ベナパスタ軟膏の効果と副作用【抗アレルギー薬】

ベナパスタ軟膏(一般名:ジフェンヒドラミンウラリル硫酸塩)は1950年から発売されている外用アレルギー薬(アレルギーを抑える塗り薬)になります。

主成分は「ジフェンヒドラミン」ですが、これは花粉症などでも服用する抗アレルギー薬です。

ベナパスタ軟膏は塗り薬ですので、塗った部位にしか作用しません。飲み薬のように全身に作用するわけではないため、安全に用いる事が出来ます。

塗り薬はたくさんの種類があるため、それぞれがどのような特徴を持つのかは分かりにくいものです。

ベナパスタ軟膏はどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに向いているお薬なのでしょうか。ここではベナパスタ軟膏の効果・効能や特徴・副作用についてみてみましょう。

スポンサーリンク

1.ベナパスタ軟膏の特徴

まずはベナパスタ軟膏の特徴を紹介します。

ベナパスタ軟膏はアレルギーを抑える塗り薬です。古いお薬ですが、穏やかな効果と高い安全姓を持ち、現在でもしばしば用いられています。

ベナパスタ軟膏は抗ヒスタミン薬と呼ばれる成分から成っています。アレルギーが生じる原因の1つに「ヒスタミン」という物質の影響があるのですが、抗ヒスタミン薬はヒスタミンのはたらきをブロックすることでアレルギー症状(かゆみ、発赤、湿疹など)を改善させる作用を持ちます。

ベナパスタ軟膏の抗アレルギー作用は穏やかで強くはありません。そのため重度のアレルギー症状に対しては力不足となる事もあります。このような場合はステロイドを使ったり抗アレルギー薬の飲み薬を併用する事もあります。

しかし塗り薬ですので、飲み薬のように全身にお薬が回らずに塗った部位のみに作用してくれます。飲み薬の抗アレルギー薬に見られるような、眠気・ふらつきなどといった副作用はほとんど生じず、副作用が少なく安全に用いれるというメリットがあります。

臨床においては、軽度の皮膚アレルギー症状(かゆみや発赤など)に対して用いられています。またアレルギー疾患でなくても、アレルギーと同様の機序で生じているかゆみ(虫刺されや乾燥に伴うもの・湿疹など)にも効果を示します。

以上からベナパスタ軟膏の特徴として次のような事が挙げられます。

【ベナパスタ軟膏の特徴】

・皮膚のアレルギー症状を抑える作用を持つ
・効果は穏やかで重度のアレルギー症状には向かない
・局所にのみ作用するため、副作用が少ない

2.ベナパスタ軟膏はどんな疾患に用いるのか

ベナパスタ軟膏はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】
じんま疹
湿疹
小児ストロフルス
皮膚掻痒症
虫さされ

難しい専門用語が並んでいますが、皮膚のアレルギーによって生じているかゆみや湿疹などを抑えてくれるのがベナパスタ軟膏です。

典型的にはじんま疹に用いられますが、他にもヒスタミンによって生じていると思われるかゆみや湿疹にも効果は望めます。

「小児ストロフルス」とは、難しい用語ですが、主に赤ちゃんに生じる虫刺され後のかゆみのことです。

スポンサーリンク

3.ベナパスタ軟膏にはどのような作用があるのか

皮膚のアレルギー症状を抑えてくれるベナパスタ軟膏ですが、具体的にはどのような作用があるのでしょうか。

ベナパスタ軟膏の作用機序は、一般的な飲み薬の抗アレルギー薬と同じ機序になります。ただしその作用は局所でのみ発揮され、全身にはほとんど影響しません。

ベナパスタ軟膏の作用について詳しく紹介します。

Ⅰ.抗アレルギー作用

ベナパスタ軟膏はアレルギーを起こす原因の1つである「ヒスタミン」のはたらきを抑えます。

そもそもアレルギー反応はどのような機序で生じるのでしょうか。

ある物質に対して過剰に身体が反応してしまうのが「アレルギー」です。食べ物やダニ、花粉など通常であれば身体にとって無害な物質に対して、身体が「これは危険な物質だ!」と誤った認識をしてしまうことで発症します。

