インタール点眼液の効果と副作用【抗アレルギー点眼剤】

インタール点眼液(一般名:クロモグリク酸ナトリウム)は1984年から発売されている点眼液(目薬)です。

アレルギーを抑えるはたらきを持つ「抗アレルギー薬」であり、主に花粉症で生じるような目の充血やかゆみなどに用いられています。

抗アレルギー点眼薬にもいくつかのお薬がありますが、その中でインタールはどのような特徴のあるお薬で、どのような作用を持っているお薬なのでしょうか。

インタール点眼液の特徴や効果・副作用について詳しく説明していきます。

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1.インタール点眼液の特徴

まずはインタール点眼液の全体的な特徴について紹介します。

インタール点眼液はケミカルメディエーターの分泌を抑えることでアレルギー症状を改善させます。

アレルギー症状はアレルギー反応性細胞(肥満細胞や好酸球など)が、アレルギー反応を誘発する物質を過剰に分泌することで発症します。

このアレルギー反応を誘発する物質は「ケミカルメディエーター」と呼ばれており、ヒスタミン、ロイコトリエン、PAF(血小板活性化因子)、プロスタグランジンなど様々な物質が該当します。

インタール点眼液は、これらのケミカルメディエーターがアレルギー反応性細胞から分泌されるのを抑制するはたらきがあります。これによってアレルギー症状を抑えてくれるのです。

またインタール点眼液は「インタール点眼液UD」という1回使い捨てタイプもあります。これは防腐剤を含まないため、ソフトコンタクトレンズ装着下でも点眼しやすく、ソフトコンタクトレンズを使用している方にとって重宝します(反対に防腐剤を含む点眼液は、ソフトコンタクトレンズを変形させてしまうリスクがあります)。

点眼液(目薬)は「目」という局所のみに効かせる事が出来るため、その部位にのみ効きます。お薬の成分がほとんど全身に回らないため、全身性の副作用が少ないのも利点です。

以上から、インタール点眼液の特徴として次のようなことが挙げられます。

【インタール点眼液の特徴】

・眼に生じたアレルギー反応(充血やかゆみなど)を抑える作用を持つ
・ヒスタミンをはじめとしたケミカルメディエーターの分泌を抑える
・局所(目)にしかほとんど作用しないため、副作用が少ない
・ソフトコンタクトレンズ装着下でも点眼しやすい(インタール点眼液UDのみ)

2.インタール点眼液はどのような疾患に用いるのか

インタールはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

春季カタル、アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎とは、眼の結膜(いわゆる「白目」の部分)にアレルギー反応が生じてしまう状態です。アレルギー反応は炎症反応を引き起こすため、結膜にアレルギーが生じると結膜炎になります。

代表的なケースとしては、花粉症で生じるアレルギー性結膜炎が挙げられます。

花粉症では「花粉」というアレルギー物質(アレルゲン)が結膜に付着する事で、結膜にアレルギー反応が引き起こされます。

春季カタルというのはアレルギー性結膜炎の一種で、特に青少年に生じる重症例のアレルギー性結膜炎をこのように呼びます。

これらの症状を抑えてくれるのがインタール点眼液になります。

インタールはこれらの疾患に対して、どのくらい有効なのでしょうか。

インタール点眼液を上記各疾患の患者さんに点眼した試験で、その効果が「有効」以上と判定された例は69.5%と報告されています。

内訳としては、

  • 春季カタルに対する有効率は63.3%
  • アレルギー性結膜炎に対する有効率は73.1%

となっています。

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3.インタール点眼液にはどのような作用があるのか

インタール点眼液はどのような作用機序によって、アレルギー症状を抑えてくれるのでしょうか。

インタールの作用について詳しく紹介させて頂きます。

Ⅰ.ケミカルメディエーターの抑制

アレルギー症状は、アレルゲン(アレルギーを起こすような物質)が体内に入ってくると生じます。

アレルゲンによって、アレルギー反応性細胞(肥満細胞や好酸球など)からアレルギー誘発物質(ケミカルメディエーター)が分泌されます。これが受容体などに結合することで様々なアレルギー症状が発症するのです。

代表的なケミカルメディエーターには、

  • ヒスタミン
  • ロイコトリエン
  • PAF(血小板活性化因子)
  • プロスタグランジン

などがあります。抗アレルギー薬の中にはこれらのケミカルメディエーターの一部をブロックする作用があるものもあります。例えば、抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬などはそれぞれヒスタミン、ロイコトリエンのはたらきをブロックします。

インタールは特定のケミカルメディエーターをブロックするわけではなく、アレルギー反応性細胞からケミカルメディエーターが分泌されるのを抑える作用があります。

これによって種々のケミカルメディエーターの分泌を抑え、アレルギー症状の発症を防ぐことが出来るのです。

Ⅱ.抗好酸球作用

アレルギー反応の1つに、アレルゲン(アレルギーの原因になる物質)によって好酸球の脱顆粒(好酸球が顆粒を分泌する)という現象があります。

好酸球から分泌される顆粒には様々な成分が含まれており、上記のようなゲミカルメディエーターもその1つです。また、炎症の原因となる物質も放出してしまい、これによってアレルギー反応がより悪化してしまう事もあります。

アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となる物質)の刺激によって好酸球が結膜に浸潤し、アレルギー反応を引き起こしてしまうことがありますが、インタールは好酸球が結膜周辺に浸潤してくるのを抑えるはたらきがあります。

4.インタール点眼液の副作用

インタールにはどんな副作用があるのでしょうか。また副作用の頻度はどのくらいなのでしょうか。

インタールの副作用発生率は3.57%と報告されています。眼という局所にしかほぼ作用しないお薬ですので、副作用は多くはありません。

生じうる副作用としては、

  • 眼刺激症状
  • 結膜充血
  • 眼瞼炎

などが報告されています。いずれも局所の症状で、程度も軽いものがほとんどです。多くは様子を見るか点眼を中止すれば自然と改善していきます。

ただしあまりに症状が強いものや自然と改善しないような場合は、処方してもらった主治医に相談し、指示を仰ぐようにしましょう。

頻度は稀ですが重篤な副作用としては、

  • アナフィラキシー

が報告されています。

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5.インタール点眼液の用法・用量と剤形

インタール点眼液は、

インタール点眼液2% 5ml

インタール点眼液UD2% 0.35ml

の2剤形があります。

UDというのは、「Unit Dose」の略で1回毎に使い捨てできる小分けされたディスポーザブルタイプの目薬です。

1回分ずつ小分けされているため衛生面に優れます。また防腐剤が含まれないため、コンタクトレンス装着下でも点眼しやすい剤型となっています。

インタールの使い方としては、

1回1~2滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼

となっています。

実際は厳密に1日4回を点眼する必要はなく、ある程度柔軟に考えて頂いて問題ありません。

ちなみにインタールは点眼液以外にも、

  • インタール細粒
  • インタール吸入液
  • インタールエアロゾル
  • インタール点鼻液

など様々な剤型があります。どれも作用は同じでケミカルメディエーターの分泌を抑制します。

細粒は服用する事で消化管のアレルギー反応を抑えるため、主に食物アレルギーで用いられます。

吸入液は気管のアレルギー反応を抑える事で気管支喘息の治療に用いられます。

点鼻薬は鼻腔のアレルギー反応を抑える事でアレルギー性鼻炎に用いられます。

6.インタール点眼液はコンタクトレンズの上から点眼できるのか

点眼液を処方すると、患者さんから良く聞かれる質問があります。

それは「コンタクトを付けたまま点眼して大丈夫ですか?」というものです。

この回答は、

  • 「ハードコンタクトレンズは大丈夫」
  • 「ソフトコンタクトレンズはUDであれば大丈夫」

というのが答えになります。

ほとんどの点眼液には防腐剤が入っています。もっとも使われている防腐剤に「ベンザルコニウム塩化物」がありますが、ベンザルコニウム塩化物はコンタクトレンズに吸着されてしまうことが知られており、これによってソフトコンタクトレンズを変形させてしまう事があります。

そのため、ベンザルコニウム塩化物を含有している点眼薬は基本的にはソフトコンタクトレンズと併用不可であり、どうしても使用したい場合は点眼してから少し(10分前後)時間を空けてからコンタクトレンズを装着する事が勧められています。

インタール点眼液にもベンザルコニウム塩化物が含まれています。そのため、ソフトコンタクトレンズを変形させる可能性があります。

ただし一回使い捨てタイプの「インタール点眼液UD」には防腐剤は含まれていません。

そのためインタール点眼液UDであればソフトコンタクトレンズを装着したまま点眼する事が可能になります。

7.インタール点眼液が向いている人は?

以上から考えて、インタールが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

インタールの特徴をおさらいすると、

・眼に生じたアレルギー反応(充血やかゆみなど)を抑える作用を持つ
・ヒスタミンをはじめとしたケミカルメディエーターの分泌を抑える
・局所(目)にしかほとんど作用しないため、副作用が少ない
・ソフトコンタクトレンズ装着下でも点眼しやすい(インタール点眼液UDのみ)

といったものがありました。

アレルギー疾患に対する点眼薬の多くは「抗ヒスタミン薬」というヒスタミンのはたらきを抑えるお薬になります。

対してインタールは、ヒスタミンのみならずケミカルメディエーター全体を抑えるはたらきをします。

抗ヒスタミン薬と一部異なる効き方となるため、抗ヒスタミン薬の効果が今一つという方にも効果が期待できるお薬になります。

更に使い切りタイプのインタール点眼液UDはベンザルコニウム塩化物を含有していないためソフトコンタクトレンズを装着していても点眼しやすく、これもインタールのメリットの1つです。

日常でソフトコンタクトレンズを装着していて、花粉症の時期などでもはずすのがなかなか難しいという方には向いているお薬なのではないかと考えられます。

点眼液は眼のみに作用し、体内にほとんど吸収されないため、眼だけにアレルギー症状が生じている際には良い適応となります。

反対にアレルギー症状が目だけではなく、鼻水も出たりと症状が多岐に渡る場合は、飲み薬を服用するなどして、全身にお薬が効くようにした方が良いでしょう。

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