ソランタールの効果と副作用【非ステロイド性消炎鎮痛剤】

ソランタール(一般名:チアラミド塩酸塩)は1975年から発売されているお薬で、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)という種類に属します。

「非ステロイド性消炎鎮痛剤」というと難しい名前ですが、これはいわゆる「痛み止め」「熱さまし」として使われているお薬です。ステロイドでないお薬で、炎症を和らげ痛みを抑えるはたらきを持つものを非ステロイド性消炎鎮痛剤と呼びます。

NSAIDsにはたくさんの種類があります。どれも大きな違いはありませんが、細かい特徴や作用には違いがあり、医師は痛みの程度や性状に応じて、その患者さんに一番合いそうな痛み止めを処方しています。

NSAIDsの中でソランタールはどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに向いているお薬なのでしょうか。ここでは、ソランタールの効能や特徴、副作用などを紹介していきます。

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1.ソランタールの特徴

まずはソランタールの特徴を紹介します。

ソランタールは炎症を抑える事で解熱(熱さまし)や鎮痛(痛み止め)作用などを持ちます。NSAIDsの中での効果は弱めですが、副作用も少なく喘息の方でも使いやすいお薬になります。

ソランタールはNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)と呼ばれるお薬で、消炎(炎症を抑える)作用を持ちます。

炎症を抑える事で、主に、

  • 解熱(熱さまし)
  • 鎮痛(痛み止め)

を目的として投与されます。

ソランタールはNSAIDsの中でも「塩基性NSAIDs」という種類に属し、同種のNSAIDsの中で作用は弱めです。

効果は物足りなさを感じるところもありますが、その分安全性にも優れます。

ソランタールの最大の特徴は、その安全性の高さにあります。

NSAIDsは痛みや発熱に対してよく処方されるお薬ですが、長期連用していると胃腸を痛めたり、喘息持ちの方が服用すると喘息発作を誘発しやすくなったりという問題もあります。

その点ソランタールは効果が穏やかな分、副作用も少なく、また喘息持ちの方でも喘息発作を起こしにくく比較的安全に使えるNSAIDsです。

しかし効果が弱いのは弱点で、物足りなさを感じている医師も多いのが実情です。実際ソランタールは、医療者の間では「キカン(効かん)タール」と呼ばれたりもしています(痛みや発熱に対して全然効かないという事です)。

以上からソランタールの特徴として次のような点が挙げられます。

【ソランタールの特徴】

・鎮痛作用(痛みを抑える)、解熱作用(熱を下げる)は弱い
・副作用が他のNSAIDsと比べると少ない
・喘息の方でも比較的安全に使える(他のNSAIDsは発作誘発する事がある)

2.ソランタールはどのような疾患に用いるのか

ソランタールはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】
1.各科領域の手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎

2.下記疾患の鎮痛・消炎
関節炎、腰痛症、頸肩腕症候群、骨盤内炎症、軟産道損傷、乳房うっ積、帯状疱疹、多形滲出性紅斑、膀胱炎、副睾丸炎、前眼部炎症、智歯周囲炎

3.抜歯後の鎮痛・消炎

4. 下記疾患の鎮痛
急性上気道炎

ソランタールは消炎鎮痛剤ですから、炎症によって生じる症状を抑えるために用いられます。

実臨床では、

  • 痛みを抑える
  • 熱を下げる

のどちらかの目的で投与される事がほとんどです。

適応疾患には難しい病名がたくさん書かれていますが、おおまかな理解としては炎症によって痛みや発熱が出現する疾患に対して、その症状の緩和に用いるという認識で良いでしょう。

ソランタールの有効率は、

  • 手術後の疼痛・炎症への有効率は84.6%
  • 外傷後の疼痛・炎症への有効率は73.5%
  • 関節炎への有効率は56.3%
  • 腰痛症への有効率は67.5%
  • 頸腕症候群への有効率は59.3%
  • 上気道炎症への有効率は75.8%
  • 骨盤内炎症への有効率は62.5%
  • 軟産道損傷への有効率は68.4%
  • 乳房うっ積への有効率は61.9%
  • 帯状疱疹への有効率は93.8%
  • 多型滲出性紅斑への有効率は73.3%
  • 膀胱炎への有効率は86.7%
  • 副睾丸炎への有効率は84.4%
  • 前眼部炎症への有効率は79.6%
  • 智歯周囲炎への有効率は78.2%
  • 抜歯後の疼痛・炎症への有効率は69.6%

と報告されています。

ただし上記疾患にソランタールが有効なのは間違いありませんが、注意点としてソランタールを始めとするNSAIDsは根本を治す治療ではなく、あくまでも対症療法に過ぎないことを忘れてはいけません。

対症療法とは、「症状だけを抑えている治療法」で根本を治している治療ではありません。

例えば腰の筋力低下によって腰痛が出現している方に対してソランタールを投与すれば、確かに痛みは軽減します。しかしこれは原因である腰部の筋肉低下を治しているわけではなく、あくまでも発痛を起こしにくくしているだけに過ぎません。

対症療法が悪い治療法だということはありませんが、対症療法だけで終わってしまうのは良い治療とは言えません。対症療法と言われて、根本を治すような治療も併用することが大切です。

