エネーボ配合経腸用液の成分・カロリーと副作用

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エネーボ配合経腸用液は、2014年から発売されている栄養剤です。

いわゆる栄養ジュースのようなもので、食事が十分に摂取できずに栄養状態が不良になっているような方に栄養補助の目的で処方されます。

もちろんただのジュースではありません。出来るだけ多くの栄養を少ない量で効率よく摂取できるように工夫された栄養剤になります。

アボットジャパン株式会社が発売しており、同社は1986年に「エンシュアリキッド」という栄養剤を発売し、その後1995年に栄養をより濃縮した「エンシュア・H(ハイ)」を発売しています。

今回エンシュア・Hの発売から20年ほど経って、エネーボが発売されました。エネーボはエンシュアリキッド・エンシュアHの弱点を更に改良した栄養剤になります。

缶ジュースのような外観をしていますが、エネーボは「処方薬」であり医師によって処方されるものです。そして通常のお薬と同じように保険適応となるため、市販の栄養ジュースよりも安価で入手する事が出来ます。

ここではエネーボの特徴や配合成分・カロリー、そしてどのような方に向いている栄養剤なのかなど、エネーボについて詳しく説明させて頂きます。

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1.エネーボの特徴

まずはエネーボの特徴について、かんたんに紹介します。

エネーボは液体の栄養剤で、栄養不足の方に効率よく栄養を摂取してもらうために処方されます。

1缶(250ml)で300kcalの栄養を摂取でき、またエンシュアに含まれていない元素を含む事で、長期間エネーボの服用が続いても栄養不足にならないよう工夫されています。

エネーボは何らかの理由で食事が十分に取れなくなってしまった方が、効率的に栄養補給できるようにと作られた栄養ジュースになります。

少ない量で高いカロリーを摂取することができるように作られており、またミネラル・ビタミンなどの微量元素もしっかりと摂取することが出来ます。

エネーボは、

  • エンシュアリキッド(1986年発売)
  • エンシュア・H(1995年発売)

という栄養剤の改良版になります。

改良点はいくつかありますが、簡単に説明すると、

  • 脂質を減らし、たんぱく質の比率を増やした
  • 食物繊維を配合した
  • 超微量元素を配合した
  • その他、栄養剤が必要となる患者さんに足りなくなりやすい栄養素を配合した

などがあります。

エンシュアリキッドやエンシュア・Hもとても役立つ栄養剤なのですが、これらは身体に必要な栄養素をすべて含んでいるわけではありません。そのため、これらの栄養剤「だけ」の栄養摂取が長期間続くと、徐々に足りない栄養素が出てきてしまいます。

そのためエンシュアリキッドやエンシュア・Hは、食事が少しでも取れている方が、食事では足りない分を補うために使うという位置づけになります。

エンシュアリキッドやエンシュア・Hは身体に大きく必要な栄養素はだいたい含まれています。ほんのわずかだけど実は身体に必要な栄養素といったものが含まれていないだけですので、食事が少しでも取れていれば、そのわずかな栄養素は食事から摂取できるためです。

しかし寝たきりで胃ろうが造設されている方や食事が全くとれないという方で、栄養剤のみの栄養になっている方はエンシュアリキッドやエンシュア・Hを長期間使っていると、徐々に身体の中の超微量元素が足りなくなっていきます。

一方でエネーボはこれらの超微量元素もしっかりと配合しているため、長期間栄養剤だけの栄養になっても超微量元素不足にならないというのが特徴です。

またエネーボは栄養剤としてはじめて「食物繊維」を配合しているという特徴もあります。食物繊維は野菜に含まれることで有名ですが、排便の調子を整える作用がある他、配合する事で腸管内の浸透圧を適正にして下痢を生じさせにくくする作用があります。

エンシュアリキッド(浸透圧:330mOsm/L)やエンシュア・H(浸透圧:540mOsm/L)は体液よりも浸透圧が高いため、どうしても下痢の副作用が生じやすいという問題がありました。エネーボも体液よりも浸透圧は高いのですが(浸透圧:350mOsm/L)、食物繊維を配合する事によって下痢が生じるリスクを低下させています。

またたんぱく質の比率を高める事で、筋肉量の低下をなるべく防ぐという工夫もされています。

カロリーもまずまず摂取でき、1缶250mlで300kcalの摂取が可能です。ちなみにエンシュアリキッドは1缶で250kcal、エンシュアHは1缶で375kcalを摂取する事ができます。

