ゼフナートクリーム・外用液(リラナフタート)の効果と副作用

ゼフナートクリーム・ゼフナート外用液(一般名:リラナフタート)は病院で処方される塗り薬で、「チオカルバミン酸系抗真菌薬」という種類のお薬になります。2000年から発売されています。

抗真菌薬とは要するに、真菌(カビ)をやっつけるお薬です。ゼフナートは塗り薬ですので、主に皮膚に感染した真菌(皮膚真菌症)に対して用いられます。

日常で感染する皮膚真菌症として圧倒的に多いのが白癬(いわゆる水虫)であり、ゼフナートは主に白癬菌をやっつけるために用いられます。

真菌に対する塗り薬というと「イミダゾール系」が主流なのですが、ゼフナートはイミダゾール系とは異なりチオカルバミン酸系という種類のお薬になります。

抗真菌薬にもいくつかの種類があります。どれも総合的な有効率に大きな差はないとも言われていますが、それぞれのお薬ならではの特徴もあります。

ゼフナートは抗真菌薬の中でどのような作用を持っていて、どのような効果が期待できるお薬なのでしょうか。

ゼフナートの効果・効能や特徴、副作用についてみてみましょう。

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1.ゼフナートの特徴

まずはゼフナートの特徴をざっくりと紹介します。

ゼフナートは、真菌の中でも白癬に対してのみ効果を発揮し、殺真菌的に作用します。

ゼフナートはチオカルバミン酸系という種類の抗真菌薬になります。この種類は抗菌スペクトラムは狭く(様々な菌に広くは効かない)、白癬菌以外には効かないのですが、その分白癬菌に対しては強い効果を発揮します。

抗真菌薬には「真菌の増殖を抑えるもの(静真菌作用)」と「真菌を殺すもの(殺真菌作用)」がありますが、ゼフナートは後者であり殺真菌的に作用します。

そのため効果も強力であり確実な効果が期待できます。

塗り薬であるため、全身にお薬が回ることが少なく、大きな副作用がない点も良い特徴です。

また今までのチオカルバミン酸系は作用時間が短く、1日に数回塗らないといけないのがデメリットだったのですが、ゼフナートはその点が改良されており1日1回の塗布で1日を通して効果が持続します。

以上からゼフナートの特徴を挙げると、次のようなことが挙げられます。

【ゼフナートクリーム・外用液の特徴】
・白癬に対して殺真菌的に作用する
・白癬菌以外が原因であった場合は効かない
・1日1回塗るだけで効果が1日持続する
・塗り薬で全身に作用しないため、副作用も少ない

2.ゼフナートはどのような疾患に用いるのか

ゼフナートはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬

抗真菌薬であるゼフナートは、皮膚に真菌(カビ)が感染してしまった時に用いられます。

日常において、皮膚に感染する可能性のある真菌というのはほとんどが白癬菌(皮膚糸状菌)になります。

白癬菌が足に感染すると「足白癬」(いわゆる「水虫」)、
白癬菌が身体に感染すると「体部白癬」(いわゆる「たむし」)、
白癬菌が股(また)に感染すると「股部白癬」(いわゆる「いんきん」)と呼ばれます。

ゼフナートはこのような白癬菌に対して殺真菌的に作用します。

また、皮膚真菌症は白癬の他にもカンジダや癜風などもありますが、ゼフナートな白癬菌以外には効果がないため注意が必要です。

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3.ゼフナートにはどのような作用があるのか

ゼフナートの作用は真菌(白癬)をやっつける事ですが、どのような機序で真菌をやっつけているのでしょうか。

ゼフナートは真菌細胞膜の重要な構成成分であるエルゴステロールの合成を阻害し、細胞膜を「もろく」する作用があります。

抗真菌薬は真菌細胞を殺すお薬ですが、細胞を殺す作用を持つお薬は同時に「人の細胞」も殺してしまう危険があります。そのため真菌にだけ効いて、人の細胞には効かないような工夫が必要になります。

エルゴステロールは真菌細胞の細胞膜に存在する物質ですが、人の細胞には存在しません。そのためエルゴステロールを標的にすれば、真菌細胞のみ効率的にやっつけることができるというわけです。

