プラデスミン配合錠の効果と副作用【抗アレルギー薬】

プラデスミン配合錠(一般名:ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)は1965年から発売されている「セレスタミン」という抗アレルギー薬のジェネリック医薬品になります。

プラデスミンは「配合錠」という名前の通り、複数の成分が配合された合剤になります。アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬と炎症反応を和らげるステロイドを配合することにより、強力にアレルギー症状を抑えます。

2つの成分を含んでいるためしっかりとした効果が期待できる一方で、副作用にも注意が必要になります。

プラデスミン配合錠はどのような特徴のあるお薬で、どんな作用を持っているお薬なのでしょうか。ここではプラデスミン配合錠の効果や特徴・副作用についてみていきましょう。

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1.プラデスミンの特徴

まずはプラデスミンの全体的な特徴についてみてみましょう。

プラデスミン配合錠は、「抗ヒスタミン薬」と「ステロイド」が配合された抗アレルギー薬です。抗ヒスタミン薬がアレルギーの原因となるヒスタミンのはたらきを抑え、ステロイドは免疫を抑える事で炎症を起こしにくくさせます。

アレルギー症状に対して強い効果がありますが複数の成分を含むため、副作用には注意が必要です。最初から用いるべきお薬ではなく、やむを得ない場合に限って慎重に用いるべきお薬になります。

プラデスミンはアレルギー症状を抑えるために有効な2つの成分が含まれています。

1つ目が抗ヒスタミン薬であるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩です。これは「ポララミン」というお薬と同じ成分になります。

2つ目はステロイド剤であるベタメタゾンです。これは「リンデロン」というお薬と同じ成分です。

ヒスタミンはアレルギーを誘発する原因となる物質です。抗ヒスタミン薬はヒスタミンのはたらきをブロックすることでアレルギーを誘発させにくくするお薬になります。

抗ヒスタミン薬には古い第1世代抗ヒスタミン薬と、比較的新しい第2世代抗ヒスタミン薬があります。第1世代は効果は強いのですが眠気などの副作用が多いという特徴があり、一方で第2世代は効果もしっかりしていて眠気などの副作用も少ないという特徴があります。

この違いは第1世代は脂溶性(脂に溶ける性質)が高いため脳に移行しやすく、第2世代は脂溶性が低いため脳に移行しにくいためだと考えられています。また第2世代の方がヒスタミンにのみ集中的に作用するため、余計な部位への作用が少なく、これも副作用が生じにくい理由となっています。

プラデスミンに含まれる抗ヒスタミン薬は第1世代になります。古いお薬になるため、現在では最初から用いられることはあまりありません。第2世代では効果が不十分であったり、どうしても第2世代が使えないような時に選択されるお薬になります。

またステロイドは免疫(身体が異物と闘う力)を抑える事で、炎症反応を生じにくくさせるお薬です。アレルギーは免疫の誤作動であり、本来であれば身体に無害なもの(花粉など)に対して身体が「これは敵だ!」と誤解して闘ってしまう事で炎症が生じてしまいます。この場合はステロイドで免疫を抑えてあげると症状を和らげる事ができます。

この第1世代抗ヒスタミン薬とステロイド剤を配合したものがプラデスミンになります。

プラデスミンの長所は強力な抗アレルギー作用です。ヒスタミンをしっかりと抑えつつステロイドによる抗炎症作用も加わるため、強力にアレルギー症状を抑えてくれます。

またジェネリック医薬品であるため先発品のセレスタミンと比べて薬価が安いというメリットもあります。先発品のセレスタミンも薬価は十分安いお薬ではありますが、更に経済的負担を軽減できるのはありがたいことです。

デメリットとしては副作用が挙げられます。古い抗ヒスタミン薬を配合しているため、眠気や抗コリン作用(口渇、便秘、尿閉など)を生じる頻度が高く、またステロイドを配合しているため感染に対する抵抗力が落ちてしまったり、血糖値を上げたり精神状態を不安定にしてしまったりする事があります。

このような特徴から現在ではアレルギーに対してプラデスミンを最初から用いる事はありません。

まずは副作用の少ない第2世代抗ヒスタミン薬などから開始するのが一般的であり、プラデスミンが用いられるのは他のお薬では効果が不十分であったりなどやむを得ない場合に限られます。

以上から、プラデスミンの特徴として次のようなことが挙げられます。

【プラデスミンの特徴】

・抗ヒスタミン薬とステロイドの合剤である
・花粉症や蕁麻疹などのアレルギー症状を強力に抑える
・古い第1世代抗ヒスタミン薬であり、眠気や抗コリン作用に注意
・ステロイドを含み、易感染性や体重増加などに注意
・現在では他の抗アレルギー薬が効かない場合にのみやむを得ず用いられる
・ジェネリック医薬品であり薬価が安い

