デュオドーパ配合経腸用液の効果と副作用【パーキンソン病治療薬】

デュオドーパ配合経腸用液(一般名:レボドパ・カルビドパ配合)は、2016年から発売されているパーキンソン病の治療薬になります。

デュオドーパ配合錠は「レボドパ」と「カルビドパ」という2つの成分を配合したお薬になります。パーキンソン病の治療薬として主にはたらくのはレボドパの方で、カルビドパはレボドパが効率的に作用できるように、またレボドパの副作用を軽減させるように補助する役割になります。

デュオドーパと同じ成分を配合しているパーキンソン病治療薬には「ネオドパストン配合錠L」「メネシット配合錠」があります。これらは1979年から使われている歴史の長いお薬ですが、デュオドーパの基本的なはたらきはこれらのお薬と同じです。

しかしこれらのお薬とデュオドーパが大きく異なる点があります。それはデュオドーパは飲み薬ではなく「経腸剤」だという事です。デュオドーパはお腹に穴を開けて皮膚表面と胃をチューブでつなぎ、そこからお薬を持続的に腸内に投与するという使い方をします。

このようなお薬であるため、デュオドーパは誰でも気軽に使えるお薬ではありません。しかしパーキンソン症状で苦しんでいる方にとっては高い効果が期待できるお薬でもあります。

パーキンソン病の治療薬にはたくさんの種類があり、どのようなお薬をどのような時に用いるのが適切なのかは分かりにくいものです。

パーキンソン病治療薬の中でデュオドーパはどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに向いているお薬なのでしょうか。

ここではデュオドーパの特徴や効果、副作用などを紹介していきたいと思います。

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1.デュオドーパ配合経腸用液の特徴

まずはデュオドーパの全体的な特徴を紹介します。

デュオドーパは、パーキンソン病患者さんで減少している脳内のドーパミンを効率良く増やしてくれるお薬になります。

最大の特徴は「経腸剤である」という点で、このお薬を使うためには胃ろう(お薬を直接胃腸に投与するために胃に穴を開ける事)を造設しなくてはいけません。

デュオドーパに含まれるレボドパが脳内でドーパミンに変換され、パーキンソン症状を改善させます。一方でカルビドパは、脳以外の部位(末梢)でレボドパがドーパミンに変わらないようにする事でレボドパが脳に届く効率を上げ、また末梢でドーパミンが増える事によって生じる副作用を軽減させます。

デュオドーパは高い効果が期待できるお薬ですが、胃ろうを造設するという侵襲性の高い前処置が必要になり、その適応は慎重に見極める必要があります。

デュオドーパの主成分はドーパミンの前駆体である「レボドパ」であり、これは脳でドーパミンに変換されます(「前駆体」というのは、ドーパミンになる前の物質のことです)。

そのためデュオドーパは脳のドーパミン量を増やし、パーキンソン病を改善させるはたらきがあります。

パーキンソン病は脳(主に中脳黒質-線条体系)のドーパミン量が減少する事で生じると考えられています。デュオドーパは足りなくなっているドーパミンを直接補うはたらきがあるのです。

「ドーパミンが足りないのであればドーパミンの前駆体ではなくドーパミンそのものを投与すればいいじゃないか」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実はドーパミンは脳に入ることができない物質なのです。

血液は脳に入る時、BBB(Blood-Brain Barrier、血液脳関門)という関所のようなところを通りますが、BBBは血液中に脳に害を与える物質が混入していないかチェックをしています。

脳は大切な臓器であるため、悪い物質が入ってこないようBBBが厳しくチェックをしており、害があると判断された物質は脳に入ることはできません。

そしてドーパミンはBBBでブロックされてしまう物質になるため、脳に入ることができないのです。

しかしドーパミンの前駆体である「レボドバ」はBBBを通過することができます。そして脳に入ったレボドパは脳内で「レボドパ脱炭酸酵素」によってドーパミンに変換されます。そのため、ドーパミンではなくレボドパを投与しないと脳内のドーパミンを増やすことができないのです。

デュオドーパは少なくなっているドーパミンを直接的に補うはたらきがあるため、パーキンソン病をダイレクトに改善させる効果があるのが利点です。

更にデュオドーパにはカルビドパという成分も配合されています。カルビドパは「末梢性脱炭酸酵素阻害薬」というもので、末梢(脳などの中枢神経以外の部位)においてレボドパがドーパミンに変換されないようにはたらくお薬です。

