては、

  • 肝機能障害(AST、ALT上昇)

などが報告されているため、プロテカジンを長期的に服用する場合は定期的に血液検査を行うことが望まれます。

稀ですが重篤な副作用の報告もあり、

  • ショック
  • 無顆粒球症、血小板減少

などがあります。注意は必要ですが、臨床で適切に使っている分には見かけることはほとんどありません。

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5.プロテカジンの用法・用量と剤形

プロテカジンは、

プロテカジン錠(ラフチジン) 5mg
プロテカジン錠(ラフチジン) 10mg

プロテカジンOD錠(ラフチジン) 5mg
プロテカジンOD錠(ラフチジン) 10mg

の2剤型、4種類のお薬があります。

プロテカジンの使い方は、

【胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎】
通常成人には、1回10mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。また1回300mgを1日1回(就寝前)経口投与することもできる。なお、症状により適宜増減する。

【急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善】
通常成人には、1回10mgを1日1回(夕食後または就寝前)経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

【麻酔前投薬】
通常成人には、1回10mgを手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口投与する。

となっています。

プロテカジンは主な代謝経路は肝臓ですが、腎臓でも排泄されるお薬ですので、透析患者さんでは注意が必要です。透析患者さんでは腎臓がほとんど機能していないため、透析していない期間は最高血中濃度が健康な人の2倍に上昇することが報告されていますので、慎重に用量を考えなくてはいけません。

6.H2ブロッカーとPPIの違い

プロテカジンはH2ブロッカーに属しますが、同じように胃酸の分泌を抑えるものとしてPPI(プロトンポンプ阻害薬)もあります。

この2つはどう違うのでしょうか。

まず強さとしてはPPIの方が強力です。その理由はPPIの方が胃酸分泌をより直接的にブロックするためです。

そのため、急性期の胃潰瘍などではまずはPPIを使うことが多くなっています。

即効性で言えば、H2ブロッカーの方が速く効きます。おおよそですが、H2ブロッカーは効くまでに約2~3時間、PPIは約5~6時間ほどと言われています。

また効く時間帯にも特徴があり、PPIは主に日中の胃酸分泌を強く抑え、H2ブロッカーは主に夜間の胃酸分泌を強く抑えると言われています。

最後に保険的な話になってしまうのですが、PPIは投与制限が設けられているものも多く(4週間までしか投与してはいけませんよ、など)、長くは使えないものも少なくありません。

そのため胃潰瘍の治療では、まずは効果の高いPPIから初めて、保険が通らなくなる時期が来たらH2ブロッカーに切り替えるというのが良く行われている方法になります。

7.プロテカジンが向いている人は?

以上から考えて、プロテカジンが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

プロテカジンの特徴をおさらいすると、

・ヒスタミン2(H2)受容体をブロックすることで、胃酸の分泌を抑える
・特に夜間の胃酸分泌を抑えてくれる
・胃粘液を増やし、胃を保護する作用がある
・腎臓が悪い方でも比較的使いやすい
・副作用が少ない

というものでした。

H2ブロッカーには多くの種類がありますが、極論を言えばどれを使っても総合的な効果にあまり差はありません。ガスター(一般名:ファモチジン)が一番有名で処方されていますが、どのH2ブロッカーを処方するかは、先生が使い慣れているお薬が選択されることが多いようです。

プロテカジンをはじめとしたH2ブロッカーは、急性期にPPIで治療された胃潰瘍の維持期に用いたり、主に夜間の胃酸分泌亢進で困っている方に用いられる胃薬になります。

プロテカジンならではの特徴として、胃粘液という胃の防御因子を増やすことで胃を保護してくれるはたらきがあります。胃酸という攻撃因子を減らしつつ、胃粘液という防御因子を増やすという両方向から胃を保護してくれるプロテカジンは、胃酸過多だけが原因ではないような胃炎・胃潰瘍には向いている可能性があります。

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