ジルテック錠の効果と副作用

ジルテック錠・ジルテックドライシロップ(一般名:セチリジン塩酸塩)は1998年から発売されているお薬です。抗アレルギー薬と呼ばれ、アレルギーによって生じる諸症状を抑え、主に花粉症(アレルギー性鼻炎)やじんま疹、皮膚のかゆみなどに用いられています。

ジルテックは主にヒスタミン受容体をブロックすることでアレルギー症状を抑えるため、「抗ヒスタミン薬」と呼ばれることもあります。

抗アレルギー薬の中でジルテックはどのような特徴のあるお薬で、どんな作用を持っているお薬なのでしょうか。

ジルテックの効果や特徴・副作用についてみていきましょう。

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1.ジルテックの特徴

まずはジルテックの全体的な特徴についてみてみましょう。

ジルテックはヒスタミンのはたらきをブロックすることでアレルギー症状を抑えます。腎機能が極端に悪い方は使うことができません。

ヒスタミンはアレルギーを誘発する原因となる物質(ケミカルメディエーター)です。そのため、このヒスタミンのはたらきをブロックできればアレルギー症状を改善させることができます。それを狙っているのがジルテックをはじめとした「抗ヒスタミン薬」になります。

抗ヒスタミン薬には古い第1世代抗ヒスタミン薬と、比較的新しい第2世代抗ヒスタミン薬があります。第1世代は効果は良いのですが眠気などの副作用が多く、第2世代は効果もしっかりしていて眠気などの副作用も少なくなっています。

この違いは第1世代は脂溶性(脂に溶ける性質)が高いため脳に移行しやすく、第2世代は脂溶性が低いため脳に移行しにくいためだと考えられています。また第2世代の方がヒスタミンにのみ集中的に作用するため、余計な部位への作用が少なく、これも副作用を低下させる理由となっています。

そのため、現在では副作用が少ない第2世代から使用するのが一般的です。

ジルテックはというと第2世代の抗ヒスタミン薬になり、現在もアレルギー症状の改善によく用いられているお薬の1つです。

ジルテックは主に「抗ヒスタミン作用」によってアレルギー症状を抑えますが、それ以外にもアレルギー物質を放出する好酸球のはたらきを抑えたり、ロイコトリエンやプロスタグランジンというケミカルメディエーターの分泌を抑える作用もあり、これもアレルギー症状の緩和に役立っています。

一方でヒスタミンは覚醒に関わっている物質であるため、ヒスタミンをブロックすると眠くなってしまうことがあります。抗ヒスタミン薬はどれも眠気の副作用が生じるリスクがあるのです。

ジルテックは第1世代抗ヒスタミン薬よりは眠気が生じる頻度は少ないのですが、それでも眠気が生じる可能性は十分にあります。服用中は運転や高所作業など眠気が出ると危険な行動は控えるようにしましょう。

またジルテックは腎機能が極めて悪い方(重度の腎機能障害)は服用することができません。該当する方は他の抗ヒスタミン薬を服用していただく必要があります。

以上から、ジルテックの特徴として次のようなことが挙げられます。

【ジルテックの特徴】

・花粉症や蕁麻疹などのアレルギー症状を抑える
・ケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなど)の分泌を抑えたり、好酸球のはたらきを抑える作用がある
・第2世代抗ヒスタミン薬であり、第1世代よりは副作用が少ない
・眠気の副作用に注意
・重度の腎機能障害の方は使えない

2.ジルテックはどのような疾患に用いるのか

ジルテックはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

<成人>
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症

<小児>
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

基本的にアレルギー疾患に効くお薬という認識で良いでしょう。

代表的なものとしては、アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症など)やじんましんなどがあります。

ジルテックの有効性については、

  • アレルギー性鼻炎で中等度以上に改善した率は49.6%
  • じんま疹で中等度以上に改善した率は77.3%
  • 湿疹・皮膚炎で中等度以上に改善した率は65.9%
  • 痒疹で中等度以上に改善した率は57.7%
  • 皮膚そう痒症で中等度以上に改善した率は74.5%

という結果が出ています。

臨床的な印象としてもジルテックはの第2世代抗ヒスタミン薬と比べて、その効果に大きな遜色はありません。しっかりとした効果のあるお薬になります。

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3.ジルテックにはどのような作用があるのか

ジルテックはどのような作用機序によって、アレルギー症状を抑えてくれるのでしょうか。

ジルテックの作用について詳しく紹介させて頂きます。

Ⅰ.抗ヒスタミン作用

ジルテックは抗ヒスタミン薬というお薬に属し、その主な作用は「抗ヒスタミン作用」になります。これはヒスタミンという物質のはたらきをブロックするという作用です。

アレルギー症状を引き起こす物質の1つに「ヒスタミン」があります。

アレルゲン(アレルギーを起こすような物質)に暴露されると、アレルギー反応性細胞(肥満細胞など)からアレルギー誘発物質(ヒスタミンなど)が分泌されます。これが受容体などに結合することで様々なアレルギー症状が発症します。