パーキンソン病は脳のドーパミンが足りない疾患です。そのため脳のドーパミンだけを増やしてあげたいのですが、レボドパを服用してしまうと全身のドーパミンが増えてしまいます。

特に胃や腸といった消化管にはドーパミン受容体が多く存在するため、全身のドーパミンが増えてしまうと、吐き気や食欲低下などの副作用が起こってしまいます。

デュオドーパはカルビドパを配合することにより、脳以外の部位ではレボドパがドーパミンに変わらないようにします。こうするとレボドパは効率よく脳に送られるため、レボドパの量が少なくても十分な効果が発揮できるようになります。

また脳以外の末梢でドーパミンが増えないため、末梢でドーパミン量が増える事で生じる副作用も軽減できるのです。

実はデュオドーパと同じような成分(レボドパとカルビドパ)を配合したお薬はすでにあります。「ネオドパストン配合錠L」「メネシット配合錠」などで、これらは1979年から発売され、現在でもパーキンソン病に広く用いられています。

デュオドーパは、含まれている成分はこれらのお薬と同じなのですが(配合比率は異なります)、飲み薬ではなく、レボドパが吸収される空腸に直接持続的に投与するという点で異なります

具体的に言うとデュオドーパを投与するためには、お腹に穴を開け、皮膚表面と胃をチューブでつなぎます。これは「胃ろう」と呼ばれ、従来は口から食事を取れなくなってしまった方などに栄養を注入するために行われている医療行為です。この胃ろうにチューブを入れ、チューブ先端を空腸に置き、そこにデュオドーパを少しずつ持続的に流していくのです。

これにより、

  • レボドパが空腸で効率よくを吸収される
  • 空腸より前の消化管に作用しないため、嘔気や食欲不振などの副作用が少なくなる
  • 持続的に流す事でwearing-off現象などの副作用を軽減させられる

といった事が可能になります。

従来のレボドパの飲み薬(ネオドパストン、メネシットなど)は、長期間服用を続けていると様々な副作用が出てきてしまうリスクがあります。レボドパ製剤の長期使用により「wearing-off現象」「delayed-on現象」「on-off現象」などの問題が生じます。

【wearing-off現象】
レボドパによるドーパミンの補充を続けていると、次第にレボドパの薬効が短くなっていき、お薬が切れたときの症状が強まってしまう現象

【delayd-on現象】
レボドパによるドーパミン補充を続けていると、、次第にお薬の効きが悪くなり、お薬の効果発現に時間がかかるようになってしまう現象

【on-off現象】
レボドパによるドーパミン補充を続けていると、服薬時間に関わらず急に症状が改善したり悪化したりが出現する現象

簡単に言えばレボドパが段々と効きずらくなっていき、お薬を服用していてもパーキンソン症状が出やすくなってしまう現象になります。

これらの現象が生じる原因の1つに「レボドパの血中濃度が激しく上下するため」というのがあります。飲み薬でレボドパを投与すると、服用した後はレボドパの血中濃度が上昇しますが、レボドパは数時間で分解されてしまいます。

レボドパの分解を遅くするお薬などもあるのですが、それでも血中濃度を1日を通して一定させる事は飲み薬である以上困難です。

しかし腸に直接、持続的に流していく方法であればこれが可能になります。血中濃度が1日を通して安定するため副作用も生じにくく、1日の中でパーキンソン症状が出たり引っ込んだりという事も少なくなるのです。

しかしデュオドーパは「胃ろう」を造設しないと使えません。胃ろうは安全に行える処置ではありますが、「胃に穴を開ける」と聞けば強い抵抗を感じる方がほとんどでしょう。

デュオドーパを使うためには、胃と皮膚をつなぐチューブが常に皮膚表面に留置されている状態にならないといけず、このため誰にでも簡単に行える治療ではありません。

高い効果と安全性は期待できますが、導入にあたってのハードルも高いのがデュオドーパです。そのためデュオドーパは飲み薬のレボドパ製剤では治療がうまくいかない症例に限っての使用が勧められています。

