ニフラン点眼液の効果と副作用【非ステロイド性抗炎症点眼剤】

ニフラン点眼液(一般名:プラノプロフェン点眼液)は1988年から発売されている点眼液です。

ニフランは「NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)」という種類に属するお薬で、その成分はいわゆる「痛み止め」と同じです。

NSAIDsの代表薬としては「ロキソニン(ロキソプロフェン)」などがありますが、ニフランも基本的な作用はこれと同じで、痛みを和らげたり炎症を抑えたりするはたらきを持ちます。

ニフラン点眼液はどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに使うお薬なのでしょうか。

ニフラン点眼液の効果や副作用・特徴などを紹介していきたいと思います。

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1.ニフラン点眼液の特徴

まずはニフラン点眼液の特徴を紹介します。

ニフラン点眼液は、眼の表面の炎症や痛みを和らげるお薬になります。

風邪を引いたり、外傷で痛みが生じた時にNSAIDs(ロキソニン、ボルタレン、セレコックスなど)と呼ばれるお薬を処方されることがありますが、ニフランもNSAIDsです。

実際、ニフランは点眼液だけでなく「ニフラン錠」という錠剤もあり、これは主に鎮痛剤(痛み止め)や解熱剤(熱さまし)として用いられています。

ニフラン点眼液も基本的な作用機序はニフラン錠と同じになります。

ただし飲み薬と違い、作用は局所的(眼のみ)の消炎・鎮痛に留まり、お薬が全身に回りにくいため副作用も飲み薬よりも少なめです。

注意点としては、あくまでも炎症や痛みに対して、それを緩和する作用を持っているに過ぎず、炎症や痛みの根本を治しているわけではありません。

これはNSAIDs全般に言えることですが、例えば風邪で高熱が出た時にNSAIDsを使えば熱は下がりますが、これは熱を下げているだけでウイルスをやっつけているわけではありません。骨折した痛みにNSAIDsを使えば痛みは軽減しますが、これも骨折自体は全く治していません。

症状を取っているだけですので、NSAIDsは漫然と使い続けることは危険です。例えば痛みに対して「原因はよく分からないけど、取り敢えずNSAIDsで痛みを抑えておこう」と安易に考えて投与してしまえば、痛みの原因を放置することになります。

痛みの原因がガンなどの重篤なものであれば発見が遅れてしまい取り返しのつかないことになることもあります。

NSAIDsは、原因がわかっている炎症や痛みに対して、あくまでも一時的にのみ使うべきものという認識を忘れないようにしましょう。

NSAIDs以外の炎症止めの点眼薬というとステロイドがあります。ステロイドも有用なお薬ですが、ニフランはステロイドではないため、ステロイドが使いずらいような炎症や痛みにも用いることができます。

例えば感染で眼の痛みが生じている場合、ステロイドは免疫力を下げてしまうため不向きですが、ニフランであれば使用が可能になります。

以上からニフラン点眼液の特徴として次のような点が挙げられます。

【ニフラン点眼液の特徴】

・炎症や痛みを和らげる作用を持つ
・あくまでの一時しのぎで原因に効くお薬ではない
・感染性の痛みにも使いやすい

2.ニフラン点眼液はどんな疾患に用いるのか

ニフラン点眼液はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法
(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)

ニフランは各種炎症疾患に対して、炎症を和らげる作用を持ちます。

ただ上記に書かれている通り、あくまでも「対症療法」に過ぎません。

対症療法とは、症状に対して、それを抑えるために作用しているだけであって、症状を引き起こしている原因そのものを治しているわけではないという意味です。

ニフラン点眼液の有効率は、

  • 眼瞼炎への有効率は76.3%
  • 結膜炎への有効率は82.3%
  • 角膜炎への有効率は60.7%
  • 強膜炎への有効率は55.0%
  • 上強膜炎への有効率は100%
  • 前眼部ブドウ膜炎への有効率は65.9%
  • 術後炎症への有効率は56.2%

と報告されています。

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3.ニフラン点眼液にはどのような作用があるのか

ニフラン点眼液はどのような機序で炎症や痛みを抑えているのでしょうか。

ニフランの作用を説明する前に、まずは「炎症」とは何なのかについてお話します。

炎症とは、

  • 発赤 (赤くなる)
  • 熱感 (熱くなる)
  • 腫脹(腫れる)
  • 疼痛(痛みを感じる)

の4つの徴候を生じる状態のことで、感染したり受傷したりすることで生じます。またアレルギーで生じることもあります。

みなさんも身体をぶつけたり、ばい菌に感染したりして、身体がこのような状態になったことがあると思います。これは炎症が起きている状態なのです。

ニフランをはじめとしたNSAIDsは、炎症の原因が何であれ炎症そのものを抑える作用を持ちます。つまり、発赤・熱感・腫脹・疼痛を和らげてくれるという事です。

具体的にどのように作用するのかというと、ニフランなどのNSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX)という物質のはたらきをブロックするはたらきがあります。