ちなみに肥満細胞からはヒスタミン以外にもアレルギー誘発物質が分泌されますが、これらはまとめてケミカルメディエータ―と呼ばれています。

ジルテックのような抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応性細胞からヒスタミンが分泌されるのを抑える作用があります。またヒスタミンが結合するヒスタミン受容体をブロックすることでアレルギー症状の出現を抑える作用もあります。

これらの作用によりアレルギー症状を和らげてくれるのです。

Ⅱ.抗好酸球作用

アレルギー反応の1つに、アレルゲン(アレルギーの原因になる物質)によって好酸球の脱顆粒(好酸球が顆粒を分泌する)という現象があります。

好酸球から分泌される顆粒には様々な成分が含まれています。中にはヒスタミンやロイコトリエンなどのアレルギーの原因となる物質のはたらきを中和する作用もあります。

しかし一方で、炎症の原因となる物質も放出してしまい、これによってアレルギー反応がより悪化してしまう事もあります。

アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となる物質)の刺激が生じると好酸球がその部位に浸潤してきます。すると、上記のような機序によってアレルギー反応を引き起こしてしまうことがあるのです。

ジルテックはアレルゲンの刺激によって好酸球が浸潤してくるのを防ぐはたらきがあり、これもアレルギー症状の緩和に役立ちます。

Ⅱ.抗ロイコトリエン作用・抗プロスタグランジン作用

ヒスタミン以外のケミカルメディエーターとして、ロイコトリエン(LT)やプロスタグランジンD2(PGD2)があります。

ロイコトリエンやプロスタグランジンD2も肥満細胞から分泌され、身体にアレルギー反応を起こすケミカルメディエーターの一種になります。

ジルテックは、ヒスタミンと同じようにこのロイコトリエンやプロスタグランジンD2の分泌を抑えるはたらきがあります。

これによってアレルギー症状を緩和させてくれます。

4.ジルテックの副作用

ジルテックにはどんな副作用があるのでしょうか。

ジルテック錠の副作用は3.6~13.5%前後(ドライシロップでは4.2%前後)と報告されています。第1世代抗ヒスタミン薬と比べると第2世代であるジルテックは副作用が少なく、服薬しやすいお薬となります。

副作用として多いのは、

  • 眠気

です。抗ヒスタミン薬はどれも眠気の副作用が生じるリスクがあります。ジルテックも例外ではありません。

その他の副作用としては、

  • 倦怠感
  • 口渇(口の渇き)
  • 嘔気
  • めまい
  • 頭痛

などが報告されています。これらは抗ヒスタミン薬がわずかに持つ抗コリン作用というアセチルコリンのはたらきを抑えてしまう作用が関係しています。ヒスタミンの受容体とアセチルコリンの受容体は構造が類似しているため、抗ヒスタミン薬は時にアセチルコリン受容体にも作用してしまうのです。

抗コリン作用は唾液の分泌を減少させたり、胃腸の動きを低下させてしまいます。ジルテックのような第2世代は第1世代と比べると抗コリン作用は少なくはなっているのですがゼロではないため、時にこのような副作用が生じることがあります。

また、

  • 肝機能障害(AST、ALT、ɤGTP、ビリルビン上昇)
  • 好酸球増多

といった検査の異常が生じることがあります。ジルテックを長期服薬・高用量服薬している場合などでは定期的に血液検査を行うことが望ましいでしょう。

頻度は稀ですが、重大な副作用として、

  • ショック、アナフィラキシー
  • けいれん(てんかんの既往がある方)
  • 黄疸
  • 血小板減少

が報告されています。

また、

  • 重度の腎障害の方

はジルテックの血中濃度が上がりすぎてしまう可能性があるため、ジルテックを服用することは出来ません。他の抗ヒスタミン薬を選択するようにしましょう。

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5.ジルテックの用法・用量と剤形

ジルテックは、

ジルテック錠 5mg
ジルテック錠 10mg

ジルテック ドライシロップ 1.25%

といった剤形があります。

ドライシロップというのは「甘い粉薬」のような剤型で、主に小さい子供に処方するために用いられます。

ジルテックの使い方としては、

<成人>
通常、成人には1回10mgを1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mgとする。

<小児>
通常、7歳以上15歳未満の小児には1回5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。

となっています。

6.ジルテックが向いている人は?

以上から考えて、ジルテックが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ジルテックの特徴をおさらいすると、

・花粉症や蕁麻疹などのアレルギー症状を抑える
・ケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなど)の分泌を抑えたり、好酸球のはたらきを抑える作用がある
・第2世代抗ヒスタミン薬であり、第1世代よりは副作用が少ない
・眠気の副作用に注意
・重度の腎機能障害の方は使えない

といったものがありました。

ジルテックは、第2世代抗ヒスタミン薬になり、アレルギー性鼻炎やじんましんなどに対してよく用いられているお薬の1つです。

第2世代であり効果がしっかりと得られつつも眠気などの副作用が少なめであるため、まず検討されるお薬となります。

他の第2世代抗ヒスタミン薬との比較としては、効果は標準的なのですが、腎機能が悪い方にはあまり向かないお薬となります。

また1日1回の服用で1日を通して効果が持続するのも服薬の手間がかからないため、メリットになるでしょう。

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