以上からデュオドーパの特徴として次のような点が挙げられます。

【デュオドーパ配合経腸用液の特徴】

・ドーパミンの前駆体であるレボドパを含み、レボドパは脳でドーパミンに変換される
・カルビドパが末梢のレボドパをドーパミンに変換させないため、レボドパを効率良く脳に送れる
・末梢のドーパミンを増やさないため、消化器系の副作用が生じにくい
・胃に穴を開け(胃ろう)、チューブを空腸先端に留置し、そこからお薬を持続的に流す使い方をする
・高い効果と安全性を有するが、胃ろうを造設しないといけず誰でも気軽に始められる治療ではない

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2.デュオドーパ配合経腸用液はどのような疾患に用いるのか

デュオドーパはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off 現象)の改善

デュオドーパはドーパミン製剤であるため、投与すると体内のドーパミン濃度が増えます。

パーキンソン病は、主に中脳黒質-線条体系という部位のドーパミン不足で生じると考えられているため、ドーパミンを増やすデュオドーパはパーキンソン病を改善させることができます。

しかしデュオドーパは胃ろうを造設し、そこからお薬を流すような治療になるため気軽に始める事はできません。

まずはデュオドーパのような成分を含んでいる飲み薬(レボドバ製剤)を使い、デュオドーパを使用するのはこれらの飲み薬では効果が不十分な症例に限られます。

実際、デュオドーパの使用上の注意には次のように記載されています。

【効能・効果に関連する使用上の注意】
本剤は経口レボドパ含有製剤に対する治療反応性及び忍容性が認められるパーキンソン病患者に対して使用すること

ではデュオドーパはパーキンソン病に対してどのくらいの効果があるのでしょうか。

デュオドーパは胃ろうを造設してまで行われる治療ですので、対象となる患者さんは多くはありません。

そのため調査結果は参考程度に見るべきですが、29例に行われた調査では、経口レボドパ製剤からデュオドーパに切り替えた事で、

  • 1日あたりの平均オフ時間は最終評価時でベースラインから4.64時間減少した

とwearing-off現象が改善した事が示されています。

3.デュオドーパ配合経腸用液にはどのような作用があるのか

デュオドーパはどのような機序によってパーキンソン病を改善させるのでしょうか。

デュオドーパは、主にパーキンソン病の治療薬として用いられています。

パーキンソン病は、主に中脳黒質-線条体系という部位の神経細胞が変性してしまうことによって、ドーパミンが少なくなってしまう疾患です。

ドーパミンが少なくなる事によって、

  • 振戦(手足のふるえ)
  • 筋固縮(筋肉が固まったように動かしにくくなる)
  • 無動(表情が乏しくなったり、動きが乏しくなる)
  • 姿勢反射障害(身体のバランスを保ちにくくなる)

などの症状が出現します。

デュオドーパはドーパミンの前駆体である「レボドパ」が主成分であり、これは脳に到達するとドーパミンに変換されます。この機序により中脳黒質-線条体系のドーパミンを増やしてあげる事でパーキンソン病症状を改善させてくれるのです。

また配合されているカルビドパは「末梢性脱炭酸酵素阻害薬」というもので、脳以外の末梢でレボドパがドーパミンに変換されることを防ぎます。

パーキンソン病では脳のドーパミンが少なくなっているため、脳のドーパミンを増やしたいのですが、レボドパを服用すればお薬は血液に乗って全身を回るため、全身のドーパミン量が増えてしまいます。

脳以外の末梢でドーパミンが増えると吐き気・食欲低下などの副作用を引き起こしてしまいます。

これを軽減するのが配合されている「カルビドパ」です。

カルビドパは末梢においてレボドパがドーパミンに変換されることを防ぎ、これによってレボドパは脳に届きやすくため、より少ないお薬の量でパーキンソン病を改善させることが期待できます。

具体的にはカルボドバを配合することで、レボドパ単体で使用した時と比べて、レボドパの脳内濃度は4~5倍にまで上昇することが報告されています。これはつまりカルビドパを併用すると、必要なレボドパ量が1/5で済むという事です。

ちなみにカルビドパは脳に到達しない物質であるため、カルビドパを投与することで脳に到達するドーパミンも減ってしまうという事はありません。

デュオドーパは、レボドパとカルビドパを約4:1の比率で配合しており、これにより効率的にパーキンソン病患者さんの脳内ドーパミンを増やし、副作用を軽減することを可能にしています。

