ルリコン軟膏・クリーム・液(ルリコナゾール)の効果と副作用

ルリコン軟膏・ルリコンクリーム・ルリコン液(一般名:ルリコナゾール)は病院で処方される塗り薬で、「イミダゾール系抗真菌薬」という種類のお薬になります。2005年から発売されています。

抗真菌薬とは要するに、真菌(カビ)をやっつけるお薬です。ルリコンは塗り薬ですので、主に皮膚に感染した真菌(皮膚真菌症)に対して用いられます。

日常で感染する皮膚真菌症には、白癬(いわゆる水虫)やカンジダなどがあり、ルリコンはこのような真菌をやっつけるために用いられます。

抗真菌薬にもいくつかの種類があります。どれも総合的な有効率に大きな差はないとも言われていますが、それぞれのお薬ならではの特徴もあります。

ルリコンは抗真菌薬の中でどのような作用を持っていて、どのような効果が期待できるお薬なのでしょうか。

ルリコンの効果・効能や特徴、副作用についてみてみましょう。

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1.ルリコンの特徴

まずはルリコンの特徴をざっくりと紹介します。

ルリコンは、白癬・カンジダ・癜風など各種真菌に対して、幅広く効果を示します。即効性に優れるという特徴があります。

ルリコンはイミダゾール系という種類の抗真菌薬になります。

抗真菌薬には「真菌の増殖を抑えるもの(静真菌作用)」と「真菌を殺すもの(殺真菌作用)」がありますが、イミダゾール系は後者であり殺真菌的に作用します。

そのため効果も強力であり確実な効果が期待できます。

ルリコンの最大の特徴は、他の抗真菌薬と比べて「即効性に優れる」ことです。他の真菌薬の半分の期間で、他の抗真菌薬と同様の効果を得られることが確認されています。

塗り薬であるため、全身にお薬が回ることが少なく、大きな副作用がない点も良い特徴です。

またルリコンは皮膚浸潤性が良好であり、皮膚の角質層に長時間留まるため、1日1回の塗布で効果が持続することが確認されており、1日に何回も塗る必要はありません。

ルリコンをはじめとした皮膚真菌症に対する塗り薬は効果に大きな差はないため、極論を言えばどれを用いても大きな間違いはありません。

その中でルリコンの特徴を挙げると、次のようなことが挙げられます。

【ルリコン軟膏・クリーム・液の特徴】
・白癬・カンジダ・癜風などに対して殺真菌的に作用する
・1日1回塗るだけで効果が持続する
・他の抗真菌薬と比べて即効性がある
・塗り薬で全身に作用しないため、副作用も少ない
・剤型が豊富

2.ルリコンはどのような疾患に用いるのか

ルリコンはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

下記の皮膚真菌症の治療

・白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬
・カンジダ症:指間びらん症、間擦疹
・癜風

抗真菌薬であるルリコンは、皮膚に真菌(カビ)が感染してしまった時に用いられます。

日常において、皮膚に感染する可能性のある真菌というのはほとんどが白癬菌(皮膚糸状菌)になります。

白癬菌が足に感染すると「足(部)白癬」(いわゆる「水虫」)、
白癬菌が身体に感染すると「体部白癬」(いわゆる「たむし」)、
白癬菌が股(また)に感染すると「股部白癬」(いわゆる「いんきん」)と呼ばれます。

ルリコンはこのような白癬菌の感染に対して殺真菌的に作用します。

また、カンジダ菌は健常人の腸内にも常在している「常在菌」ですが、これがしばしば悪さをしてしまう事があります。特にストレスや疲れなどで免疫力が低下している時に発症しやすくなります。

具体的には、水仕事をしている方などの指の間に生じやすい「カンジダ性指間びらん症」、陰部・股間・脇・乳房の下などの密閉された環境で生じやすい「カンジダ性間擦疹」などがあります。

ルリコンは、カンジダ菌に対しても効果を示します。

癜風も真菌(カビ)であるマラセチアが原因となる皮膚真菌症ですが、自覚症状が乏しいため気付かれにくい傾向があります。皮脂の多いところに生じやすく、脂漏性湿疹の原因にもなります。

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3.ルリコンにはどのような作用があるのか

ルリコンの作用は真菌(白癬・カンジダなど)をやっつける事ですが、どのような機序で真菌をやっつけているのでしょうか。

ルリコンは真菌細胞膜の重要な構成成分である「エルゴステロール」の合成を阻害し、細胞膜を「もろく」する作用があります。

抗真菌薬は真菌細胞を殺すお薬ですが、細胞を殺す作用を持つお薬は同時に「人の細胞」も殺してしまう危険があります。そのため真菌にだけ効いて、人の細胞には効かないような工夫が必要になります。

エルゴステロールは真菌細胞の細胞膜に存在する物質ですが、人の細胞には存在しません。そのためエルゴステロールを標的にすれば、真菌細胞のみ効率的にやっつけることができるというわけです。

