アズノール軟膏は市販されているのか

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アズノール軟膏(一般名:アズレン)は、1958年から発売されている皮膚潰瘍治療薬です。

安全性に非常に優れる外用剤で皮膚への刺激も少ないため、主に軽症の皮膚疾患を中心に広く処方されています。

眼以外の身体のどこにでも塗る事ができますし、肌が敏感な赤ちゃんにも安心して用いる事が出来ます。

幅広く使われているお薬ですので、

「薬局やドラッグストアで同じようなものを購入できないのか」
「市販薬に同じようなものはないのか」

と患者さんから相談される事もあります。

ではアズノール、あるいはアズノールと似た成分を持つ外用剤は市販薬として購入できるのでしょうか。

ここではアズノールは市販薬として売っているのか、という事について紹介します。

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1.アズノールの市販薬はあるのか

アズノールは市販薬として販売されているのでしょうか。

結論から言ってしまうとアズノールは皮膚外用剤としては市販されておらず、薬局やドラッグストアで購入する事は出来ません。

そのため、もしアズノール軟膏が必要なのであれば、病院を受診して診察医に「この患者さんの治療にはアズノール塗布が必要である」と判断してもらわないと入手する事は出来ません。

アズノールの主成分は「アズレン」という植物由来の成分から作られています。具体的にはカミツレ(カモミール)というヨーロッパ原産のキク科の植物に含まれるアズレンをもとに作られた「グアイアズレン(ジメチルイソプロピルアズレン)」が原料となっています。

この「グアイアズレン」が配合されている市販の軟膏・クリーム自体がないわけではありません。しかし含有されているグアイアズレンの濃度もはっきり分からず、またその他の成分も多く配合されているため、アズノールと同じような効果が得られるかというと疑問が残ります。

例えば市販のクリームでアズレン(グアイアズレン)を含んでいるものは次のようなものがあります。

グアイアズレンを含んではいますがその濃度は不明で、またその他の成分も多く含んでいますので、アズノール軟膏と同じ効果を期待するのは難しいかもしれません。

このように、アズノール軟膏と同じ成分を含む外用剤はあまりないのが現状です。

しかし一方でアズノールと同じ成分を含む、

  • うがい液
  • 口内軟膏
  • 胃薬
  • 坐薬

は市販薬がありますので、このような用途でアズノールを用いたいのであればこれは市販のものを買う事が出来ます。

アズノール(アズレン)には、

  • 抗炎症作用(炎症を抑える作用)
  • 創傷保護作用(傷を保護する作用)
  • 抗アレルギー作用(アレルギーを抑える作用)

といった作用があります。そのため、皮膚の潰瘍を治療するという用途以外にも、うがい液や口内軟膏として用いて口腔内の炎症を抑えたり、胃薬として用いて胃炎を抑えたりする作用も期待できるのです。

例えば、一例として次のような市販薬があります。

これらはアズノールと同じ成分がしっかりと配合されており、その濃度もアズノールと同等量になっています。口内炎や痔などにアズノールを用いたい場合はこれらを購入するのも一手ではあります。

しかし残念ながらアズノール軟膏と同等の市販薬として適当なものは、現在は発売されていないのが実情です。

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2.アズノール軟膏と似た作用を持つ市販薬はないの?

ではアズノールと全く同じではなくても、アズノールに比較的近い作用を持つ外用剤は市販されていないのでしょうか。

アズノールは主に、

  • 抗炎症作用(炎症を抑える作用)
  • 創傷保護作用(傷を保護する作用)
  • 抗アレルギー作用(アレルギーを抑える作用)

といった作用を持ちます。

そして臨床でアズノール軟膏が処方されるのは、特に1番目の炎症を抑える作用を期待したものになります。

更に2番目の創傷保護作用は、基剤がワセリンなど保湿力の高いものであればある程度補えます。

アズノールは安全性の高さも利点ですので、以上から考えると「安全性が高く、穏やかに炎症を抑えてくれる市販の外用剤」という視点でアズノール軟膏と似たようなものはないのか考えてみましょう。

Ⅰ.カレンドラクリーム

アズノールの主成分である「アズレン」は、カミツレ(カモミール)というキク科の植物に含まれる抗炎症作用を持つ成分です。

実は、同じくキク科の植物であるキンセンカ(カレンドラ)にも、抗炎症作用がある事が知られています。

カミツレもキンセンカも、昔から民間療法として火傷や擦り傷といった皮膚トラブルの治療に使われていたそうです。

カミツレとキンセンカに含まれる抗炎症作用を持つ成分は、全く同じ作用機序で効くわけではありませんが、

  • 植物由来の成分であり安全性が高い
  • 穏やかな抗炎症作用を持つ

という点では共通しています。

カミツレとキンセンカを含む市販の外用剤として、例えばこのようなものもあります。

このクリームはカミツレとキンセンカ(カレンドラ)の有効成分を含んでおり、穏やかに炎症を抑えてくれる作用が期待できます。また植物由来の成分であるため、副作用も少なく安全性も高いと考えられます。

Ⅱ.アロベビークリーム

抗炎症作用は弱くても、保湿作用がしっかりしていれば、皮膚が守られ傷は治りやすくなります。そのような特徴を持つクリームとしては、次のような市販クリームが挙げられます。

アロベビークリームは保湿作用に優れる成分を多く含んでおり、バリアのように覆って皮膚を守る事で皮膚状態を整えます。

また配合されている「セイヨウニワトコ」のエキスは、穏やかながら炎症を抑える作用も多少有しているため、穏やかな抗炎症作用を持ち、保湿作用に優れ、かつ安全性が高い、という点ではアズノールとある程度共通しているでしょう。

3.皮膚トラブルは医師に相談しましょう

残念ながらアズノール軟膏と全く同じ主成分からなる市販薬はありません。

似たようなものとして前項でいくつか紹介しましたが、これらもアズノールと全く同じようなはたらきをするわけではありません。

全く同じような効き方ではない以上、そのクリームが本当に自分の皮膚状態にあっているのかは分かりませんし、更にアズノールと比べてかなり高価です。

一方で保険診療で処方してもらうアズノールは、専門家である皮膚科医が皮膚状態を見て処方するわけですから、高い精度で皮膚状態に適したものと言えますし、1本(20g)で50円程度ととても安価です。実際はその1~3割負担ですので、1本5~15円程度で処方してもらう事が出来ます。

こう考えると診察料などを含めても、受診した方が金銭的にも優れている事が分かります。

市販薬ではなく処方薬のため、欲しいと言えば処方してもらえるものではなく、医師が治療に必要と判断しなければ処方してもらえませんが、本当にアズノールが必要な状態なのであれば、病院を受診して医師に処方してもらった方が安価ですし、何よりも正しい診断に基づいた正しい治療を行えます。

お忙しい方は、なかなか受診する時間が取れない事もあり、つい「市販薬で何とかならないかな」と考えてしまうと思います。しかし皮膚のトラブルで悩んでいるのであれば自分の不正確な診断で市販薬を塗るのではなく、出来るだけ時間を作って皮膚科を受診するようにしましょう。

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