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4.デュオドーパ配合経腸用液の副作用

デュオドーパにはどんな副作用があるのでしょうか。また副作用の頻度はどのくらいなのでしょうか。

デュオドーパの副作用をみた調査では、デュオドーパの副作用発生率は96.8%と報告されています。

デュオドーパの適応となる方は多くはありません。そのためこの調査もわずか30例の患者さんを対象にした調査になるため、数値はあくまでも参考程度に見るべきでしょう。

デュオドーパは胃ろうを造設した上で行われる治療であるため、この副作用の中には胃ろうを造設した事も含まれます。

むしろ胃ろう造設に副作用がほとんどであり、デュオドーパというお薬自体の副作用は多くはありません。

主な副作用としては、

  • 切開部位痛
  • 過剰肉芽組織
  • 術後疼痛
  • 切開部位紅斑
  • ジスキネジア

などが報告されています。

胃ろう造設は、お腹の皮膚に穴を開けて胃と皮膚表面をチューブでつなぐ処置で、いわゆる小手術になります。当然上記のような切開部の痛みや皮膚の炎症が生じます。

またデュオドーパはドーパミン製剤ですので、投与すると体内にドーパミンが増えることになります。

パーキンソン病の方の脳はドーパミンが少ない状態ですのでドーパミンが増えるとちょうどいいのですが、その他の臓器においてはドーパミンが増えすぎてしまう事で副作用が出現してしまう事があります。

代表的なものがジスキネジアをはじめとした不随意運動で、これは手足がクネクネ動いてしまったり、口をモグモグ動かしてしまったりといった、自分の意志と関係なく身体が動いてしまう現象です。ドーパミン受容体の感受性バランスが崩れる事で生じると考えられており、ドーパミン受容体をブロックするはたらきを持つ統合失調症の治療薬(抗精神病薬)の副作用でもよく認められます。

デュオドーパもドーパミン濃度を変動させるお薬であるため、時に不随意運動が出現してしまう事があるのです。

飲み薬のレボドパ製剤では気分不良・嘔吐・食欲低下などの消化器症状の副作用も比較的多く認められます。これは主に胃のドーパミン受容体にレボドパが結合してしまう事で生じますが、デュオドーパは空腸に直接お薬が流れるため、これらの副作用の頻度は多くはありません。

頻度は稀ですが重篤な副作用としては、

  • 悪性症候群
  • 錯乱・幻覚・抑うつ
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化
  • 溶血性貧血、血小板減少
  • 突発性睡眠
  • 閉塞隅角緑内障

なども報告されています。

悪性症候群は高熱や筋固縮、筋破壊などが生じる疾患で、命に関わる事もある重篤な状態です。ドーパミン量が急激に変動すると生じやすくなる事が知られており、ドーパミン量を増やすデュオドーパ以外にも、ドーパミンのはたらきをブロックする抗精神病薬でも生じる事があります。

また精神症状も時に認められ、幻覚・興奮・不眠などが生じる事があります。重篤な場合は異常行動による事故や錯乱、自殺企図などに至る可能性も稀ながらありえます。

ドーパミンは興奮・快楽に関係する物質であり、その量が増えすぎると興奮したり幻覚が生じたりすることがあります。例えば覚せい剤を使用した人には幻覚が生じますがこれは脳内ドーパミン量が増えたためだと考えられています。また、幻覚が生じる統合失調症の原因もドーパミンの過剰ではないかとも指摘されています(ドーパミン仮説)。

これらの例から分かるように、ドーパミンは増えすぎると幻覚・興奮などの精神症状を引き起こす可能性があるのです。

また貧血や血小板減少といった血球系の異常もしばしば認められるため、定期的に血液検査をしたり、身体所見を診察してもらう必要があります。

5.デュオドーパ配合経腸用液の用法・用量と剤形

デュオドーパは次の剤型が発売されています。

デュオドーパ配合経腸用液 1カセット100ml

デュオドーパが100ml入った専用容器(カセット)があり、これを胃ろうにつないで投与します。

1カセット中(100ml)には、

  • レボドパ 2,000mg
  • カルビドパ 500mg

が含まれています。

ちなみにデュオドーパという名称から「ドーパミンが倍量(Duo)入っている」というイメージを持たれている方もいらっしゃいますが、Duoは「Duodenum(十二指腸)」から来ており、倍量という意味ではありません。