デメリットとしては、味の少なさが挙げられます。

栄養剤は、毎日同じ味だと飽きてしまいます。そのためエンシュアは3種類の味があり、エンシュア・Hは6種類の味があり、飽きがこないように工夫されています。

しかしエネーボは現時点では「バニラ味」しかありません。そのためエンシュアと比べると飽きが来やすいという欠点があります。

ちなみに栄養ジュースは市販でも売られています。例えば、有名どころとして「メイバランス」や「カロリーメイト」などがあります。これらとエネーボはどのような違いがあるのでしょうか。

一番の違いは、エネーボは処方せんによって処方される「お薬」だという事です。

エネーボは医師の診察によって処方される「医薬品」という扱いになります。そのため医師が必要と判断しなければ処方はされませんが、医薬品ですので保険適応となり、薬価の1~3割の価格で処方してもらう事が出来ます。

一方で市販の栄養剤は「食品」という扱いになるため、誰でも自由に購入できますが、当然売値で買わないといけません。

栄養ジュースは決して安くはないため、この価格の差というのは意外と大きいものです。

エネーボのデメリットとしては「重さ」が挙げられます。1缶300gほどあるため、薬局から持って帰るのは結構大変です。これはみなさん処方されてから気付く、意外な盲点です。

例えば「エネーボを1日3缶飲みましょう。1か月分出しておきますね」と先生が処方してくれたとしましょう。1日3缶を30日分で90缶になりますね。1缶を300gとすると90缶で何と27kgです。

歩いて持って帰るのはとても無理ですよね。車で取りにいかないといけないでしょう。

エネーボは「医薬品」の扱いにはなりますが、各製薬会社が発売している市販の栄養ジュースと比べて含有している成分にそこまで大きな差があるわけではありません。お薬というよりは「栄養を効率良く摂取できる飲料」といったものですから、大きな副作用もありません。

以上からエネーボの特徴として次のようなことが挙げられます。

【エネーボの特徴】

・食事が十分に摂取できない方に処方される栄養ジュースである
・1缶(250ml)で300kcalの栄養を摂取できる
・エンシュアに改良が加えられ、たんぱく質の比率が増えている(その分脂質が減っている)
・食物繊維を配合しているため、下痢が生じにくい
・ミネラル、ビタミンなどの微量元素の他、超微量元素もしっかり含まれている
・医薬品の扱いになり保険適応となるため、市販の栄養ジュースよりも安く入手できる
・味がバニラ味しかないため、飽きが来やすい

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2.エネーボの適応疾患

エネーボはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。

エネーボは、何らかの理由で口からご飯を十分に食べれなくなってしまっている方に対して、栄養補助の目的で使用されます。

代表的なケースとしては、

  • 手術後
  • 加齢に伴う食欲低下

が挙げられます。

術後は体力も消耗しており、また腸管にあまり負担がかかるような食事は好ましくないため、エネーボのように少量で高い栄養が摂取できる栄養剤が用いられる事があります。

またお年寄りの方が老衰によって食欲が落ちてしまっている時などにもよく用いられています。

高齢者は、加齢とともに食欲が落ちていってしまう事があります。そして食事量が低下する事で体力が低下し、更に食欲が低下していくという悪循環に陥ってしまう事が珍しくありません。

このような時、ご飯などの固形物はなかなか食べれないものですが、ジュースのような液体であれば飲みやすいため、摂取してくれる事もあります。

エネーボはこのような時に役立ち、食欲低下によって老衰がどんどんと進行してしまうという悪循環から脱するのを助けてくれます。

3.エネーボの成分やカロリー

エネーボにはどのような成分が含まれているのでしょうか。またエネーボから得られるカロリーはどのくらいなのでしょうか。

ここではエネーボの成分・カロリーについて詳しく説明していきます。

Ⅰ.エネーボのカロリー

エネーボのカロリーは、1mlあたり1.2kcalです。1缶が250mlですので、1缶で300kcalが摂取できます。

おおよそですが、成人が1日に必要なカロリーというのは1,500~2,000kcal程度になります(活動度や身長・体重・性別によって異なりますので、あくまで目安です)。

単純計算ですが、もしエネーボだけでカロリーを補うとすれば、1日5~6缶ほど必要になります。

しかし実際はエネルギーの全てをエネーボで補う必要はありません。

食事量が不十分ながらも多少は食べれているという場合は、足りない分だけをエネーボで補えばいいのです。

実際に1日5~6缶も飲んでいる方というのはほとんどいません。栄養ジュースだけを毎日飲み続けるというのは、それはそれでつらいものです。

ほとんどの方はエネーボを補助的に使っています。1日1~2缶程度飲んでおり、残りの栄養は食事で補っています。

ただし胃ろうから栄養を投与している方は、経腸栄養のみになるため、エネーボを1日6缶などを経腸投与する事もあります。

Ⅱ.3大栄養素の比率

エネーボの3大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)の配合比率はどのくらいでしょうか。

エネーボ1缶(300kcal)中の栄養素は次のようになっています。

【栄養素】 【グラム数】 【カロリー】 【比率】
炭水化物 39.6g 約158kcal 約53%
たんぱく質 13.5g 約54kcal 約18%
脂質 9.6g 約86.4kcal 約29%

