レボレードの効果と副作用【血小板増加薬】

レボレード錠(一般名:エルトロンボパグオラミン)は2010年から発売されているお薬です。

血小板増加薬と呼ばれ、血小板を増やす作用を持つお薬になります。

血小板は血を止める作用を持ち、傷口を速やかに固めることで多くの血液が失われないように出血を止めてくれます。血小板が少なくなってしまうとこれができなくなるため、出血がなかなか止まらなくなってしまいます。

レボレードは血小板が少なくなってしまった方に対して、血小板を増やす作用を持ちます。

レボレードはどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに向いているお薬なのでしょうか。ここでは、レボレードの効能や特徴、副作用などを紹介していきます。

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1.レボレードの特徴

まずはレボレードの特徴を紹介します。

レボレードは、血小板の元となる血球に対して血小板になるような刺激を与えることで血小板の数を増やします。しっかりとした効果がありますが副作用も多く、使用はやむを得ないケースに限られます。

レボレードは血小板増加薬と呼ばれていますが、その機序は血球の分化を促進することになります。

血球には赤血球、白血球、血小板などがあり、それぞれ身体で重要な役割を担っています。血球はどのように作られるかというと、骨髄(骨の中)で造血幹細胞という血球の元がまずは作られます。

この造血幹細胞に様々な刺激が加わることで、ある造血幹細胞は赤血球になり、また別の造血幹細胞は白血球になり、またある造血幹細胞は血小板になり、と変化していきます。

(このように細胞が異なる機能を持つ細胞に変化していくことを「分化」と呼びます)

レボレードはトロンボポエチン受容体という部位を刺激することによって造血幹細胞が巨核球に分化するように誘導するはたらきがあります。巨核球は血小板の元となる細胞であるため、これによって血小板の数が増えます。

レボレードは即効性があり、1~2週間ほどで効果が認められ始めます。またその効果もしっかりとしており、多くの症例で実際に血小板数の増加が得られています。

このようにレボレードは血小板が少なくなってしまった時に頼れるお薬になりますが、安易に使えるお薬ではありません。

レボレードは副作用の頻度が多く、また血小板を増えすぎてしまう事で血管塞栓(血管が詰まってしまう事)を起こしてしまったり、骨髄線維化(血球を作る骨髄が線維化し、血球が作れなくなってしまう事)、肝機能障害などの重篤な副作用が生じる可能性もあります。

そのためレボレードの使用はやむを得ない時に限られるべきで、安易に処方できるお薬ではありません。

以上からレボレードの特徴として次のような点が挙げられます。

【レボレードの特徴】

・血小板を増やす作用がある
・1~2週間ほどで効果が認められ、またその効果もしっかりしている
・副作用が多く、重篤な副作用も生じうるため安易には使えない
・他の治療法が行えない場合など、やむを得ない場合にしか投与できない

2.レボレードはどのような疾患に用いるのか

レボレードはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】
慢性特発性血小板減少性紫斑病

レボレードは血小板を増やすお薬であり、血小板が少なくなってしまう疾患に対して使用されます。

血小板が少なくなってしまう代表的な疾患としては特発性血小板減少性紫斑病(ITP)があります。ITPは何らかの原因によって血小板に対する自己抗体(血小板を攻撃する物質)が出来てしまい、これによって血小板が壊されてしまう疾患です。

このような疾患に対してレボレードは良い効果が期待できます。

しかしレボレードは安易に使えるお薬ではありません。

実際、使用上の注意として

①他の治療にて十分な効果が得られない場合、又は忍容性(副作用)に問題があると考えられる場合に使用すること。

②血小板数、臨床症状からみて出血リスクが高いと考えられる場合に使用すること。

と書かれています。

レボレードは副作用も生じやすいお薬であり、また病気の根本を治すお薬ではないため、安易に処方できるものではありません。「どうしても血小板数を増やす必要がある」「レボレードの副作用のリスクを差し引いても、使うメリットがある」場合の使用に限られます。

例えば特発性血小板減少性紫斑病では、ステロイドや脾臓摘出といった治療法がありますが、レボレードはこのような治療法がやむを得ず行えない場合に限って用いるべきになります。

レボレードを6週間服用した際の有効率(血小板数が50,000~400,000/μLに増えた割合)は、60%と報告されています。

有効率は高く多くのケースで血小板数の改善が得られます。また効果は比較的早く得られ、服用後1~2週間で血小板は増加しはじめます。

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3.レボレードにはどのような作用があるのか

レボレードは血小板という血球を増やす作用を持つお薬です。

血小板は血液を固まらせる作用を持つ血球で、出血してしまった時に役立ちます。

身体に傷が出来るとその部位を走っている血管もダメージを受けるため、そこから出血します。出血してもそのうち自然と出血は止まりますが、これは血小板のおかげです。

よく見ると止血された部位は血が固まってかさぶたが作られており、血液によって止血されている事が分かります。この止血の中心的な役割を担っているのが血小板です。血小板は普段は血液中を流れており、血管の壁が傷付いているのを見つけると、その部位で活性化して血液を固まらせます。