これは開発初期のデュオドーパはチューブ先端を十二指腸に留置する事から始まったためだと言われています(その後、留置先は空腸に変更されました)。

デュオドーパの使い方は少し複雑で、次のようになっています。

本剤投与前の経口レボドパ量に応じて初回投与量を決定し、朝の投与及び持続投与に分けて胃瘻を通じて空腸に直接投与する。その後は患者の症状により、以下の用量範囲で投与量を調整する。なお、必要に応じて持続投与中に追加投与を行うことができる。

通常、成人には、朝の投与として5~10mL(レボドパ/カルビドパ水和物として100/25~200/50mgを10~30分かけて投与した後、2~6mL/時間(レボドパ/カルビドパ水和物として40/10~120/30mg/時間)で持続投与する。なお、1日の最大投与時間は16時間とする。1回あたりの追加投与は0.5~2.0mL(レボドパ/カルビドパ水和物として 10/2.5~40/10mg)とする。

本剤の投与量は症状により適宜増減するが、朝の投与は15mL(レボドパ/カルビドパ水和物として300/75mg)、持続投与は10mL/時間(レボドパ/カルビドパ水和物として200/50mg/時間)を超えないこととする。また、1日総投与量は100mL(レボドパ/カルビドパ水和物として2000/500mg)を超えないこととする。

患者さんの今までの飲み薬の効き具合や症状の程度によって投与量は異なってきますので、ここは主治医とよく相談して下さい。

ちなみにデュオドーパは、使用する前に「胃ろう」を造設しないといけません。これはお腹に穴を開ける処置であるため、気軽に行えるものではありません。

もし胃ろうまで作ったのに、「デュオドーパが合わなかった」という事になればこれは悲惨です。そうならないために、デュオドーパは最初にお試しで投与する事が推奨されています。

お試しでは経鼻経管チューブというものを用います。これは鼻から栄養チューブを入れ、空腸まで到達させるというものです。鼻にチューブが入るため違和感も強いのですが、まずはお試しでデュオドーパを使うためには良い方法です。

デュオドーパは持続的にお薬を流すため、wearing-off現象などの「1日の中でパーキンソン症状が出たり治ったりする」という現象は比較的生じにくいのですが、もし生じてしまった時は、デュオドーパをその時に追加投与する事も認められています。

6.デュオドーパ配合経腸用液が向いている人は?

デュオドーパはどのような時に検討されるお薬なのでしょうか。

デュオドーパの特徴をおさらいしてみましょう。

【デュオドーパの特徴】

・ドーパミンの前駆体であるレボドパを含み、レボドパは脳でドーパミンに変換される
・カルビドパが末梢のレボドパをドーパミンに変換させないため、レボドパを効率良く脳に送れる
・末梢のドーパミンを増やさないため、消化器系の副作用が生じにくい
・胃に穴を開け(胃ろう)、チューブを空腸先端に留置し、そこからお薬を持続的に流す使い方をする
・高い効果と安全性を有するが、胃ろうを造設しないといけず誰でも気軽に始められる治療ではない

現在、デュオドーパのような「レボドパ配合剤」はパーキンソン病治療薬の第一選択となっています。他にも「ドーパミンアゴニスト」と呼ばれるお薬も同様に第一選択とされており、どちらから使うかは患者さんの症状や経過、年齢によって異なります。

レボドパ製剤はしっかりした効果が期待できる反面、長期使用によって上記で説明したような問題が生じる可能性があります。一方ドーパミンアゴニストはレボドパほどしっかりした効果はないのですが、長期使用による問題はレボドパよりは少なくなっています。

基本的には、

・70~75歳以下の非高齢者で
・精神症状や認知機能障害がない

といった場合は、ドーパミンアゴニストから開始する事が推奨されています。

レボドパ製剤はパーキンソン病の治療薬として非常に重要な位置づけのお薬です。しかしその中でデュオドーパは「胃ろう造設をする」という侵襲度の高い前処置が必要であるため、最初から検討されるものではありません。

レボドパ製剤が有効であると判断されるパーキンソン病患者さんであって、飲み薬のレボドパ製剤では効果不十分であり、かつ胃ろう造設を行うデメリットよりもパーキンソン症状を改善させるメリットが上回ると判断される症例に限って、使用が検討されます。

またデュオドーパの使用を検討する際は、いきなり胃ろうを作るのではなく、まずは経鼻経管チューブを使ってデュオドーパが自分に合うお薬を確認してから胃ろうを造設するようにしましょう。

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