2.プラデスミンはどのような疾患に用いるのか

プラデスミンはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

蕁麻疹(慢性例を除く)
湿疹・皮膚炎群の急性期及び急性増悪期
薬疹
アレルギー性鼻炎

難しい病名がたくさん書かれていますが、基本的には「アレルギー疾患に効くお薬」という認識で良いでしょう。

アレルギーで生じる疾患として代表的なものには、アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症など)や蕁麻疹(じんましん)・薬疹などがあります。

プラデスミンはジェネリック医薬品ですので有効率の詳しい調査は行われていません。しかし先発品のセレスタミンにおける有効率は、

  • 適応疾患における全体的な有効率は85.9%
  • 蕁麻疹に対する有効率は84.4%
  • 湿疹・皮膚炎群に対する有効率は87.0%
  • 薬疹に対する有効率は100%
  • アレルギー性鼻炎に対する有効率は82.7%

と報告されており、プラデスミンも同程度だと考えられます。

臨床的な印象としてもプラデスミンの効果は確かに強力です。しかし副作用も多いため、現在では最初から積極的に使われる位置づけのお薬ではありません。

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3.プラデスミンにはどのような作用があるのか

プラデスミンはどのような作用機序によって、アレルギー症状を抑えてくれているのでしょうか。

プラデスミンの作用について詳しく紹介させて頂きます。

Ⅰ.抗ヒスタミン作用

プラデスミンに含まれるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン薬になり、「抗ヒスタミン作用」を持ちます。これはヒスタミンのはたらきをブロックする作用のことです。

アレルギーを引き起こす物質の1つに「ヒスタミン」があります。

アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に暴露されると、肥満細胞などのアレルギー反応性細胞からアレルギー誘発物質(ヒスタミンなど)が分泌されます。これによって全身に様々なアレルギー症状が発症します。

肥満細胞からはヒスタミン以外にもアレルギー誘発物質が分泌されますが、これらはまとめてケミカルメディエータ―と呼ばれています。ヒスタミンは主要なケミカルメディエーターの1つなのです。

プラデスミンは、ヒスタミンのはたらきをブロックします。これによってアレルギー症状が発症しにくくなり、アレルギー症状が和らぐのです。

ちなみにプラデスミンに含まれるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩単体を含むお薬には「ポララミン」があります。

Ⅱ.抗炎症作用

プラデスミンに含まれるベタメタゾンはステロイド剤になります。

ステロイドには様々な作用がありますが、その1つに免疫を抑制する作用があります。

免疫というのは異物が侵入してきた時に、それを攻撃する生体システムの事です。例えば身体にばい菌が侵入してきた時、ばい菌をやっつける細胞を向かわせることでばい菌の侵入を阻止したりします。

免疫は身体にとって非常に重要なシステムですが、時にこのシステムが誤作動してしまい、身体に害を及ぼす事があります。

この「免疫の誤作動」の代表例がアレルギーです。アレルギーというのは、本来であれば身体に無害である物質を免疫が「敵だ!」と誤認識してしまい攻撃してしまう状態です。

代表的なアレルギー反応として花粉症(アレルギー性鼻炎)があります。これは「花粉」という身体にとって無害な物質を免疫が「敵だ!」と認識して攻撃を開始してしまう疾患です。その結果、花粉が身体に侵入してくる部位である鼻に、鼻水・鼻づまり・くしゃみといった症状が生じます。

このような状態では、誤作動している免疫を抑えてあげると良いことが分かります。ステロイドは免疫を抑えるはたらきがあり、これによって炎症が抑えられます。

炎症とは、

  • 発赤 (赤くなる)
  • 熱感 (熱くなる)
  • 腫脹(腫れる)
  • 疼痛(痛みを感じる)

の4つの徴候を生じる状態のことです。炎症はアレルギー以外にも受傷(ぶつけるなど)や感染症(肺炎など)でも生じます。

みなさんも身体をぶつけたり、ばい菌に感染したりして、身体がこのような状態になったことがあると思います。これが炎症です。

ステロイドは免疫を抑制することで、炎症反応を生じにくくさせてくれるのです。

ただしステロイドは誤作動している免疫だけを抑えるわけではありません。正常な免疫も含めて抑えてしまうので、アレルギー症状が抑えられる反面で、感染症にかかりやすくなってしまうというデメリットもあります。

