エバスチンの効果と副作用

エバスチンは1996年から発売されている「エバステル」というお薬のジェネリック医薬品になります。

抗アレルギー薬と呼ばれ、アレルギーによって生じる諸症状を抑え、主に花粉症(アレルギー性鼻炎)やじんま疹、皮膚のかゆみなどに用いられています。

エバスチンは主にヒスタミン受容体をブロックすることでアレルギー症状を抑えるため、「抗ヒスタミン薬」と呼ばれることもあります。

抗アレルギー薬の中でエバスチンはどのような特徴のあるお薬で、どんな作用を持っているお薬なのでしょうか。

エバスチンの効果や特徴・副作用についてみていきましょう。

 

1.エバスチンの特徴

まずはエバスチンの全体的な特徴についてみてみましょう。

エバスチンはヒスタミンのはたらきをブロックすることでアレルギー症状を抑えます。

ヒスタミンはアレルギーを誘発する原因となる物質(ケミカルメディエーター)です。そのため、このヒスタミンのはたらきをブロックできればアレルギー症状を改善させることができます。それを狙っているのがエバスチンをはじめとした「抗ヒスタミン薬」になります。

抗ヒスタミン薬には古い第1世代抗ヒスタミン薬と、比較的新しい第2世代抗ヒスタミン薬があります。第1世代は効果は良いのですが眠気などの副作用が多く、第2世代は効果もしっかりしていて眠気などの副作用も少なくなっています。

この違いは第1世代は脂溶性(脂に溶ける性質)が高いため脳に移行しやすく、第2世代は脂溶性が低いため脳に移行しにくいためだと考えられています。また第2世代の方がヒスタミンにのみ集中的に作用するため、余計な部位への作用が少なく、これも副作用を低下させる理由となっています。

そのため、現在では副作用が少ない第2世代から使用するのが一般的です。

エバスチンはというと第2世代の抗ヒスタミン薬になり、現在もアレルギー症状の改善に用いられているお薬の1つです。

エバスチンは主に「抗ヒスタミン作用」によってアレルギー症状を抑えますが、それ以外にもアレルギー物質を放出する好酸球のはたらきを抑えたり、炎症反応に関係するT細胞のはたらきを抑制したりと様々な作用があり、これもアレルギー症状の緩和に役立っています。

一方でヒスタミンは覚醒に関わっている物質であるため、ヒスタミンをブロックすると眠くなってしまうことがあります。抗ヒスタミン薬はどれも眠気の副作用が生じるリスクがあるのです。

エバスチンは第1世代抗ヒスタミン薬よりは眠気が生じる頻度は少ないのですが、それでも眠気が生じる可能性は十分にあります。服用中は運転や高所作業など眠気が出ると危険な行動は控えるようにしましょう。

またエバスチンはジェネリック医薬品であり、先発品のエバステルと比べて薬価が安いというメリットもあります。

以上から、エバスチンの特徴として次のようなことが挙げられます。

【エバスチンの特徴】

・花粉症や蕁麻疹などのアレルギー症状を抑える
・抗ヒスタミン作用、抗好酸球作用、T細胞抑制作用などがある
・第2世代抗ヒスタミン薬であり、第1世代よりは副作用が少ない
・眠気の副作用に注意
・ジェネリック医薬品であり、薬価が安い

 

2.エバスチンはどのような疾患に用いるのか

エバスチンはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚瘙痒症、アレルギー性鼻炎

基本的にアレルギー疾患に効くお薬という認識で良いでしょう。

代表的なものとしては、アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症など)やじんましんなどがあります。

エバスチンはジェネリックであるため有効性についての詳しい調査は行われていませんが、先発品の「エバステル」においては、

  • 通年性アレルギー性鼻炎で中等度以上に改善した率は54.0%
  • スギ花粉症で中等度以上に改善した率は50.0%
  • 慢性じんま疹で中等度以上に改善した率は75.0%
  • 湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症で中等度以上に改善した率は71.0%

という結果が出ており、エバスチンも同程度の有効率があると考えられます。

臨床的な印象としてもエバスチンはの第2世代抗ヒスタミン薬と比べて、その効果に大きな遜色はありません。しっかりとした効果のあるお薬になります。

 

