インテバン坐薬の効果と副作用【痛み止め・鎮痛剤】

インテバン坐薬(一般名:インドメタシン)は1968年から発売されているお薬で「坐薬」になります。非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)と呼ばれ、炎症を抑える事で熱を下げたり痛みを抑えたりする作用を持ちます。

NSAIDsにはたくさんの種類があります。どれも大きな違いはありませんが、細かい特徴や作用には違いがあり、医師は痛みの程度や性状に応じて、その患者さんに一番合いそうな痛み止めを処方しています。

NSAIDsの中でインテバン坐薬はどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに向いているお薬なのでしょうか。ここでは、インテバン坐薬の効能や特徴、副作用などを紹介していきます。

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1.インテバン坐薬の特徴

まずはインテバン坐薬の特徴を紹介します。

インテバン坐薬は熱を下げたり(解熱)、痛みを抑えたり(鎮痛)する作用を持ちます。お尻から挿入する坐薬のため、口から摂取できない状態の方にも使用する事が出来ます。

インテバン坐薬はNSAIDsに属します。NSAIDsの中でも「アリール酢酸系」という種類に属します。

NSAIDsとは「非ステロイド性消炎鎮痛剤」の事で、ステロイド作用を持たない炎症を抑えるお薬の事です。炎症が抑えられると熱を下げたり、痛みを抑えたりといった効果が期待できるため、臨床では主に熱さまし(解熱剤)・痛み止め(鎮痛剤)として用いられています。

インテバン坐薬は「坐薬」である事が大きな特徴です。

坐薬とは肛門に入れるお薬の事です。肛門に入ったお薬は体温で溶けて直腸粘膜から吸収され、作用を発揮します。

お薬を肛門に入れるというと抵抗を感じる方が多いと思いますが、何らかの理由で口からお薬を飲めない方にとっては、坐薬というのは非常に重宝します。

例えば小さな子供が肺炎でぐったりしてしまい、口を開けてくれない。でも解熱剤を何とかして使って熱を下げて楽にしてあげたい。このような時、飲み薬を無理矢理口の中にねじ込むのは危険ですが、坐薬なら安全に投与する事が出来ますよね。

あるいは寝たきりで飲み込む力が低下している高齢の方が熱を出してしまって苦しそうな時、口からお薬を投与したら誤嚥(薬が気管に入ってしまう)が生じるかもしれません。しかし坐剤なら安全に投与する事が出来ます。

坐剤はこのような場合に用いられ、そのため小児や高齢者に投与される事が多い剤型になります(ただしインテバン坐薬は小児には原則禁忌のため、あまり用いられません)。

インテバン坐薬の熱を下げる力・痛みを抑える力はどのくらいかというと、これはNSAIDsの中でも「強め」になります。しかし効果が強い分、副作用も生じやすいため注意して使用しなくてはいけません。

副作用としては、長期使用による胃腸障害に注意しなければいけません。これはインテバン坐薬に限らずほとんどのNSAIDsに言えることですが、NSAIDsは胃腸を痛めてしまうリスクのあるお薬になります。作用が強めであるインテバンは特に注意する必要があるでしょう。

またNSAIDsは喘息を誘発しやすくすることが知られており、喘息の方にはできる限り用いるべきではありません。

服用してから血中濃度が最大になるまでにかかる時間は1~2時間程度であり、まずまずの即効性があります。半減期(お薬の血中濃度が半分に下がるまでの時間)は約2時間程度と短めであり、持続力は長くはありません。

以上からインテバン坐薬の特徴として次のような点が挙げられます。

【インテバン坐薬の特徴】

・解熱作用・鎮痛作用は強め
・坐薬であり、飲み込む力が低下している高齢者によく用いられる
・副作用の胃腸障害に注意(他のNSAIDsと同様)
・喘息には使えない(他のNSAIDsと同様)