COXは、プロスタグランジン(PG)が作られる時に必要な物質であるため、COXがブロックされるとプロスタグランジンが作られにくくなります。

プロスタグランジンは炎症や痛み、発熱を誘発する物質です。そのため、ニフランがCOXをブロックすると炎症や痛み、発熱が生じにくくなるのです。

実際、ニフランを点眼すると眼球内の房水中のプロスタグランジン量の増加が抑制される事が確認されています。

ちなみにニフランはあくまでも痛みなどの症状を抑えるだけで、傷を治す作用はありません。ニフランは傷の治りを遅くはさせない事が確認されていますが、何も治療をしていない群と比べて特に傷の治りを早めるという作用もない事が確認されています。

4.ニフラン点眼液の副作用

ニフラン点眼液にはどんな副作用があるのでしょうか。

点眼液は、局所(眼)に直接点眼するため局所作用が主であり、お薬が全身に回りにくいというメリットがあります。そのため副作用の頻度は多くはありません。

ニフラン点眼液の副作用発生率は、1.35%と報告されています。

生じる可能性のある副作用としては、

  • 眼の刺激感
  • 結膜充血
  • 眼のかゆみ
  • 眼瞼発赤・腫脹
  • 眼瞼炎
  • 眼脂
  • 流涙(涙が出る)
  • びまん性表層角膜炎
  • 異物感
  • 結膜浮腫
  • 接触性皮膚炎

また緑内障の方は、「点眼液を指す事で眼圧が上がってしまわないか」と心配される事がありますが、ニフラン点眼液は緑内障に用いても眼圧は上げない事が確認されています。

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5.ニフラン点眼液の用法・用量と剤形

ニフラン点眼液は次の剤型が発売されています。

ニフラン点眼液0.1% 5ml

また、ニフラン点眼液の使い方は、

通常、1回1~2滴を1日4回点眼する。なお、症状により適宜回数を増減する。

となっています。

6.ニフラン点眼液はコンタクトレンズの上から点眼していいのか?

点眼液を処方すると、患者さんから良く聞かれる質問があります。

それは「コンタクトを付けたまま点眼して大丈夫か?」というものです。

この回答は、「ハードコンタクトレンズなら可能」「ソフトコンタクトレンズは要注意」というのが答えになります。

点眼薬の多くは、防腐剤としてベンザルコニウム塩化物が含まれていますが、これはソフトコンタクトレンズに吸着してしまい、コンタクトレンズを変形させる恐れがあると考えられています。

そのため防腐剤が入っている点眼液は、ソフトコンタクトレンズ装着時には点眼しない方が良いのです。

そしてニフラン点眼液にもベンザルコニウム塩化物が含まれています。そのためソフトコンタクトレンズ装着時の点眼は推奨されません(ハードコンタクトレンズ装着下は点眼可能です)。

しかし実際の臨床では、1Dayなどの期間の短い使い捨てコンタクトレンズであればソフトタイプであっても、「コンタクトレンズの上から点眼しても良い」とする先生も多いようです。

これは、ニフラン点眼液中に含まれるベンザルコニウム塩化物が1dayコンタクトレンズに吸着してしまう可能性はあるのだけれども、1日で使い捨てるタイプのコンタクトレンズであれば、吸着によるトラブルが生じる前にコンタクトレンズを破棄することになるため、ほとんど問題とならないからです。

反対に2weekタイプであったり、長く使用するタイプのソフトコンタクトレンズを使用している場合は、ニフランをコンタクトレンズ装着下では使用しない方が良いでしょう。

7.ニフラン点眼液の使用期限はどれくらい?

ニフラン点眼液の使用期限って、どのくらいの長さなのでしょうか。

「家に数年前に処方してもらった目薬があるんだけど、これってまだ使えますか?」

このような質問は患者さんから時々頂きます。

これは保存状態によっても異なってきますので、一概に答えることはできませんが、適正な条件で保存されていたという前提(室温・遮光保存)だと、「3年」が使用期限となります。

6.ニフラン点眼液が向いている人は?

以上から考えて、ニフラン点眼液が向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ニフラン点眼液の特徴をおさらいすると、

・炎症や痛みを和らげる作用を持つ
・あくまでの一時しのぎで原因に効くお薬ではない
・感染性の痛みにも使いやすい

などがありました。

ニフランには、炎症や痛みを和らげる作用がありますが、原因そのものを治すわけではなく、あくまでも症状を取っているだけという特徴があります。

そのため、原因を治すような治療を行っていて、それでも炎症や痛みが強い場合に補助的に用いるといった使い方が理想的です。

痛みの原因が何なのかも分からないのに「とりあえずニフランで痛みを取っておこう」などといった使い方は危険ですので推奨されません。

原因は治せていないのに、炎症や痛みは抑えることができてしまうため、重篤な原因疾患が隠れていた場合、発見が遅れてしまう危険があります。

実際、ニフランの【重要な基本的注意】という欄には次のように書かれています。

・本剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
・眼の感染症を不顕在化させる恐れがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には観察を十分に行い、慎重に投与すること。

ニフランのようなNSAIDsは基本的には、原因を治す治療を行った上で補助的なものとして、一時的に使用するお薬になります。

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