3.エバスチンにはどのような作用があるのか

エバスチンはどのような作用機序によって、アレルギー症状を抑えてくれるのでしょうか。

エバスチンの作用について詳しく紹介させて頂きます。

 

Ⅰ.抗ヒスタミン作用

エバスチンは抗ヒスタミン薬というお薬に属し、その主な作用は「抗ヒスタミン作用」になります。これはヒスタミンという物質のはたらきをブロックするという作用です。

アレルギー症状を引き起こす物質の1つに「ヒスタミン」があります。

アレルゲン(アレルギーを起こすような物質)に暴露されると、アレルギー反応性細胞(肥満細胞など)からアレルギー誘発物質(ヒスタミンなど)が分泌されます。これが受容体などに結合することで様々なアレルギー症状が発症します。

ちなみに肥満細胞からはヒスタミン以外にもアレルギー誘発物質が分泌されますが、これらはまとめてケミカルメディエータ―と呼ばれています。

エバスチンのような抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応性細胞からヒスタミンが分泌されるのを抑える作用があります。またヒスタミンが結合するヒスタミン受容体をブロックすることでアレルギー症状の出現を抑える作用もあります。

これらの作用によりアレルギー症状を和らげてくれるのです。

なお正確にはエバスチンの主成分であるエバスチンは生体内で活性体である「カレバスチン」という物質になります。このカレバスチンに強力な抗ヒスタミン作用があり、ヒスタミン受容体のブロックおよび、ヒスタミンの分泌抑制作用があります。

 

Ⅱ.抗好酸球作用

アレルギー反応の1つに、アレルゲン(アレルギーの原因になる物質)によって好酸球の脱顆粒(好酸球が顆粒を分泌する)という現象があります。

好酸球から分泌される顆粒には様々な成分が含まれています。中にはヒスタミンやロイコトリエンなどのアレルギーの原因となる物質のはたらきを中和する作用もあります。

しかし一方で、炎症の原因となる物質も放出してしまい、これによってアレルギー反応がより悪化してしまう事もあります。

アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となる物質)の刺激が生じると好酸球がその部位に浸潤してきます。すると、上記のような機序によってアレルギー反応を引き起こしてしまうことがあるのです。

エバスチンはアレルゲンの刺激によって好酸球が浸潤してくるのを防ぐはたらきがあり、これもアレルギー症状の緩和に役立ちます。

 

Ⅲ.インターロイキン-5産生抑制作用

インターロイキン-5(IL-5)というのは白血球から分泌されるサイトカインの一種になります。

サイトカインというのは、身体に様々な信号(情報)を送る物質です。白血球からインターロイキンというサイトカインが分泌されると、それを受け取った細胞が様々なはたらきをします。

インターロイキンにもいくつかの種類があるのですが、インターロイキン-5(IL-5)は好酸球を刺激する作用があることが知られています。

という事は前項で説明したように好酸球を脱顆粒させてしまい、アレルギー反応を起こしやすくしてしまうという事です。

エバスチンはこのインターロイキン-5の産生を抑えるはたらきがあります。

その結果、好酸球の刺激が生じにくくなり、アレルギー反応も生じにくくなるというわけです。

 

Ⅳ.抗炎症作用

エバスチンの主成分であるエバスチン、そしてその活性体であるカレバスチンはマクロファージという免疫細胞にも作用します。

マクロファージは白血球の一種で、その働きをかんたんに言うと、ばい菌のような生体にとって有害な異物を食べてしまうというはたらきがあります。

エバスチンはマクロファージから分泌される炎症性サイトカイン(IL-6、TNFαなど)の産生を抑えることで、炎症反応を和らげるはたらきがあります。

 

4.エバスチンの副作用

エバスチンにはどんな副作用があるのでしょうか。

エバスチンはジェネリック医薬品であるため副作用発生率の詳しい調査は行われていません。しかし先発品の「エバステル」においては副作用発生率は3.1%前後と報告されており、エバスチンも同程度だと思われます。

