ラキソベロンが効かない時に考えたい5つの対策

ラキソベロン液(ピコスルファートナトリウム)は、主に便秘の方を対象に用いられている下剤です。

ラキソベロンは、大腸を刺激して大腸の動きを良くすることで排便を促します。大腸刺激薬と呼ばれ、しっかりとした効果が得られる下剤です。

便秘症の方への有効率も80%以上と報告されており効果の高いお薬ですが、中にはラキソベロンが効かないという方もいらっしゃいます。

ラキソベロンを服用しても排便コントロールが不十分な場合、どのような対策を取ればいいのでしょうか。

ラキソベロンで充分な効果が得られなかった時に取るべき対策について紹介します。

スポンサーリンク

1.独自に判断せず、まずは主治医に報告する

ラキソベロンは下剤であり、医師が処方するお薬の一つです。

下剤は、「便を出しやすくするお薬」という分かりやすい作用のため、一般の方が独断で自己調整してしまうことがありますが、原則は医師の指示下で使用すべきものです。

十分な効果が得られていない場合は尚更です。効果が十分でない場合は、まずは主治医に報告し、服用方法に間違いはないか、用量は適切なのかを再確認しましょう。

また、お薬の効きには個人差があります。中にはラキソベロンが向いていない方もいらっしゃるため、その場合は別の下剤が必要なこともあります。この判断も一般の方が独断で行うのは危険ですので、主治医によく相談して判断してもらいましょう。

2.生活習慣の見直しを

便秘に対して、下剤を服用するというのは有効な手段です。

しかし下剤を使用した排便コントロールというのは、「お薬の力を頼って解決している」に過ぎないことを忘れてはいけません。本来、私たちの身体はお薬に頼らなくても排便が行えるように出来ています。

下剤を使う前に、日常生活の中に便秘を悪化させるような週間がないかどうかを見直してみてください。

便秘の原因として多い生活習慣を紹介します。

Ⅰ.野菜不足

野菜は便通を良くするために必須です。これは、野菜は食物繊維が豊富に含まれていることが理由です。

食物繊維は炭水化物の一種ですが、身体に吸収されないという特徴があります。そのため便の量を増大させ排便させやすくします。また食物繊維は腸内細菌によって利用され、腸管の動きを良くするはたらきを認めるとも言われています。

Ⅱ.水分不足

水分が足りなければ、腸管で作られた便は硬くなってしまいます。固くなると詰まりやすくなり、スムーズに排便されにくくなります。水分も便通を良くするために大切なのです。

Ⅲ.食事バランスのかたより

先ほどの野菜不足とも重なるところもありますが、食事のバランスが悪いと便通が悪くなります。

野菜不足に加えて、タンパク質の過剰摂取でも、腸内細菌のバランスが崩れて便通が悪くなることが知られています。

極端なダイエットや、糖質制限などでは便秘になってしまうことがあります。かたよりなく、バランスの良い食生活を意識しましょう。

Ⅳ.運動不足

身体を適度に動かさないと、腸も動きません。運動不足が続いていると、腸管の動きも悪くなるため便秘の傾向になります。

病院に入院して一日中ベットに寝たきりになると途端に便秘になる、というのは私たち医療者はよく経験します。入院患者さんは非常に高い確率で下剤が投与されていますが、これは入院患者さんが寝極端に運動量が減ってしまっているのも一因でしょう。

高齢者の場合では、運動不足が続くと腹筋などの筋力が低下し、力むことが出来ずに排便できなかったりすることもあります。また、臓器を支えている筋力が低下して臓器が下垂すると腸管を圧迫するため、これも便秘の原因となります。

Ⅴ.ストレス

ストレスも便秘の原因となります。ストレスにより腸管がけいれんして、上手く便が肛門側に運ばれなくなってしまうことがあります。これをけいれん性便秘と呼びます。

また、ストレスによって胃腸系の自律神経のバランスが乱れることで過敏性腸症候群が発症することもあります。過敏性腸症候群は下痢や腹痛が多い症状ですが、反対に便秘になることもあります。

スポンサーリンク

3.お薬の副作用で便秘になっていないか

お薬は、副作用によって便秘を呈するものが少なくありません。

例えば抗うつ剤や抗がん剤などで便秘の副作用が出ることは、比較的良く知られていますが、それ以外でも降圧剤(血圧を下げるお薬)や風邪薬などでも便秘が出現することがあります。