ちなみにイミダゾール系抗真菌薬にもエルゴステロール合成阻害作用がありますが、イミダゾール系とチオカルバミン酸系では阻害する部位が異なります。

エルゴステロールは、アセチルCoAという物質からいくつかの段階を経てエルゴステロールになりますが、チオカルバミン酸系の方がイミダゾール系よりも、より初期の変化の段階でブロックします。

しかしゼフナートがこの作用を発揮するのは白癬菌が主で、他の真菌には作用を示さないことには注意が必要です。

4.ゼフナートの副作用

ゼフナートの副作用は多くはありませんが、真菌を「殺す」お薬であるため、時にヒトの身体にも害を及ぼすことがあります。

ゼフナートは塗り薬であり、全身に投与するものではないのでその副作用も局所に留まる事がほとんどです。

そのため、全身性の重篤な副作用はほとんどありません。

報告されている副作用としては、

  • 接触性皮膚炎
  • かゆみ
  • 発赤・紅斑
  • 刺激感

などの局所の副作用です。

いずれもゼフナートが皮膚を攻撃してしまうために生じます。重篤となることは少なく、多くはゼフナートの使用を中止すれば自然と改善していきます。

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5.ゼフナートの用量・用法と剤型

ゼフナートは、

ゼフナートクリーム2%(リラナフタート) 10g
ゼフナート外用液2%(リラナフタート) 10ml

と2つの剤型があります。

ゼフナートの使い方は、

1日1回患部に塗布する。

と書かれています。

ゼフナートは1回塗れば、長時間にわたって皮膚の角質層に留まるため、1日1回の塗布で十分効果が持続します。

ちなみに塗り薬には、「軟膏」「クリーム」「外用液」などがありますが、これらはどう違うのでしょうか。

軟膏は、ワセリンなどの油が基材となっています。保湿性に優れ、刺激性が少ないことが特徴ですが、べたつきは強く、これが気になる方もいらっしゃいます。

クリームは、水と油を界面活性剤で混ぜたものです。軟膏よりも水分が入っている分だけ伸びがよく、べたつきも少なくなっていますが、その分刺激性はやや強くなっています。

外用液は水を中心にアルコールなどを入れることもある剤型です。べたつきはほとんどなく、遣い心地は良いのですが、保湿効果は長続きしません。刺激性が強めというデメリットがある反面で、浸透力が高く、皮膚が厚い部位でも効果が期待できます。

それぞれ一長一短あるため、皮膚の状態に応じて主治医とよく相談し、使い分ける事が大切です。

ゼフナートには軟膏がありません。そのため、もし軟膏の方が適切な部位に生じた皮膚真菌症であれば、ゼフナート以外のお薬の方が良いこともあります。実際、ゼフナートクリーム・外用液適用上の注意として「著しいびらん面には使用しないこと」と記載されています。

軟膏のメリットは保湿性に優れ、刺激性が低いことですので、クリームや液剤を塗ると刺激感が強かったり痛かったりするような部位であれば、ゼフナート以外で軟膏剤がある抗真菌薬を選択した方が良いかもしれません。

6.ゼフナートが向いている人は?

以上から考えて、ゼフナートが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ゼフナートの特徴をおさらいすると、

・白癬に対して殺真菌的に作用する
・白癬菌以外が原因であった場合は効かない
・1日1回塗るだけで効果が1日持続する
・塗り薬で全身に作用しないため、副作用も少ない

というものでした。

ゼフナートは真菌の中でも白癬菌以外にはほとんど効かないお薬だというのが一番の特徴です。

そのため、「これは間違いなく白癬だ!」と確定できるケースには向いていますが、「恐らく白癬だと思うけど、他の菌の可能性もありうる」という場合は向いていません。

白癬だと確定診断するためには、その部位に皮膚表面をちょっと削って、顕微鏡で白癬菌がいるのかを確認する直接鏡検法が一番確実です。直接鏡検によって白癬菌が確認でき、「これは間違いなく白癬菌が原因だ!」と分かれば、白癬菌にピンポイントで効くゼフナートはよいでしょう。

ゼフナートは刺激性の低い軟膏剤がないため、刺激感が強い部位への塗布はあまりお勧めできません。著しいびらん面や、敏感な部分(陰部など)に塗布する場合は、刺激感が気になるようであれば軟膏剤のある抗真菌薬の方が良いかもしれません。

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