レバミピド錠の効果と副作用

レバミピド錠・レバミピド顆粒・レバミピドOD錠は、1990年から発売されている「ムコスタ」という胃薬のジェネリック医薬品になります。そのため、その効果や副作用はムコスタとほぼ同様です。

レバミピドは胃を守る物質(防御因子)を増やす事で胃炎や胃潰瘍に対して効果を発揮します。効果は穏やかですが安全性に非常に優れ、レバミピドは現在でも多く処方されています。

またレバミピドはジェネリックであるためムコスタよりも薬価が安いことも大きな利点であり、よく処方される胃薬の1つです。

胃薬にはたくさんの種類のお薬があります。これらの中でレバミピドはどのような位置付けになるのでしょうか。

レバミピドの効果や特徴、どのような作用機序を持つお薬でどのような方に向いているお薬なのかについてみていきましょう。

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1.レバミピドの特徴

まずはレバミピドの特徴について、かんたんに紹介します。

レバミピドは、効果は穏やかですが副作用が非常に少なく、安全性に非常に優れる胃薬です。

レバミピドの効果・作用は穏やかで、劇的に胃腸症状(胃痛や嘔吐など)を治してくれるというものではありません。本格的な胃炎・胃潰瘍に対して用いるとなれば力不足となる事は多く、そのためある程度進行した胃炎・胃潰瘍に対して主剤として用いられる事はほぼありません。

しかし胃の防御因子を増やしたり、胃を攻撃する悪い因子を減らしたりする作用により、穏やかに胃炎や胃潰瘍を改善させる事が確認されています。

プロスタグランジン(PG)という物質を増やす事で胃粘液を増やし、胃の防御力が高める作用があるため、レバミピドはよくNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)に併用されます。NSAIDsはプロスタグランジンを減らすことが知られており、長期間投与されていると「NSAIDs胃潰瘍」などの副作用が生じる可能性があるからです。

よくロキソニンやボルタレン、モービック、セレコックスなどのNSAIDsにレバミピドが併用されて処方されるのは、このような副作用予防の意味があるのです。

レバミピドの最大の利点はその副作用の少なさ(安全性の高さ)にあります。臨床の感覚としては「副作用はほぼ生じない」と考えても良いお薬で、この理由から多くの患者さんに処方されています。

「効果は弱いけども、非常に安全なお薬」というのが、ざっくりとですがレバミピドの位置づけとなります。

レバミピドはムコスタとほぼ同様のお薬になりますが、後発品として工夫がされているものもあります。ジェネリックによっては錠剤に苦味をマスクするためのコーティングがしてあったり、OD錠(口腔内崩壊錠)があったりとレバミピドならではのメリットもあります。

以上からレバミピドの特徴として次のようなことが挙げられます。

【レバミピドの特徴】

・効果は穏やか
・胃の防御因子(胃粘液など)を増やしてくれる作用がある
・胃の攻撃因子(フリーラジカルなど)を減らしてくれる作用がある
・副作用は極めて少ない

・先発品のムコスタよりも安い
・先発品のムコスタと比べ、OD錠もある
・先発被のムコスタと比べ、苦味を感じにくいものもある

2.レバミピドはどんな疾患に用いるのか

レバミピドはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

〇 胃潰瘍

〇急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善

レバミピドは、胃を保護する効果・作用を持つため、主に胃炎や胃潰瘍の治療に用いられます。

またその作用機序としてプロスタグランジンを増やすことで胃を保護する因子を増やす作用があります(これについては次項で詳しく説明します)。そのため胃のプロスタグランジンを減らして胃を荒らしてしまう副作用を持つお薬の「副作用止め」としても使えます。

具体的には、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)は、胃のプロスタグランジンを減らすことで胃腸障害の副作用が生じることがあります。この場合、レバミピドを併用することでNSAIDsの副作用の胃腸障害を予防することが出来ます。

(NSAIDs・・・ロキソニン、ボルタレン、セレコックスなど)