第1世代抗ヒスタミン薬と比べると第2世代であるエバスチンは副作用が少なく、服薬しやすいお薬となります。

副作用として多いのは、

  • 眠気

です。抗ヒスタミン薬はどれも眠気の副作用が生じるリスクがあります。エバスチンも例外ではありません。

その他の副作用としては、

  • 口渇(口の渇き)
  • 倦怠感
  • 胃部不快感

などが報告されています。これらは抗ヒスタミン薬がわずかに持つ抗コリン作用というアセチルコリンのはたらきを抑えてしまう作用が関係しています。ヒスタミンの受容体とアセチルコリンの受容体は構造が類似しているため、抗ヒスタミン薬は時にアセチルコリン受容体にも作用してしまうのです。

抗コリン作用は唾液の分泌を減少させたり、胃腸の動きを低下させてしまいます。エバスチンのような第2世代は第1世代と比べると抗コリン作用は少なくはなっているのですがゼロではないため、時にこのような副作用が生じることがあります。

また、

  • 肝機能障害(AST、ALT、ɤGTP、ビリルビン上昇)

といった検査の異常が生じることがあります。エバスチンを長期服薬・高用量服薬している場合などでは定期的に血液検査を行うことが望ましいでしょう。

頻度は稀ですが、重大な副作用として、

  • ショック、アナフィラキシー
  • 黄疸

が報告されています。

 

5.エバスチンの用法・用量と剤形

エバスチンは、

エバスチン錠 5mg
エバスチン錠 10mg

エバスチンOD錠 5mg
エバスチンOD錠 10mg

といった剤形があります。

OD錠というのは「口腔内崩壊錠」の事で、これは唾液で溶けるタイプのお薬になります。水が無くても服用できるため、外出先で服用する機会の多い方や、飲み込む力が低下している高齢者などに使いやすい剤型です。

エバスチンの使い方としては、

通常、成人には、1回5~10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

となっています。

 

6.エバスチンが向いている人は?

以上から考えて、エバスチンが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

エバスチンの特徴をおさらいすると、

・花粉症や蕁麻疹などのアレルギー症状を抑える
・抗ヒスタミン作用、抗好酸球作用、T細胞抑制作用などがある
・第2世代抗ヒスタミン薬であり、第1世代よりは副作用が少ない
・眠気の副作用に注意
・ジェネリック医薬品であり、薬価が安い

といったものがありました。

エバスチンは、第2世代抗ヒスタミン薬になり、アレルギー性鼻炎やじんましんなどに対してよく用いられているお薬の1つです。

第2世代であり効果がしっかりと得られつつも眠気などの副作用が少なめであるため、まず検討されるお薬となります。

またエバスチンはジェネリックであり薬価も安いため、お薬代を安く済ませたい方にとっても良い適応となるでしょう。

 

7.先発品と後発品は本当に効果は同じなのか?

エバスチンは「エバステル」というお薬のジェネリック医薬品になります。

ジェネリックは薬価も安く、剤型も工夫されているものが多く患者さんにとってメリットが多いように見えます。

しかし「安いという事は品質に問題があるのではないか」「やはり正規品の方が安心なのではないか」とジェネリックへの切り替えを心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

同じ商品で価格が高いものと安いものがあると、つい私たちは「安い方には何か問題があるのではないか」と考えてしまうものです。

ジェネリックは、先発品と比べて本当に遜色はないのでしょうか。

結論から言ってしまうと、先発品とジェネリックはほぼ同じ効果・効能だと考えて問題ありません。

ジェネリックを発売するに当たっては「これは先発品と同じような効果があるお薬です」という根拠を証明した試験を行わないといけません(生物学的同等性試験)。

発売したいジェネリック医薬品の詳細説明や試験結果を厚生労働省に提出し、許可をもらわないと発売はできないのです、

ここから考えると、先発品とジェネリックはおおよそ同じような作用を持つと考えられます。明らかに効果に差があれば、厚生労働省が許可を出すはずがないからです。

しかし先発品とジェネリックは多少の違いもあります。ジェネリックを販売する製薬会社は、先発品にはないメリットを付加して患者さんに自分の会社の薬を選んでもらえるように工夫をしています。例えば飲み心地を工夫して添加物を先発品と変えることもあります。