例えば先ほどの腰痛であれば、ソランタールを使用しつつも、

  • 適度な運動・リハビリをする
  • 栄養をしっかり取る

などの根本的な治療法も併せて行う必要があるでしょう。

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3.ソランタールにはどのような作用があるのか

ソランタールは「非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)」という種類に属しますが、NSAIDsの作用は、その名のとおり消炎(炎症を抑える)ことで鎮痛する(痛みを抑える)事になります。

ソランタールも他のNSAIDsと同様に消炎作用があり、これにより鎮痛作用や解熱作用を有しています。ただし塩基性NSAIDsであるソランタールは他のNSAIDsと比べると作用機序が異なります。

炎症とは、

  • 発赤 (赤くなる)
  • 熱感 (熱くなる)
  • 腫脹(腫れる)
  • 疼痛(痛みを感じる)

の4つの徴候を生じる状態のことで、感染したり受傷したりすることで生じます。またアレルギーで生じることもあります。

みなさんも身体をぶつけたり、ばい菌に感染したりして、身体がこのような状態になったことがあると思います。これが炎症です。

ソランタールは炎症の原因が何であれ、炎症そのものを抑える作用を持ちます。つまり全身のどこに生じた発赤・熱感・腫脹・疼痛でも和らげてくれるという事です。

ソランタールの作用機序としては、炎症が生じている部位でヒスタミンやセロトニン、卵白アルブミン、カオリンといった物質のはたらきをブロックすると考えられています。これらの物質は起炎因子(炎症を起こしてしまう因子)であるため、これらのはたらきをブロックするソランタールは炎症を抑えるのです。

ソランタールのような塩基性NSAIDsはその他のNSAIDsとは作用機序が異なります。

一般的なNSAIDsは酸性であり、これらはシクロオキシゲナーゼ(COX)という物質のはたらきをブロックするはたらきがあります。

COXは、プロスタグランジン(PG)が作られる時に必要な物質であるため、COXがブロックされるとプロスタグランジンが作られにくくなります。

プロスタグランジンは炎症や痛み、発熱を誘発する物質です。そのため、酸性NSAIDsがCOXをブロックすると炎症や痛み、発熱が生じにくくなるのです。

4.ソランタールの副作用

ソランタールにはどんな副作用があるのでしょうか。

ソランタールの副作用発生率は、3.28%と報告されております。他のNSAIDsと比べると副作用の程度・頻度ともに少なくなっています。

生じうる主な副作用としては、

  • 食欲不振
  • 胸やけ
  • 悪心
  • 発疹
  • 頭痛
  • 浮腫

などがあります。

また頻度は稀ですが重篤な副作用としては、

  • ショック、アナフィラキシー様症状

が報告されています。

また、ソランタールは次のような方には禁忌(絶対に使ってはダメ)となっていますので注意しましょう。

1.消化性潰瘍のある方
2.重篤な血液の異常のある方
3.重篤な肝障害のある方
4.重篤な腎障害のある方
5.ソランタールに過敏症の既往歴のある方
6.アスピリン喘息又はその既往歴のある方

胃を荒らす可能性のあるお薬ですので、胃腸に潰瘍がある方はそれを更に増悪させる可能性がありますので、用いてはいけません。

また心臓、肝臓、腎臓といった臓器にダメージを与える可能性がありますので、これらの臓器に重篤な機能不全がある場合もソランタールは用いてはいけません。

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5.ソランタールの用法・用量と剤形

ソランタールは次の剤型が発売されています。

ソランタール錠 50mg
ソランタール錠 100mg

また、ソランタールの使い方は適応疾患によって異なります。

1. 各科領域の手術後並びに外傷後の鎮痛・消炎

2. 下記疾患の鎮痛・消炎
関節炎、腰痛症、頸肩腕症候群、骨盤内炎症、軟産道損傷、乳房うっ積、帯状疱疹、多形滲出性紅斑、膀胱炎、副睾丸炎、前眼部炎症、智歯周囲炎

3. 抜歯後の鎮痛・消炎

の場合は、

通常、成人には1回100mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

となっています。また、

 4. 下記疾患の鎮痛
急性上気道炎

の場合は、

通常、成人には1回100mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大300mgを限度とする。

とされています。

6.ソランタールが向いている人は?

ソランタールはどのような方に向いているお薬なのでしょうか。

ソランタールの特徴をおさらいすると、

・鎮痛作用(痛みを抑える)、解熱作用(熱を下げる)は弱い
・副作用が他のNSAIDsと比べると少ない
・喘息の方でも比較的安全に使える(他のNSAIDsは発作誘発する事がある)

といった特徴がありました。

基本的にNSAIDsはどれも大きな差はないため、処方する医師が使い慣れているものを処方されることも多々あります。

効果が穏やかですが、副作用が少ないメリットのあるソランタールは、

  • 軽い痛みや軽度の発熱の方

に向いているお薬でしょう。

また他のNSAIDsのような「喘息発作を誘発してしまう事がある」という問題が少ないため、

  • 喘息の方

に解熱・鎮痛作用のあるお薬を使いたい場合にも向いているお薬となります。

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