必要なお薬であれば仕方ないが、主治医と相談して量を減らせるのであれば減薬を検討することは大切です。量を減られせば、その分だけ便秘の程度も軽くなります。

減薬して、便秘が軽くなれば、その分必要な下剤の量を減らすこともできます。

4.体質的にラキソベロンが効かない人もいる

元々の体質的にラキソベロンが効かない人も少数ながらいます。

ラキソベロンは、腸内細菌が分泌するアリルスルファターゼという酵素によって分解(加水分解)され、これにより活性型ジフェノール体になります。ラキソベロン自体に下剤としての作用はなく、この活性型ジフェノール体に下剤としての作用があるのです。

しかし健常人の中でも少数の人(報告では2.2%)では、便中のアリルスルファターゼ活性を認めなかったという報告があります。これは元々、アリルスルファターゼを分泌する腸内細菌を有していない方が少数いらっしゃって、その方にはラキソベロンは全く効かないと考えることができます。

中には体質的に効かない方がいる、という事も知っておきましょう。この場合は、いくらラキソベロンの量を増やしても効果は乏しいことが予想されますので、別の下剤を使用する必要があります。

スポンサーリンク

5.別の下剤を試してみる

下剤にはいくつかの種類がありますので、ラキソベロンが効かないのであれば、別のお薬に変更することも手段になります。

Ⅰ.別の大腸刺激性下剤を試す

ラキソベロンは大腸刺激性下剤という種類に属し、主に大腸を刺激することで大腸の動きを活性化させて排便させる作用を持つお薬です。

大腸刺激性下剤には他にもいくつかの種類があります。どれも作用機序は異なりますので、主治医と相談の上、検討される事もあります。

【センナ系】

商品名:プルゼニド(センノシド)、アローゼン(センナ・センナ実)、ダイオウ、大黄甘草湯

センナという成分により排便を促すお薬です。センナは大腸の腸内細菌に分解され、レインアンスロンという物質を生成します。レインアンスロンは大腸壁を刺激し、大腸の蠕動運動を亢進させる作用を持ちます。

レインアンスロンによって大腸が活発に動くようになると、便がスムーズに大腸から肛門へ輸送されるため、排便されやすくなるという機序になります。

排便作用は強力で頼れるお薬ですが、連用していると次第に大腸が刺激に慣れてきてしまい、効きが悪くなってくることがあります(耐性形成)。

また、大黄(ダイオウ)という生薬を含む漢方薬も下剤として用いられますが、これも似たような作用機序になります。

【その他】

商品名:レシカルボン、テレミンソフト(ビサコジル)

これらは座薬として用いられます。

レシカルボンは炭酸水素ナトリウムと無水リン酸二水素ナトリウムを含有しており、炭酸ガスを発生させることにより腸管の動きを活性化させます。

テレミンソフトは直腸粘膜に作用し、直腸の動きを促すことで排便させます。そのため、直腸まで便が下りてきていて、そこから出ないという便秘に有効です。

Ⅱ.別の種類の下剤を試す

ラキソベロンは大腸刺激性下剤ですが、その他のはたらきで便通を改善するお薬もあります。代表的なものを紹介します。

【マグネシウム製剤】

商品名:酸化マグネシウム、マグラックス、マグミットなど

腸管内に水分を移行させることにより、便に水分を含ませ軟化させます。便が柔らかくなることで排便しやすくなるお薬です。そのため、多めの水分と一緒に服用するとなお効果的です。

大腸刺激性下剤と比べて、耐性形成を認めないため、安全性に優れます。

【膨張性下剤】

商品名:バルコーゼ(カルメロース)

バルコーゼは多量の水分を含んで膨張するという性質があります。そのため、便を柔らかくし、更に膨張することで大腸を刺激して排便を促します。

作用は穏やかで安全性に優れます。耐性形成も認めません。

【腸液分泌増加】

商品名:アミティーザ(ルビプロストン)

2012年に、約30年ぶりに発売された便秘症の新薬です。

その作用機序は、腸管内へ腸液の分泌を増加させることです。腸液が多く分泌されればその分だけ便が柔らかくなるため、排便しやすくなるという機序になります。

これらの他にも整腸剤、漢方薬など、便秘改善に用いられるお薬もあります。その適応は医師が診察の上で判断する必要があるため、主治医とよく相談し、最適なお薬を見つけてください。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
こちらの記事も是非ご覧下さい