ちなみに理想的な三大栄養素のバランス(PFC比)は、

  • 炭水化物:50~70%
  • タンパク質:10~25%
  • 脂質:15~30%

と言われています。

エネーボは理想的なPFC比に近づけるように考えて作られているのが分かります。

またそれぞれの栄養素についても工夫されています。

たんぱく質に対しては、乳タンパク質と大豆タンパク質を90.5:9.5の割合で配合することにより、BCAA(分岐鎖アミノ酸)を強化しています。

BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸の事で、必須アミノ酸になります。必須アミノ酸とは、ヒトが体内で合成できないアミノ酸で、これはつまり食事から摂取するしかないアミノ酸だという事です。

BCAAは特に筋肉量を保つために重要なたんぱく質であるため、適度にBCAAを含むことで筋肉量の低下を防ぐことができます。

炭水化物に対しては、栄養素としての糖分だけでなく、難消化性デキストリン(いわゆる食物繊維)を配合しています。これによって腸管の水分バランスを整え、下痢の副作用を生じにくくさせています。

Ⅲ.ミネラル・ビタミン・微量元素・超微量元素

生きていくのに必要なのはカロリーだけではありません。

ミネラル・ビタミンなどの微量元素も必要です。エネーボはこれらもしっかりと配合されています。

ビタミンや元素としては、

【ビタミン】 【含有量】
ビタミンA 190μgRE
ビタミンD 2.8μg
ビタミンE 11mg
ビタミンK 29μg
ビタミンC 63mg
ビタミンB1 0.51mg
ビタミンB2 0.80mg
ビタミンB6 0.77mg
ビタミンB12 0.88μg
コリン 0.21g
葉酸 68μg
ナイアシン 4.5mg
パントテン酸 2.5mg
ビオチン 13μg
L-カルニチン 32mg
タウリン 45mg

が含まれています。

また電解質(ミネラル)としては、

【ミネラル】 【含有量】
ナトリウム 0.23g
カリウム 0.30g
塩素 0.25g
カルシウム 0.29g
リン 0.25g
マグネシウム 52mg
マンガン 1.4mg
0.48mg
亜鉛 4.5mg
4.4mg
クロム 31μg
モリブデン 34μg
セレン 20μg

が含まれています。

エネーボの特徴として、

  • セレン
  • モリブデン
  • クロム

を配合している点が挙げられます。これらは「超微量元素」と呼ばれており、身体にとって極々わずかしか必要のない元素なのですが、全く摂取しない期間が続くと様々な不調が生じてきます。

セレンは抗酸化作用を持つ酵素を作るのに必要な物質で、欠乏すると身体が抗酸化作用を発揮できずに細胞が障害されやすくなります。

モリブデンは身体にとって不要となった窒素化合物を尿酸に分解するために必要な元素です。またクロムはインスリンの作用を助けて炭水化物の代謝を適正化する元素です。

またエネーボのもう1つの特徴として、

  • L-カルニチン
  • タウリン

を配合している点が挙げられます。

これらは高齢者や手術後で身体が弱っている方に特に必要となる栄養素です。カルニチンは脂質を分解してエネルギーを得るために必要な物質です。カルニチンがあると脂質を分解して、そこからエネルギーを取り出しやすくなります。

タウリンは胆汁の主成分であり脂質の吸収に必要な物質です。その他抗酸化作用や肝臓・心臓の保護作用もある事が報告されています。

これらの栄養素をしっかりと配合する事で、身体をしっかりと守り、エネルギーを効率的に使えるようにしてくれているのです。

Ⅲ.エンシュアとの比較

エンシュアとエネーボの栄養を比較すると次のようになります。

【栄養素】 【エンシュアリキッド】 【エンシュアH】 【エネーボ】
総カロリー 250kcal(1ml中1kcal) 375kcal(1ml中1.5kcal) 300kcal(1ml中1.2kcal)
炭水化物 34.3g(約55%) 51.5g(約55%) 39.6g(約53%)
たんぱく質 8.8g(約14%) 13.2g(約14%) 13.5g(約18%)
脂質 8.8g(約31%) 13.2g(約31%) 9.6g(約29%)