また、同様の作用でピロリ菌(Helicobacter pylori)による胃腸障害も改善させることができますが、ピロリ菌自体をやっつけられるわけではありません。除菌ではなく、あくまでも症状を抑えるだけですので、除菌を行う際はレバミピドではなく、しっかりと除菌療法を行わなくてはいけません。

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3.レバミピドにはどのような効果・作用があるのか

レバミピドは胃炎や胃潰瘍といった胃疾患に対して効果を発揮するお薬ですが、具体的にはどのような作用機序で胃疾患を改善させているのでしょうか。

レバミピドの主な効果・作用について詳しく紹介します。

Ⅰ.胃粘膜を防御する因子を増やす

レバミピドの作用の1つは、胃粘膜を防御する因子を増やすことで、これがレバミピドの主要な作用になります。

具体的には、

  • 胃粘液の分泌を増やす
  • プロスタグランジンという物質を増やす
  • 胃壁細胞の増殖を増やす
  • 胃壁細胞の修復を促進させる

などの効果が報告されています。

胃粘液というのは胃の表面を覆ってくれる粘液で、ヘキソサミンやムチンというたんぱく質などが成分となっています。ヘキソサミンはアルカリ性の物質であり胃酸を中和してくれるため、胃酸から胃壁を守るはたらきがあります。ムチンは粘性のある糖タンパクで、その粘性によって胃壁を保護してくれます。

レバミピドはこのような胃粘液の分泌を増やし、この胃粘液が胃壁をコーティングしてくれると、胃の防御力が高まります。

またレバミピドは「プロスタグランジン(PG)」という物質を増やす効果があります。プロスタグランジンも、胃を保護するはたらきを持つ胃粘液の分泌を増やす作用があるため、これも胃の防御力を上げるはたらきとなります。

胃炎・胃潰瘍などで胃壁が傷ついてしまった時も、レバミピドは胃壁を修復したり新しく胃壁細胞を増殖させるはたらきがあります。

更にレバミピドは胃粘膜の血流を増やす作用もあります。血流が増えればそこに栄養分が届きやすくなるため、粘液を作りやすくなったり細胞の合成・修復もしやすくなります。

Ⅱ.胃粘膜を攻撃する因子を減らす

レバミピドは胃粘膜を攻撃してくるような因子を減らす作用もあります。

具体的には、細胞を傷付ける作用を持つフリーラジカル(活性酸素など)を除去するはたらきや、炎症を誘発する物質(炎症性サイトカインや好中球エラスターゼなど)のはたらきを抑制する作用が確認されています。

このような攻撃因子を減らしてくれる作用もありますが、レバミピドの主な作用は前述の「防御因子を増やす」作用になります。

4.レバミピドの副作用

レバミピドは非常に多く処方されている胃薬です。その一番の理由はレバミピドの安全性の高さにあります。これは言い換えれば「副作用が少ない」という事です。

レバミピドは副作用が非常に少ないお薬です。レバミピドの副作用発生率は0.54%前後と報告されており、副作用1%以下という高い安全性を有しています。

生じうる副作用としては、

  • 便秘
  • 肝酵素上昇(AST、ALT、ɤGTP上昇など)

などが報告されています。ほとんどが軽症にとどまり様子を見れる程度のものも少なくありません。

非常に稀ですが重篤な副作用としては、

  • ショック
  • アナフィラキシー様症状
  • 白血球減少
  • 血小板減少
  • 肝機能障害・黄疸

などが報告されていますが、適正に使用していれば滅多に見かけることはありません。

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5.レバミピドの用法・用量と剤形

レバミピドは、

レバミピド錠 100mg
レバミピドOD錠 100mg
レバミピド顆粒 20%

などの剤型があります。

ジェネリックは多くの製薬会社が作っているため、どの剤型があるかは作っている製薬会社によって異なります。先発品のムコスタには錠剤と顆粒がありますが、ジェネリックにはOD錠(口腔内崩壊錠)があるものもあります。

OD錠は唾液で自然と溶けるため、水なしで服薬できるのが利点です。また飲み込む力が低下しているお年寄りの方でも比較的飲みやすい剤型になります。

また錠剤も、苦味を感じないように特殊なコーティングをしているものもあります。

レバミピドの使い方は、

【胃潰瘍】
通常、成人には1回100mgを1日3回、朝、夕及び就寝前に経口投与する。

【急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善】
通常、成人には1回100mgを1日3回経口投与する。

となっています。

だいたい1日3回(100mg×3回)服薬するという飲み方をします。

6.レバミピドが向いている人は?