これによって患者さんによっては多少の効果の違いを感じてしまうことはあります。この多少の違いが人によっては大きく感じられることもあるため、ジェネリックに変えてから調子が悪いという方は先発品に戻すのも1つの方法になります。

では先発品とジェネリックは同じ効果・効能なのに、なぜジェネリックの方が安くなるのでしょうか。これを「先発品より品質が悪いから」と誤解している方がいますが、これは誤りです。

先発品は、そのお薬を始めて発売するわけですから実は発売までに莫大な費用が掛かっています。有効成分を探す開発費用、そしてそこから動物実験やヒトにおける臨床試験などで効果を確認するための研究費用など、お薬を1つ作るのには実は莫大な費用がかかるのです(製薬会社さんに聞いたところ、数百億という規模のお金がかかるそうです)。

しかしジェネリックは、発売に当たって先ほども説明した「生物学的同等性試験」はしますが、有効成分を改めて探す必要もありませんし、先発品がすでにしている研究においては重複して何度も同じ試験をやる必要はありません。

先発品と後発品は研究・開発費に雲泥の差があるのです。そしてそれが薬価の差になっているのです。

つまりジェネリック医薬品の薬価は莫大な研究開発費がかかっていない分が差し引かれており先発品よりも安くなっているということで、決して品質の差が薬価の差になっているわけではありません。

 

8.お薬以外の花粉症の治療法

花粉症をはじめとしたアレルギー疾患は、お薬で症状を抑える事が出来ます。

しかしお薬だけが有効な治療法はではありません。日常の生活習慣の工夫で症状を和らげる事も可能ですし、食べ物に含まれる成分にもアレルギーを抑える効果が報告されているものもあります。

最後にお薬以外で花粉症を抑える、有効な予防法について紹介します。

 

Ⅰ.花粉を目・鼻に入れない

やはり一番大切なのは、毎日の生活の中での工夫です。

花粉症の症状は、花粉が目や鼻の中に入る事で生じます。という事は花粉がこれらの部位に接触しなければ症状は生じないわけです。

当たり前の事ですが、これは非常に重要な事です。

花粉が飛散する時期になったら、外出時はメガネやマスクなどを装着するようにしましょう。これだけでも症状は大分軽減します。なるべく皮膚と密着するようなメガネ・マスクが良いでしょう。

また服装も重要です。花粉がくっつきやすい服を着ていれば、外出時に服にたくさん花粉がついてしまい、それが家の中で舞ってしまいます。

具体的には、ウールなどのモコモコした生地の服は花粉が付きやすく、ポリエステルなどのツルツルした服は花粉が付きにくいと言われています。花粉が飛散する時期は、このように服装にも気を付けるようにしてみましょう。

 

Ⅱ.乳酸菌

乳酸菌はヨーグルトなどに含まれている細菌で、いわゆる「善玉菌」として知られています。

腸内細菌のバランスを適正に整える事で、便秘や下痢、腹部膨満といった胃腸症状を改善させる作用があり、整腸剤の成分としても用いられています。

近年、乳酸菌はただ腸内細菌のバランスを整えるだけではなく、腸内細菌のバランスを整える事によって免疫力も整えてくれる事が分かってきました(免疫力:身体に有害な異物が入ってきた時に、異物を排除するシステム)。

アレルギー疾患は免疫反応の誤作動によって生じています。具体的には花粉症であれば、「花粉」という本来であれば身体に害のない物質に対して、「敵だ!排除しなければ」と免疫が誤作動してしまう事で鼻水・目のかゆみなどが生じるのです。

つまり免疫力を整えてくれる乳酸菌は、花粉症の改善にも効果が期待できるという事です。

また乳酸菌の中でも特にアレルギー反応を抑える事が確認されている菌としては、

  • L-92乳酸菌
  • フェリカス菌

などがあります。最近ではこのような抗アレルギー作用のある乳酸菌を含む乳製品(ヨーグルトやチーズなど)も発売されるようになってきましたので、花粉症の時期にはこれらを積極的に摂取するようにしましょう。

また、乳酸菌の栄養となる「オリゴ糖」の摂取も有効です。オリゴ糖が十分に腸内に届けば、それだけ乳酸菌が増殖しやすくなるためです。

 

