アルジオキサの効果と副作用【胃薬】

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アルジオキサ錠・アルジオキサ顆粒は、1974年から発売されている胃炎・胃潰瘍治療薬(いわゆる胃薬)です。

保険診療上はジェネリック医薬品に属しますが、先発品のお薬は現在ありません。

ジェネリック医薬品とは、先発品の特許が切れた後に他社から発売された同じ成分からなるお薬の事です。お薬の開発・研究費がかかっていない分だけ、薬価が安くなっているというメリットがあります。

アルジオキサは主に胃の中に出来た傷(胃炎・胃潰瘍)の治りを促す作用や、胃壁を保護する物質(防御因子)を増やす作用によって胃炎や胃潰瘍を改善させます。

胃薬にもたくさんの種類があります。これらの中でアルジオキサはどのような位置付けのお薬になるのでしょうか。

ここではアルジオキサの特徴や効果・副作用をはじめ、どのような作用機序を持つお薬でどのような方に向いているお薬なのかについて説明していきます。

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1.アルジオキサの特徴

まずはアルジオキサの全体的な特徴について、かんたんに紹介します。

アルジオキサは「アラントイン」と「アルミニウム」という2つの物質によって胃を保護するお薬です。アラントインには胃の傷の治りを促す作用があり、アルミニウムには胃の傷を保護してくれる作用があります。

副作用が多いお薬ではありませんが、アルミニウムが含まれているため漫然と服用を続けないように気を付ける必要があります。

アルジオキサは主に胃炎や胃潰瘍に適応を持つ「胃薬」になります。その効果は穏やかで、主に軽症~中等症の胃炎・胃潰瘍に用いられます。

アルジオキサにはいくつかの作用があります。1つは胃炎や胃潰瘍によって生じた胃の損傷の治りを促す作用です。これを創傷治癒作用と言います。

アルジオキサに含まれるアラントインは、元々は1900年代の初めにヒレハリソウという植物から抽出された成分です。創傷治癒作用がある事が発見され、現在でも化粧品や皮膚の塗り薬・坐薬などに配合されています。

アラントインを服用すると、胃内にある傷(胃炎や胃潰瘍)に作用し、修復を促してくれるのです。

またアルジオキサには胃を防御する機能を高める作用もあり、胃を保護する物質(プロスタグランジンなど)を増やす作用が確認されています。アルミニウムはバリアのように傷に被膜を形成してくれる性質があり、これによって物理的に胃を保護する作用も有しています。

更にアルジオキサには胃酸を中和させる事でそのはたらきを抑える作用(制酸作用)やペプシンというたんぱく質を分解する酵素のはたらきを抑える作用(抗ペプシン作用)があります。

胃酸もペプシンも食べ物を消化するためには重要なものです。胃酸は強力な酸によって食べ物を分解しますし、ペプシンはたんぱく質を分解するはたらきがあります。

しかし胃炎・胃潰瘍部に胃酸やペプシンが作用してしまうと傷が更に損傷されてしまうため、これらの疾患がある方は胃酸やペプシンの分泌を抑えてあげる必要があるのです。

アルジオキサは副作用の多いお薬ではないのですが、アルミニウムが含まれている点には注意が必要です。アルミニウムは体内に過剰に蓄積されてしまうと脳症や胃腸症状、貧血、更には神経障害などを引き起こす事が報告されています。

アルミニウムは腎臓から排泄されるため、腎機能の悪い方はアルミニウムが体内に蓄積しやすいため特に注意が必要です。透析中の方はアルジオキサは服用してはいけません。

また健常な方であってもこのような理由から、漫然と長期間アルジオキサの服用を続ける事は避けておいた方が良いでしょう。

以上からアルジオキサの特徴として次のようなことが挙げられます。

【アルジオキサの特徴】

・主に軽症~中等症の胃炎・胃潰瘍に用いられる胃薬である
・胃炎・胃潰瘍部の損傷の修復を促す作用がある
・胃の防御因子を増やす作用がある
・胃の攻撃因子(胃酸やペプシンなど)を抑える作用が多少ある
・アルミニウムを含むため腎機能の悪い方は注意。透析中の方は使用不可
・アルミニウムを含むため、漫然と長期間服用しない事が望ましい

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2.アルジオキサはどのような疾患に用いるのか

アルジオキサはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善

胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎

アルジオキサは主に胃炎や胃潰瘍の治療に用いられます。

その作用機序はいくつかありますが、主なものは胃炎・胃潰瘍の傷の修復を促す作用と、胃の防御因子を増やす作用であり、それに加えて多少の胃の攻撃因子(胃酸やペプシンなど)を抑える作用があります。