ちなみにプラデスミンに含まれるベタメタゾン単体を含むお薬には「リンデロン」があります。

4.プラデスミンの副作用

プラデスミンにはどのような副作用があるのでしょうか。またその頻度はどのくらいなのでしょうか。

プラデスミンはジェネリック医薬品であるため副作用発生率の詳しい調査は行われていません。しかし先発品のセレスタミンにおいては副作用発生率は11.3%と報告されており、プラデスミンも同程度だと考えられます。

第1世代抗ヒスタミン薬とステロイドを含むプラデスミン副作用が多く、注意が必要なお薬になります。

特に多い副作用には、

  • 眠気

が挙げられます。抗ヒスタミン薬はどれも眠気の副作用が生じるリスクがあります。特にプラデスミンは第1世代の抗ヒスタミン薬を含むため有効成分が脳へ移行しやすく、眠気を引き起こしやすいのです。

そのためプラデスミン服用中は、自動車の運転や危険を伴う機械の操作などはしないようにしなければいけません。

その他の副作用としては、

  • 不眠
  • 悪心
  • 口渇(口の渇き)
  • 倦怠感
  • 体重増加
  • 下痢
  • 胃潰瘍
  • 嘔気
  • 食欲不振
  • 便秘

などが報告されています。

これらは抗ヒスタミン薬が持つ抗コリン作用というアセチルコリンのはたらきを抑えてしまう作用が関係しています。ヒスタミンの受容体とアセチルコリンの受容体は構造が類似しているため、抗ヒスタミン薬は時にアセチルコリン受容体をもブロックしてしまうのです。

抗コリン作用は唾液の分泌を減少させたり、胃腸の動きを低下させてしまいます。特にプラデスミンのような第1世代は抗コリン作用が生じやすいため、このような副作用が生じることがあるのです。

またステロイドは血糖値を上げてしまったり、胃粘膜のはたらきを弱めたりする作用があります。これによって体重増加や胃潰瘍などが生じることがあります。

注意すべき重大な副作用としては、

  • 誘発感染症、感染症の増悪
  • 続発性副腎皮質機能不全
  • 糖尿病
  • 急性副腎不全
  • 消化性潰瘍
  • 膵炎
  • 精神変調、うつ状態
  • 痙攣、錯乱
  • 骨粗鬆症
  • ミオパシー
  • 大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死
  • 緑内障、後囊白内障
  • 血栓症
  • 再生不良性貧血、無顆粒球症
  • 幼児・小児の発育抑制

が報告されています。これらはいずれもステロイドによって生じうる副作用になります。

またプラデスミンは、次のような方は使用することが出来ません。

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 緑内障の方
  • 前立腺肥大などの下部尿路に閉塞性疾患がある方

プラデスミンに含まれる抗ヒスタミン薬には抗コリン作用があります。抗コリン作用の1つに尿道を締めてしまう作用があり、これが強く出ると尿が全くでなくなる(尿閉)になってしまう事があります。元々尿道が狭い方にプラデスミンを使うと、尿閉のリスクが高くなるため使う事ができません。

抗コリン作用は涙の通り道を狭くしてしまい眼圧を上げてしまう可能性もあります。ステロイドも眼圧を上げてしまう可能性があります。そのためプラデスミンは緑内障の方にも使う事は出来ません。

またプラデスミンはステロイドを配合するため、次のような方にも原則禁忌(基本的には使ってはいけない)となっています。

  • 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の方
  • 結核性疾患の方
  • 消化性潰瘍の方
  • 精神病の方
  • 単純疱疹性角膜炎の方
  • 後囊白内障の方
  • 高血圧症の方
  • 電解質異常のある方
  • 血栓症の方
  • 最近行った内臓の手術創のある方
  • 急性心筋梗塞を起こした方

ステロイドは免疫を抑える事でばい菌に感染させやすくさせたり、胃粘膜の保護力を弱めたり、精神状態に影響を来したり、血栓を起こしやすくしたりといった副作用がありますので、これらの疾患には原則禁忌になっています。

プラデスミンは禁忌疾患も多く、ここからも慎重に用いるべきお薬である事が分かると思います。

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5.プラデスミンの用法・用量と剤形

プラデスミンは、

プラデスミン配合錠

の剤形のみがあります。

プラデスミンには抗ヒスタミン薬とステロイドの2つの成分が入っており、

【プラデスミン配合錠 1錠中】
ベタメタゾン(ステロイド) 0.25mg
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン薬) 2mg

が含まれています。

プラデスミンの使い方としては、

通常、成人には1回1~2錠を1日1~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、本剤を漫然と使用するべきではない。

となっています。

プラデスミンは効果が強力な代わりに副作用にも注意が必要なお薬です。そのためやむを得ない場合に限り短期間のみ用いるべきで漫然と用いるべきではありません。

6.プラデスミンが向いている人は?