前述の通り、理想的な三大栄養素のバランス(PFC比)は、

  • 炭水化物:50~70%
  • タンパク質:10~25%
  • 脂質:15~30%

です。エンシュアリキッドとエンシュアHはおおむね達しているもののやや脂質が多く、その分たんぱく質は少なめです。一方でエネーボは脂質を減らし、その分たんぱく質を増やしているのが分かります。

ビタミンや微量元素に関しては、おおむね同じくらいの量が配合されていますが、エネーボには、

  • セレン、モリブデン、クロムといった超微量元素が配合されている
  • カルニチン、タウリンといった栄養素を配合している

という特徴があります。

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4.エネーボの副作用

エネーボにはどのような副作用があるのでしょうか。また副作用の頻度はどのくらいなのでしょうか。

エネーボの副作用発生率は72.9%前後と報告されており、数値自体は低くありません。しかし基本的には栄養素が含まれた飲料になりますから、大きく困るような副作用はほとんど生じません。

生じうる副作用としては、

  • 下痢
  • 便秘
  • 腹部膨満
  • 腹痛
  • 低ナトリウム血症
  • 高カリウム血症
  • γGTP、ALP上昇

などが報告されています。胃腸系の副作用がほとんどになり、中でも下痢が多くを占めます。

エネーボは腸管がびっくりしないように浸透圧がなるべく体液に近くなるように作られています。しかし体液と全く同じではありません。体液の浸透圧はおおよそ280mOsm前後なのに対し、エネーボの浸透圧は約350mOsmになります。

浸透圧について難しい事はよく分からないという方は、「水分は浸透圧の低い方から高い方に移動していく」と理解してください。

腸管に浸透圧の高い液体が流れてくると腸管の浸透圧が上がり、体液は浸透圧の低い細胞内から浸透圧の高い腸管に移動します。すると腸管の水分が多くなり下痢が発症してしまうのです。

この浸透圧の差によって下痢が生じてしまうことがあるのです。

エネーボは下痢を生じさせないために食物繊維を配合されていますが、それでも絶対に下痢が生じないわけではありません。下痢が生じてしまった場合は、ゆっくり少しずつ飲むようにしたり、薄めて飲むようにすることが有用です。

また妊婦さんにおいては、エネーボは1日9缶以上の摂取は禁止されています。これは過剰なビタミンAが胎児の奇形発生につながるという報告があるためです。

エネーボは多くの栄養素を含んでおり、ビタミンAも含まれていますので、多量に摂取すると赤ちゃんに悪影響を来たしてしまうことがあるのです。

しかし現状、妊婦さんにエネーボを1日9缶も飲ませるような状況はほとんどありませんので、これによって困ることはほぼありません。

エネーボを使用してはいけない方については、次の方が挙げられます。

  • エネーボの成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • 牛乳タンパクアレルギーを有する方(牛乳由来のタンパク質が含まれているため)
  • イレウスのある方
  • 腸管の機能が残存していない方
  • 高度の肝・腎障害のある方
  • 重症糖尿病などの糖代謝異常のある方
  • 先天性アミノ酸代謝異常の方

5.エネーボの用法・用量と剤形

エネーボは、

エネーボ配合経腸用液 250ml(300kcal) 缶

の1剤型のみがあります。

味は、バニラ味の1種類しかありません。

エネーボの使い方は、

通常、標準量として成人には1日1,200〜2,000 kcalを経管又は経口投与する。経管投与では本剤を1時間に75〜125 kcalの速度で持続的又は1日数回に分けて投与する。

経口摂取可能な場合は1日1回又は数回に分けて経口投与することもできる。ただし、通常、初期量は400 kcal/日を目安とし、低速度50 kcal/時間以下で投与する。以後は患者の状態により徐々に増量し標準量とする。

なお、年齢、体重、症状により投与量、投与濃度、投与速度を適宜増減する。特に投与初期は、水で希釈して投与することも考慮する。

となっています。

なおエネーボの使用期限は製造後12カ月までです。使用期限は缶底に記載してありますので必ず確認するようにしましょう。

6.栄養剤の種類とエネーボの位置づけ

栄養剤にはエネーボ以外にも様々な種類があります。

そのおおまかな違いや位置づけについて紹介します。

Ⅰ.半消化態栄養剤

栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)をそのままの状態で含んでいる栄養剤で、液体栄養剤のうちでもっとも通常食に近い形になります。