ではアルジオキサはこれらの疾患に対してどのくらいの効果があるのでしょうか。

アルジオキサはジェネリック医薬品であり有効性に対する詳しい調査は行われていません。

ちなみに、アルジオキサと同じ主成分からなる「イサロン」という胃薬では有効性に対する調査が行われており、この結果が参考になります。

イサロンを上記疾患に投与した際の総合的な有効率は75.3%と報告されています。

内訳としては、

  • 胃潰瘍に対する有効率は82.2%
  • 十二指腸潰瘍に対する有効率は71.2%
  • 胃・十二指腸潰瘍に対する有効率は90.0%
  • 急性胃炎に対する有効率は73.0%
  • 慢性胃炎に対する有効率は66.5%

となっています。

また自覚症状(胃の痛み・不快感など)に対しても、80%以上の改善効果が得られた事が報告されています。

同じ主成分からなるアルジオキサもこれと同程度の有効率があると考えられます。

3.アルジオキサにはどのような作用があるのか

アルジオキサは胃炎や胃潰瘍といった胃疾患に対して効果を発揮するお薬ですが、具体的にどのような作用機序を持っているのでしょうか。

アルジオキサの主な作用について詳しく紹介します。

Ⅰ.炎症や潰瘍などの胃の傷の治りを早める

アルジオキサに含まれるアラントインには創傷治癒作用(傷の治りを早める作用)があります。

これは胃に限らず、他の部位の細胞においても同様です。そのためアラントインは化粧品や塗り薬にも使われていたります。この場合は皮膚の創傷治癒作用により肌をきれいにする事を狙っているわけです。

胃内においても同様で、胃の中に胃炎・胃潰瘍といった傷があった場合、アラントインを作用させる事でこれらの部位の治癒を促す作用があります。

動物実験において人工的に潰瘍を作った胃壁細胞にアラントインを投与したところ、肉芽組織の増生、粘膜上皮の再生の促進、微小血管の新生促進など、組織の修復が促されている事を示す所見が得られています。

Ⅱ.胃粘膜を保護する因子を増やす

アルジオキサは、胃粘膜を保護する因子(防御因子)を増やす作用も認められています。

具体的には、

  • プロスタグランジン(PG)を増やす
  • 胃への血流を増やす
  • 胃粘液の合成・分泌を促進する

などが報告されています。

プロスタグランジンは胃を保護するはたらきを持つ胃粘液を増やす作用があるため、プロスタグランジンの量が増えると胃炎や胃潰瘍が生じにくくなります。

また胃への血流が増えればそこに栄養分が届きやすくなるため、粘液を作りやすくなったり細胞の合成・修復もしやすくなります。

胃粘液というのは胃の表面を覆ってくれる粘液で、ヘキソサミンやムチンというたんぱく質などが成分となっています。ヘキソサミンはアルカリ性の物質であり胃酸を中和してくれるため、胃酸から胃壁を守るはたらきがあります。ムチンは粘性のある糖タンパクで、その粘性によって胃壁を保護してくれます。