4種類の生菌で腸内バランスを整える医薬品【ファスコン整腸錠プラス】

京都薬品より発売されている乳酸菌錠剤です。抗アレルギー作用のあるフェリカス菌をはじめ、多くの乳酸菌が含まれています。

 

Ⅱ.ポリフェノール

「ポリフェノール」は、抗酸化作用が注目される事が多く、「アンチエイジング効果がある物質」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

確かにポリフェノールには抗酸化作用がありますが、それ以外にも抗アレルギー作用もあります。

ポリフェノールはアレルギーを誘発する物質であるヒスタミンの放出を抑える作用が報告されており、抗ヒスタミン薬と似た機序でアレルギー症状を改善させてくれます。

ポリフェノールを多く含む食品としては、

  • 野菜
  • 果物
  • ワイン
  • お茶

などがあります。

ちなみにお茶には「カテキン」が含まれていますが、このカテキンもポリフェノールの1種です。

日常で野菜をあまり取れない方は、サプリメントも有効です。ただし一部のサプリメントや野菜ジュースなどにはポリフェノールがほとんど除去されてしまっているものもあるため、注意しましょう。

 

じゃばらジュース

抗アレルギー作用が確認されているポリフェノールの1種である「ナリルチン」を豊富に含むお茶です。

 

白井田七。茶

カテキンを豊富に含むお茶です。日本茶ですので、毎日の生活の中で無理なく摂取する事ができます。

 

Ⅳ.ω脂肪酸(EPA・DHA)

EPAやDHA「ω3脂肪酸」と呼ばれ、魚に多く含まれる物質で「血液をサラサラにする」という効果がよく知られています。

以前は「食べると頭が良くなる」と言われた事もありましたが、直接頭を良くする作用があるわけではありません。血液をサラサラにする事で脳の血流を増やす作用があるため、このように言われるようになりました。

その他にもコレステロールを低下させたり、精神状態を安定させる作用(抗うつ作用)なども報告されています。

近年では、アレルギーを抑える作用もある事が報告されるようになりました。アレルギーを引き起こす物質にはヒスタミン以外にも、ロイコトリエンやプロスタグランジンなどがあります。

DHAやEPAはロイコトリエンやプロスタグランジンのはたらきを抑える作用が報告されています。DHA、EPAは青魚に多く含まれていますので、花粉症の時期には積極的に摂取するようにしても良いでしょう。

またDHA・EPAはサプリメントとしても各製薬会社から発売されていますので、このようなものを利用するのも方法の1つです。

 

DHA・EPAサプリAOZA

DHA・EPAを高用量配合しているサプリメントです。

 

Ⅴ.アロマエッセンス

アロマ(精油)は日本ではまだあまり普及していませんが、海外では医薬品として病院から処方されるような国もあり、その効果は侮れません。

アロマオイルの中にはアレルギー症状に効果があるものもあります。例えばユーカリやティーツリーといったアロマオイルは免疫の調子を整え、鼻粘膜の炎症を和らげてくれる作用があると言われています。

またペパーミントは鼻腔の通りを改善させる作用があると言われています。

このような成分を配合したアロマオイルを使ってみるのも方法の1つです。

 

ナチュラルハーブスプレー

ユーカリ、ティーツリー、ペパーミントやカユプテ、ラベンダーを配合したアロマスプレーで花粉症への効果が期待できます。

 

Ⅵ.甜茶の効果は不確か?

「花粉症に効くお茶」として有名な甜茶(てんちゃ)ですが、本当に花粉症に効果があるのでしょうか。

甜茶は元々は「甘いお茶」の総称で、一口に甜茶といっても含まれる成分はお茶によって異なります。

甜茶に含まれるバラ科キイチゴ属の植物の葉に抗アレルギー効果があるという報告から、一時期甜茶が花粉症の時期に流行りましたが、明確な効果はないとする報告も多く、その抗アレルギー作用は不確かなところがあります。

厚生労働省や独立行政法人国立健康・栄養研究所などの公的機関も、甜茶の効果に対しては否定的であり、甜茶ブームも長くは続いていない事から、少なくともしっかりとした効果はないと考えられます。