なぜこのような事が起こるのかというと遺伝や環境・ストレスなどが指摘されていますが、原因不明で生じることも少なくありません。

通常であれば摂取・接触しても問題がないようなものに対して、身体が「危険な物質だ!」と誤認識してしまうと、身体に様々な不都合が生じます。

例えば「花粉」という本来無害である物質に対して身体が過剰に反応してしまうのが「アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症)」です。花粉を危険な物質だと判断することにより身体は過剰な防御反応を起こし、鼻水やくしゃみ、鼻閉などの症状が出現します(この場合、花粉をアレルギーを起こす物質という意味で「アレルゲン」と呼びます)。

アレルギー反応は、アレルゲンに肥満細胞(マスト細胞)が反応して、ヒスタミンをいう物質を分泌することが1つの原因です。

ヒスタミンは血管透過性を亢進させたり、血管を拡張させるはたらきがあり、これにより様々な物質が血液中から皮膚に浸出していき、これによりかゆみや発赤・湿疹などを生じます。

ベナパスタ軟膏は「抗ヒスタミン薬」とも呼ばれており、肥満細胞が分泌したヒスタミンのはたらきを抑える作用があります。

具体的にはヒスタミンが結合する部位である「ヒスタミン受容体」をブロックすることでヒスタミンが作用できないようにするのです。

これによってアレルギー反応を抑え、アレルギーによって生じる様々な症状を軽減してくれるのです。

4.ベナパスタ軟膏の副作用

ベナパスタ軟膏は塗り薬であり、全身に投与するものではありません。そのため、その副作用も多くはありません。

ベナパスタ軟膏の副作用については詳しい調査はされていません。しかし、おおよその調査では副作用発生率は2.12%前後と報告されています。

生じうる副作用としては、

  • 灼熱感
  • 過敏症
  • 発赤
  • 腫脹
  • 掻痒(かゆみ)
  • 湿潤

などが報告されています。

いずれも重篤となることは少なく、多くはベナパスタ軟膏の使用を中止すれば自然と改善していきます。

スポンサーリンク

5.ベナパスタ軟膏の用法・用量と剤形

ベナパスタには、

ベナパスタ軟膏 4% 500g

といった剤型があります。

実際は、10gや50g、100gといった少量での処方が多いため、薬局でプラスチック容器などに入れてもらって処方されます。

ちなみに塗り薬には「軟膏」「クリーム」「ローション(外用液)」などいくつかの種類がありますが、これらはどのように違うのでしょうか。

軟膏は、ワセリンなどの油が基材となっています。保湿性に優れ、刺激性が少ないことが特徴ですが、べたつきは強く、これが気になる方もいらっしゃいます。

クリームは、水と油を界面活性剤で混ぜたものです。軟膏よりも水分が入っている分だけ伸びがよく、べたつきも少なくなっていますが、その分刺激性はやや強くなっています。

ローションは水を中心にアルコールなどを入れることもある剤型です。べたつきはほとんどなく、遣い心地は良いのですが、保湿効果は長続きしません。

ベナパスタ軟膏の使い方は、

通常症状により適量を1日数回患部に塗布または塗擦する。

と書かれています。実際は皮膚の状態や場所によって回数や量は異なるため、主治医の指示に従いましょう。

ベナパスタ軟膏は全身に塗ることが出来ますが、眼及び眼の周りには塗らないようにしましょう。

5.ベナパスタ軟膏の使用期限はどれくらい?

ベナパスタ軟膏の使用期限って、どのくらいの長さなのでしょうか。

「家に数年前に処方してもらった軟膏があるんだけど、これってまだ使えますか?」

このような質問は患者さんから時々頂きます。

これは保存状態によっても異なってきますので、一概に答えることはできませんが、製薬会社による記載では室温保存にて「4年半」となっています。

なおベナパスタ軟膏は基本的には室温で保存するものですので、この状態で保存していたのであれば「4年半」は持つと考えることができます。しかし、そうではない環境で保存していた場合は、4年半未満でも効能が失われている可能性があります。

6.ベナパスタ軟膏が向いている人は?

以上から考えて、ベナパスタ軟膏が向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ベナパスタ軟膏の特徴をおさらいすると、

・皮膚のアレルギー症状を抑える作用を持つ
・効果は穏やかで重度のアレルギー症状には向かない
・局所にのみ作用するため、副作用が少ない

というものでした。

ここから、軽度の皮膚のアレルギー症状がある場合に適した塗り薬だと考えられます。

反対にベナパスタ軟膏では改善が得られないような強いアレルギー症状がある場合は、このお薬だけでなく抗アレルギー薬の飲み薬やステロイドなども検討されます。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
こちらの記事も是非ご覧下さい