アルジオキサはこのように胃粘液の分泌を増やし、この胃粘液が胃壁をコーティングしてくれるため、胃の防御力が高まります。

またアルジオキサに含まれるアルミニウムは胃粘膜に被膜を形成する性質があり、これによっても胃を保護してくれます。

バリアのように病変部(潰瘍部や炎症部)を覆うことで、胃酸やペプシンから病変部を守ってくれるのです。

胃内は胃酸という強い酸性の物質が存在するため、胃粘膜に潰瘍や炎症が生じてしまうと、病変部を胃酸が刺激してしまい、傷がなかなか治らなくなってしまいます。

アルミニウムは胃粘膜に被膜を形成することで、病変部を胃酸から守ってくれるはたらきがあるのです。

アルミニウムの優れた点は、胃壁全体を覆うわけではなく、病変部だけを選択的に覆ってくれる事です。なぜそのようなことができるのでしょうか。

アルミニウムは潰瘍などから顔を出している基質タンパク質と結合することにより被膜を形成するのです。そのため、傷が出来ているところに集中的に膜をはってくれるのです。

Ⅲ.胃を攻撃する因子を減らす

アルジオキサには多少ですが、胃を攻撃する因子を減らす作用もあります。

具体的には、たんぱく質を分解する酵素である「ペプシン」のはたらきを抑える作用が確認されています。

ペプシンは食べ物に含まれるたんぱく質を分解する事で、体内に栄養を吸収させやすくさせるはたらきがあり、本来身体にとって必要不可欠な酵素です。

しかし胃が荒れて胃炎や胃潰瘍などが生じてしまっている時、露出した胃壁細胞にペプシンが反応してしまうと、これらの酵素は胃壁細胞のたんぱく質をも分解してしまいます。

すると胃炎や胃潰瘍はより悪化する事になるのです。

アルジオキサはペプシンのはたらきを抑える作用を持ちます。これによって、胃炎や胃潰瘍がこれ以上障害される事を防いでくれるのです。

更にアルミニウムが胃酸を中和するため、「制酸作用(胃酸のはたらきを抑える作用)」も多少ですがあり、これも胃炎・胃潰瘍の改善に貢献しています。

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4.アルジオキサの副作用

アルジオキサにはどのような副作用があるのでしょうか。また副作用の頻度はどのくらいなのでしょうか。

アルジオキサ錠はジェネリック医薬品であり副作用発生率の詳しい調査は行われていません。しかしアルジオキサと同じ成分からなる「イサロン」という胃薬においては行われており、副作用発生率は0.30%と報告されています。

同じ主成分からなるアルジオキサもこれと同程度の副作用発生率であると考えられます。

基本的に副作用は少なく、安全性に優れるお薬ではあります。ただし後述するようにアルニウムが含まれている事から漫然と長期間服用する事は避けた方が良いでしょう。

生じうる副作用としては、

  • 便秘
  • 下痢
  • 悪心
  • 腹部膨満感

などが報告されています。

アルジオキサは胃に作用するため、その副作用の多くも胃腸系の症状になります。

アルジオキサは胃酸やペプシンのはたらきを抑えるため、食べ物中のたんぱく質が分解されにくくなってしまい、胃腸に負担がかかりやすくなってしまうという側面があります。

この側面が強く出てしまうと吐き気が生じたり、下痢・便秘など胃腸症状が生じる事があります。

またアルジオキサの重篤な副作用として、透析を受けている患者さんでは、

  • アルミニウム脳症
  • アルミニウム骨症
  • 貧血

などが生じる可能性があります。

アルジオキサにはアルミニウムが含まれており、これは微量ですが体内に吸収される恐れがあります。

腎機能が正常な方であれば吸収されたアルミニウムは適宜排出されるためまだ良いのですが、腎臓が悪い透析患者さんでは、アルミニウムが体内に蓄積してしまうリスクが高くなります(アルミニウムの大部分は腎臓を経て尿から排泄されます)。

そのため透析患者さんにはアルジオキサは禁忌(絶対に使用してはいけない)となっています。

また腎機能が正常であってもこのような理由から漫然と長期間服用する事は避けた方が良いでしょう。

5.アルジオキサの用法・用量と剤形

アルジオキサには、

アルジオキサ錠 100mg

アルジオキサ顆粒 20%
アルジオキサ顆粒 50%

といった剤型があります。

アルジオキサ錠の使い方は、

通常成人1日300~400mgを3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

となっています。

6.アルジオキサが向いている人は?

最後にアルジオキサが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

アルジオキサの特徴をおさらいすると、

【アルジオキサの特徴】

・主に軽症~中等症の胃炎・胃潰瘍に用いられる胃薬である
・胃炎・胃潰瘍部の損傷の修復を促す作用がある
・胃の防御因子を増やす作用がある
・胃の攻撃因子(胃酸やペプシンなど)を抑える作用が多少ある
・アルミニウムを含むため腎機能の悪い方は注意。透析中の方は使用不可
・アルミニウムを含むため、漫然と長期間服用しない事が望ましい

というものでした。

ここから、

  • 軽症~中等症の胃炎や胃潰瘍の方
  • 胃の防御因子を増やす胃薬だけでは改善が乏しかった方
  • 腎機能が正常である方

に向いているお薬と言えます。

アルジオキサは胃を防御する因子を増やす作用だけでなく、胃の損傷の修復を早める作用や、胃の攻撃因子を減らす作用も併せ持っているため、1つの効果しか持っていない胃薬では効果不十分であった場合も効果が得られる可能性があります。

ただしアルミニウムを含むため、一定の注意は必要です。腎機能が悪い方は用いない方が賢明でしょう。また透析中の方は絶対に用いてはいけません。

腎機能が正常な方は、適量を必要な期間のみ服用するのであれば、大きな問題が生じる事はほとんどありませんが、大量の服用を続けたり長期間の服用を続けている場合は体内にアルミニウムが蓄積していく可能性があります。

やはり必要な期間・必要な量のみの服用にとどめるようにしましょう。

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