このように血小板のおかげで、私たちの身体は傷ついて出血してしまっても、大量の血液が失われずに済んでいるのです。

しかし、もし何らかの原因で血小板の数が少なくなってしまっていたらどうなるでしょうか。

傷からの出血がいつまでも止まらなくなってしまいます。いつまでも出血が止まらなければ出血多量となってしまい、これは非常に危険な状態になります。

レボレードはこのような事態を防ぐため、血小板の数を増やしてくれる作用を持ちます。

ではその作用はどのような機序によって得られているのでしょうか。

レボレードは「トロンボポエチン受容体(TPO-R)作動薬」と呼ばれており、トロンボポエチン受容体を刺激することで血小板の合成を促進させます。

トロンボポエチン受容体には本来トロンボポエチンという物質がくっつきます。すると造血幹細胞から作られた骨髄前駆細胞(血球の元となるような細胞)が巨核球(血小板の元となるような細胞)に分化します。

レボレードはトロンボポエチン受容体を刺激しますので、実質的にトロンボポエチンと同じようなはたらきをします。

つまりレボレードを投与することで巨核球の数が増え、その結果血小板の数も増えるという事です。

4.レボレードの副作用

レボレードにはどんな副作用があるのでしょうか。またどの頻度はどのくらいなのでしょうか。

レボレードの副作用発生率は48%と報告されています。レボレードは副作用発生率が高く、注意が必要になります。

しかしレボレードが多いお薬である事に間違いはありませんが、この高い副作用発生率にはからくりがあります。

レボレードのような血小板増加薬というのは使う頻度がかなり少ないお薬です。そのため、十分な数の患者さんが集められず、不十分な母数による報告になっていることが高い副作用発生率となっている原因の1つです。

実際、レボレードの副作用発生率の調査はわずか23例の患者さんを対象に行われています。メジャーなお薬の副作用発生率の調査は数千例から数万例を対象に行われていますので、23例というのは非常に少ないことが分かるでしょう。

レボレードで生じうる副作用としては、

  • 疲労感
  • 肝機能障害(AST、ALT増加)
  • 低カリウム血症
  • 白内障
  • 腰痛
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 下痢

などが報告されています。

また重篤な副作用としては、

  • 肝機能障害
  • 血栓塞栓症
  • 本剤中止後の出血
  • 骨髄線維化

が報告されています。これらは頻度は少ないものの、生じてしまった場合は命の危険もある副作用になります。レボレード使用中は慎重に全身状態を観察し、また定期的に検査を行い、このような副作用が生じていないかチェックする必要があります。

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5.レボレードの用法・用量と剤形

レボレードは次の剤型が発売されています。

レボレード錠 12.5mg
レボレード錠 25mg

また、レボレードの使い方は

通常、成人には初回投与量12.5mgを1日1回、食事の前後2時間を避けて空腹時に経口投与する。なお、血小板数、症状に応じて適宜増減する。また、1日最大投与量は50mgとする。

とされています。

レボレードは比較的早く効果が得られるお薬で、通常1~2週間もすれば血小板が増えてきます。そのため定期的に血液検査を行い、効果や副作用を確認する必要があります。

また副作用の問題から、増量する際には慎重に行う必要があります。増量を考える場合も、少なくとも2週間は同じ量で継続してから慎重に判断しましょう。

レボレードは、

  • 制酸剤(一部の胃薬)
  • 乳製品
  • 鉄やカルシウム、マグネシウムなどの多価陽イオンを含むもの

と一緒に摂取すると吸収されにくくなり効果が下がることが分かっています。これらの物質と一緒に摂取しないよう気を付けましょう。

6.レボレードが向いている人は?

レボレードはどのような方に向いているお薬なのでしょうか。

レボレードの特徴をおさらいすると、

・血小板を増やす作用がある
・1~2週間ほどで効果が認められ、またその効果もしっかりしている
・副作用が多く、重篤な副作用も生じうるため安易には使えない
・他の治療法が行えない場合など、やむを得ない場合にしか投与できない

といった特徴がありました。

レボレードは血小板が減っていたとしても、最初から使われることはありません。

まずは他の治療法を検討すべきであり、レボレードが使われるのはやむを得ずに他の治療法が行えなかったり、他の治療法では十分な効果が得られなかった場合に限られます。

しっかりとした効果が得られる一方で、副作用には注意が必要なお薬であるため、出来る事なら使わないに越したことはないお薬だからです。

またレボレードは血小板の元となる巨核球を増やす事で血小板を増やしますが、これは病気の根本を治しているわけではなく、あくまでその場しのぎの治療法である事も忘れてはいけません。

例えば特発性血小板減少性紫斑病に対する根本の治療は、血小板に対する自己抗体をなくしたり、その作用を止めることです。

これを可能にするには、ステロイドを投与することで免疫力を低下させたり、脾臓を摘出することで血小板が破壊されないようにすることになります。

まずはこのような治療を行うべきであり、レボレードの投与はこれらがどうしても行えない場合に限られるべきになります。

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