以上から考えて、レバミピドが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

レバミピドの特徴をおさらいすると、

・効果は穏やか
・胃の防御因子(胃粘液など)を増やしてくれる作用がある
・胃の攻撃因子(フリーラジカルなど)を減らしてくれる作用がある
・副作用は極めて少ない

・先発品のムコスタよりも安い
・先発品のムコスタと比べ、OD錠もある
・先発被のムコスタと比べ、苦味を感じにくいものもある

というものでした。

ここから、主に軽症の胃腸症状の方や、NSAIDsの副作用予防として処方される事が多いお薬です。

安全なお薬であるため患者さんが胃薬を希望された時に処方しやすいのですが、一方で本格的な胃炎・胃潰瘍には力不足でこれらをレバミピドのみで治療するということはまずありません。

ムコスタは先発品自体も安いため、ジェネリックのレバミピドにしてもそこまで体感的には安さを実感できませんが、先発品より安くなっているのは確かでこれはメリットです。また剤型も、先発品と比べるとOD錠が追加されています。

このような特徴を重視される方はムコスタよりもレバミピドを選択するのも良いでしょう。

7.先発品と後発品は本当に効果は同じなのか?

レバミピドは「ムコスタ」という胃薬のジェネリック医薬品になります。

ジェネリックは薬価も安く、剤型も工夫されているものが多く患者さんにとってメリットが多いように見えます。

しかし「安いという事は品質に問題があるのではないか」「やはり正規品の方が安心なのではないか」とジェネリックへの切り替えを心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

同じ商品で価格が高いものと安いものがあると、つい私たちは「安い方には何か問題があるのではないか」と考えてしまうものです。

レバミピドというジェネリックは、ムコスタと比べて本当に遜色はないのでしょうか。

結論から言ってしまうと、先発品(ムコスタ)とジェネリック(レバミピド)は同じ効果・効能だと考えて問題ありません。

ジェネリックは発売に当たって「これは先発品と同じような効果があるお薬です」という根拠を証明した試験を行わないといけません(生物学的同等性試験)。

お薬の詳細説明や試験結果を厚生労働省に提出し、許可をもらわないとジェネリックの発売はできないのです、

ここから考えると、先発品とジェネリックはおおよそ同じような作用を持つと考えられます。明らかに効果に差があれば、厚生労働省が許可を出すはずがないからです。

しかし先発品とジェネリックは多少の違いもあります。ジェネリックを販売する製薬会社は、先発品にはないメリットを付加して患者さんに自分の会社の薬を選んでもらえるように工夫をしています。例えば飲み心地を工夫して添加物を先発品と変えることもあります。

これによって患者さんによっては多少の効果の違いを感じてしまうことはあります。

では先発品とジェネリックは同じ効果・効能なのに、なぜジェネリックの方が安くなるのでしょうか。これを「先発品より品質が悪いから」と誤解している方がいますが、これは誤りです。

先発品は、そのお薬を始めて発売するわけですから、実は発売までに莫大な費用が掛かっています。有効成分を探す開発費用、そしてそこから動物実験やヒトにおける臨床試験などで効果を確認するための研究費用など、お薬を1つ作るのには実は莫大な費用がかかるのです。

しかしジェネリックは、発売に当たって先ほども説明した「生物学的同等性試験」をしますが有効成分を改めて探す必要もありませんし、先発品がすでにしている研究においては重複して何度もやる必要はありません。

この、研究・開発費の差が先発品とジェネリックの薬価の差なのです。決して品質の差が薬価の差になっているわけではありません。

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