ちなみに他の種類の抗真菌薬も、エルゴステロール合成阻害作用にて殺真菌作用を発揮するお薬は多いのですが、イミダゾール系(ルリコン含む)とその他のお薬では作用する部位が異なります。

エルゴステロールは、アセチルCoAという物質からいくつかの段階を経てエルゴステロールになります。簡略化して書くと、

アセチルCoA⇒スクアレン⇒ラノステロール⇒エルゴステロール

といった経路でエルゴステロールは合成されます。

ルリコンなどのイミダゾール系は、ラノステロールから次の物質に変化させる酵素を阻害します。

他の抗真菌薬、例えばアリルアミン系(ラミシールなど)、ベンジルアミン系(メンタックスなど)やチオカルバミン酸系(ゼフナートなど)は、スクアレンから次の物質に変化させる酵素を阻害します。

このように、同じ抗真菌薬でも種類によって作用点が異なるのです。

また、ルリコンは作用発現が早いことが大きな特徴です。通常、抗真菌薬がどのくらい真菌をやっつけるのかという研究をするときは、「足白癬は4週間、その他は2週間」治療をして評価するのが一般的です。

しかしルリコンは「足白癬は2週間、その他は1週間」という半分の期間に治療にて十分な効果が得られることが確認されています。

同種のマイコスポール(ビホナゾール)との比較では、ルリコンは半分の治療期間にも関わらず、通常期間治療を行ったマイコスポールと比較して皮膚症状改善度は同等、真菌消失率はむしろルリコンの方が高いという結果が出ています。

4.ルリコンの副作用

ルリコンの副作用は多くはありませんが、真菌を「殺す」お薬であるため、時にヒトの身体にも害を及ぼすことがあります。

ルリコンは塗り薬であり、全身に投与するものではないのでその副作用も局所に留まる事がほとんどです。

そのため、全身性の重篤な副作用はほとんどありません。

報告されている副作用としては、

  • 接触性皮膚炎
  • 刺激感
  • 発赤・紅斑
  • かゆみ
  • 痛み
  • 湿疹

などの局所の副作用です。

いずれも重篤となることは少なく、多くはルリコンの使用を中止すれば自然と改善していきます。

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5.ルリコンの用量・用法と剤型

ルリコンは、

ルリコン軟膏1%(ルリコナゾール) 10g
ルリコンクリーム1%(ルリコナゾール) 10g
ルリコン液1%(ルリコナゾール) 10ml

と3つの剤型があります。

ルリコンの使い方は、

1日1回患部に塗布する。

と書かれています。

ルリコンは1回塗れば、長時間にわたって皮膚の角質層に留まるため、1日1回の塗布で十分効果が持続します。

ちなみに塗り薬には、「軟膏」「クリーム」「外用液」などがありますが、これらはどう違うのでしょうか。

軟膏は、ワセリンなどの油が基材となっています。保湿性に優れ、刺激性が少ないことが特徴ですが、べたつきは強く、これが気になる方もいらっしゃいます。

クリームは、水と油を界面活性剤で混ぜたものです。軟膏よりも水分が入っている分だけ伸びがよく、べたつきも少なくなっていますが、その分刺激性はやや強くなっています。

外用液は水を中心にアルコールなどを入れることもある剤型です。べたつきはほとんどなく、遣い心地は良いのですが、保湿効果は長続きしません。刺激性が強めというデメリットがある反面で、浸透力が高く、皮膚が厚い部位でも効果が期待できます。

それぞれ一長一短あるため、皮膚の状態に応じて主治医とよく相談し、使い分ける事が大切です。

ルリコンは軟膏・クリーム・液(外用液)と3つの剤型が全て揃っていますので、幅広い皮膚の状態に対応が可能です。

6.ルリコンが向いている人は?

以上から考えて、ルリコンが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ルリコンの特徴をおさらいすると、

・白癬・カンジダ・癜風などに対して殺真菌的に作用する
・1日1回塗るだけで効果が持続する
・他の抗真菌薬と比べて即効性がある
・塗り薬で全身に作用しないため、副作用も少ない
・剤型が豊富

というものでした。

皮膚真菌症に対する塗り薬はいくつかの種類がありますが、極論を言えばどれを使っても大きな違いはありません。

「この水虫は絶対にルリコンじゃないとダメだ!」というケースはほとんどなく、実際はどれを使ってもある程度の改善は期待できます。

そのため、自分の使いやすさや好みである程度選択しても構わないでしょう。

抗真菌薬の中でもイミダゾール系は白癬菌、カンジダ菌、マラセチアなどの幅広い真菌に対して効果があり、またルリコンは即効性もあり作用時間も長いため使い勝手の良いお薬です。

特に大きなデメリットのない優等生であるルリコンは、真菌に対してまず用いるお薬として、向いているでしょう。

ちょっとした注意点として、ルリコン軟膏はわずかに黄色に着色しているため、洋服などについてしまうと、洋服が黄色く着色してしまうことがあります。

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