栄養素をそのまま取るため、味や風味も栄養剤の中では良好なのですが、消化に負担がかかるため、胃腸の消化能力が低下している方には不向きです。

  • エンシュアリキッド
  • エンシュア・H
  • エネーボ
  • ラコール

などがあります。

また市販薬としても、

  • アイソカル
  • テルミール
  • ペムパル
  • CZ-Hi
  • メイバランス
  • メディエフ

など多くの種類が各会社から発売されています。

Ⅱ.消化態栄養剤

消化態栄養剤は、半消化態栄養剤よりも一段階消化しやすく作られています。

栄養素のうち、炭水化物と脂質はそのままの状態で含んでいますが、たんぱく質がある程度分解された「低分子ペプチド」「アミノ酸」で構成されています。

そのため胃腸の消化能力が低下している方でも負担少なく栄養を吸収する事が出来ます。

反面でたんぱく質は分解されてしまっている分、味や風味は悪くなります。

医薬品としては、

  • ツインライン

があります。

また市販で購入できる食品としては、

  • ハイネイーゲル
  • ペプタメン

などがあります。

Ⅲ.成分栄養剤

成分栄養剤は、消化態栄養剤よりも更に消化しやすく作られた栄養剤になります。

栄養素のうち、炭水化物と脂質はそのままの状態で含んでいますが、消化が大変な脂質は少量しか含んでいません。

またたんぱく質は最初から最小単位にまで分解されており、「アミノ酸」として存在しています。

そのため胃腸の消化能力が極めて低下している方でも負担少なく栄養を吸収する事が出来ます。

反面で味や風味は期待できません。口から摂取する際にはフレーバーで味付けをしないと飲むのは難しいでしょう。また浸透圧が高くなるため下痢の副作用も多くなります。

医薬品としては、

  • エレンタール

があります。

7.エネーボが向いている人は?

以上から考えて、エネーボが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

エネーボの特徴をおさらいすると、

【エネーボの特徴】

・食事が十分に摂取できない方に処方される栄養ジュースである
・1缶(250ml)で300kcalの栄養を摂取できる
・エンシュアに改良が加えられ、たんぱく質の比率が増えている(その分脂質が減っている)
・食物繊維を配合しているため、下痢が生じにくい
・ミネラル、ビタミンなどの微量元素の他、超微量元素もしっかり含まれている
・医薬品の扱いになり保険適応となるため、市販の栄養ジュースよりも安く入手できる
・味がバニラ味しかないため、飽きが来やすい

というものでした。

臨床でエネーボのような栄養剤が用いられるのは、

  • 手術後や体力消耗後などで食欲が十分にない時
  • 高齢者の老衰進行などで食欲が低下している時

などが多くなります。

特にお年寄りの方などで、ご飯が十分に食べれない方などにはよく用いられています。このようなケースでは、ご家族が市販の栄養ジュースを購入される事も多いのですが、お店で購入すると結構高額ですので、なるべく安価にしたいという方にもおすすめできます。

味は好みがあり、中には「まずくて飲めない」という方もいらっしゃいます。しかし反対に気に入ってくれる方もいらっしゃり、ここは本当に好みです。

しかしおおむね皆さん1日1~2缶くらいであれば大きな苦痛はなく飲んで頂けています。ただし味が1種類しかないため、他の栄養剤と比べて飽きやすい傾向はあるでしょう。

栄養剤の中でのエネーボの特徴は、

  • たんぱく質の比率が高くなっている
  • 食物繊維が含まれているため下痢が少なめ
  • 超微量元素も含まれているため、栄養剤のみの方でも長期間使いやすい
  • 味は一種類しかない

という点があります。

ここから、

  • 栄養剤のみの栄養摂取が長期間続く事が予想される方
  • 他の栄養剤では下痢になってしまう方
  • 筋力量をなるべく落としたくない方

などに適しているでしょう。

8.エネーボの薬価

エネーボの魅力の1つは、保険診療になるため安く入手できるという点ですが、実際エネーボはいくらくらいなのでしょうか。

2017年の薬価基準収載では次のように薬価が設定されています。

エネーボ配合経腸用液 10ml   7.7円

1缶は250mlですので、192.5円になります。この価格だと市販の栄養ジュースの値段と大差ありませんが、エネーボは保険適応ですので実際はもっと安くなります。

一般的な保険診療の3割負担だと、1缶57.75円です。
後期高齢者医療制度に該当する方(75歳以上、あるいは寝たきり等の場合は65歳以上)は1割負担になりますので、1缶19.25円になります。

なお薬価の改訂は定期的に行われているため、エネーボの薬価も今後変更される可能性がありますことをご了承下さい。最新の薬価は、厚生労働省のサイトや製薬会社のサイトにてご確認下さい。

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