以上から考えて、プラデスミンが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

プラデスミンの特徴をおさらいすると、

・抗ヒスタミン薬とステロイドの合剤である
・花粉症や蕁麻疹などのアレルギー症状を強力に抑える
・古い第1世代抗ヒスタミン薬であり、眠気や抗コリン作用に注意
・ステロイドを含み、易感染性や体重増加などに注意
・現在では他の抗アレルギー薬が効かない場合にのみやむを得ず用いられる
・ジェネリック医薬品であるため薬価が安い

といったものがありました。

プラデスミン配合錠は、第1世代抗ヒスタミン薬とステロイドを含み、アレルギー性鼻炎やじんましんなどのアレルギー疾患に対して用いられます。

効果は強力ですが、古い第1世代+ステロイドですので副作用は多く注意が必要です。

禁忌(絶対に使用してはダメな状態)と原則禁忌(基本的には使用してはダメな状態)の該当疾患も多く、安易に使ってはいけないお薬である事は明らかです。

用法についても、

本剤を漫然と使用するべきではない。

と書かれているほどです。

ここから、副作用の少ない第2世代抗ヒスタミン薬を使っても十分な効果が得られず、第1世代単体を使ってもなお効果が得られないなどといった止むを得ない場合に限り検討されるお薬になります。

またやむを得ず使用開始となった場合も、漫然と使い続ける事はせず、必要な期間のみ使うようにしましょう。

7.先発品と後発品は本当に効果は同じなのか?

プラデスミンは「セレスタミン」というお薬のジェネリック医薬品になります。

ジェネリックは薬価も安く、患者さんにとってメリットが多いように見えます。

しかし「安いという事は品質に問題があるのではないか」「やはり正規品の方が安心なのではないか」とジェネリックへの切り替えを心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

同じ商品で価格が高いものと安いものがあると、つい私たちは「安い方には何か問題があるのではないか」と考えてしまうものです。

ジェネリックは、先発品と比べて本当に遜色はないのでしょうか。

結論から言ってしまうと、先発品とジェネリックはほぼ同じ効果・効能だと考えて問題ありません。

ジェネリックを発売するに当たっては「これは先発品と同じような効果があるお薬です」という根拠を証明した試験を行わないといけません(生物学的同等性試験)。

発売したいジェネリック医薬品の詳細説明や試験結果を厚生労働省に提出し、許可をもらわないと発売はできないのです、

ここから考えると、先発品とジェネリックはおおよそ同じような作用を持つと考えられます。明らかに効果に差があれば、厚生労働省が許可を出すはずがないからです。

しかし先発品とジェネリックは多少の違いもあります。ジェネリックを販売する製薬会社は、先発品にはないメリットを付加して患者さんに自分の会社の薬を選んでもらえるように工夫をしています。例えば飲み心地を工夫して添加物を先発品と変えることもあります。

これによって患者さんによっては多少の効果の違いを感じてしまうことはあります。この多少の違いが人によっては大きく感じられることもあるため、ジェネリックに変えてから調子が悪いという方は先発品に戻すのも1つの方法になります。

では先発品とジェネリックは同じ効果・効能なのに、なぜジェネリックの方が安くなるのでしょうか。これを「先発品より品質が悪いから」と誤解している方がいますが、これは誤りです。

先発品は、そのお薬を始めて発売するわけですから実は発売までに莫大な費用が掛かっています。有効成分を探す開発費用、そしてそこから動物実験やヒトにおける臨床試験などで効果を確認するための研究費用など、お薬を1つ作るのには実は莫大な費用がかかるのです(製薬会社さんに聞いたところ、数百億という規模のお金がかかるそうです)。

しかしジェネリックは、発売に当たって先ほども説明した「生物学的同等性試験」はしますが、有効成分を改めて探す必要もありませんし、先発品がすでにしている研究においては重複して何度も同じ試験をやる必要はありません。

先発品と後発品は研究・開発費に雲泥の差があるのです。そしてそれが薬価の差になっているのです。

つまりジェネリック医薬品の薬価は莫大な研究開発費がかかっていない分が差し引かれており先発品よりも安くなっているということで、決して品質の差が薬価の差になっているわけではありません。

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