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2.インテバン坐薬はどのような疾患に用いるのか

インテバン坐薬はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】
〇下記の疾患の消炎・鎮痛

関節リウマチ、変形性関節症

〇手術後の炎症及び腫脹の緩解

インテバン坐薬は解熱鎮痛剤であり、炎症を抑える事で熱を下げたり痛みを和らげる作用があります。

そのため用いる疾患は、発熱を来すようなもの、痛みを来すようなものになります。

難しい病名が書かれていますが、大きな認識としては「痛みや熱などが認められる疾患に対して、その症状の緩和に用いる」という認識で良いでしょう。

インテバン坐薬はこれらの疾患に対してどのくらいの効果があるのでしょうか。

インテバン坐薬の有効率は、

  • 関節リウマチに対する有効率は56.6%
  • 手術後の炎症及び腫脹に対する有効率は83.8%

と報告されています。

インテバン坐薬を始めとするNSAIDsを使用する際は、これらは根本を治す治療ではなく、あくまでも対症療法に過ぎないことを忘れてはいけません。

対症療法とは「症状だけを抑えている治療法」の事です。あくまでも表面的な症状を感じにくくさせているだけの治療法で根本を治している治療ではない事を忘れてはいけません。

例えば関節の痛みが出現している方に対してインテバン坐薬を投与すれば、確かに痛みは軽減します。しかしこれは原因である関節を治しているわけではなく、あくまでも発痛を起こしにくくしているだけに過ぎません。

対症療法が悪い治療法だということではありませんが、対症療法だけで終わってしまうのは良い治療とは言えません。対症療法と合わせて、根本を治すような治療も併用することが大切です。

例えば先ほどの関節痛であれば、インテバン坐薬を使用しつつも、

  • 適度な運動・リハビリをする
  • 栄養をしっかり取る

などの根本的な治療法も併せて行う必要があるでしょう。

3.インテバン坐薬にはどのような作用があるのか

インテバン坐薬は「非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)」という種類に属しますが、NSAIDsの作用は、消炎(炎症を抑える)事によって解熱(熱を下げる)と鎮痛(痛みを抑える)ことになります。

インテバン坐薬も他のNSAIDsと同様に鎮痛作用と解熱作用を有しています。その作用機序について説明します。

炎症とは、

  • 発赤 (赤くなる)
  • 熱感 (熱くなる)
  • 腫脹(腫れる)
  • 疼痛(痛みを感じる)

の4つの徴候を生じる状態のことで、感染したり受傷したりすることで生じます。またアレルギーで生じることもあります。

みなさんも身体をぶつけたり、ばい菌に感染したりして、身体がこのような状態になったことがあると思います。これが炎症です。

インテバン坐薬は、炎症の原因が何であれ、炎症そのものを抑える作用を持ちます。つまり、発赤・熱感・腫脹・疼痛を和らげてくれるという事です。

具体的にどのように作用するのかというと、インテバン坐薬などのNSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX)という物質のはたらきをブロックするはたらきがあります。

COXは、プロスタグランジン(PG)が作られる時に必要な物質であるため、COXがブロックされるとプロスタグランジンが作られにくくなります。

プロスタグランジンは炎症や痛み、発熱を誘発する物質です。そのため、インテバン坐薬がCOXをブロックすると炎症や痛み、発熱が生じにくくなるのです。

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4.インテバン坐薬の副作用

インテバン坐薬にはどんな副作用があるのでしょうか。またどの頻度はどのくらいなのでしょうか。

インテバン坐薬の副作用発生率は2.3%と報告されています。

生じうる副作用としては、

  • 腹痛、食欲不振、悪心、嘔吐
  • 下痢、便秘
  • 直腸の刺激症状
  • 発疹、掻痒
  • めまい、眠気、頭痛
  • 浮腫
  • 発汗亢進

などが報告されています。

インテバン坐薬をはじめとしたNSAIDsには共通する副作用があります。

もっとも注意すべきなのが「消化管の障害」です。これはNSAIDsがプロスタグランジンの生成を抑制するために生じます。

プロスタグランジンは、胃などの腸管粘膜を保護するはたらきを持っているため、NSAIDsによってこれが抑制されると胃腸が荒れやすくなってしまうのです。これにより、腹痛・吐き気などが生じる事があります。

また坐薬のため、挿入時に直腸を傷付けてしまう事がありますので、挿入はゆっくりと行うようにしましょう。

頻度は稀ですが重篤な副作用としては、

  • ショック、アナフィラキシー様症状
  • 消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍、腸管の狭窄・閉塞、潰瘍性大腸炎
  • 再生不良性貧血、溶結性貧血、骨髄抑制、無顆粒球症
  • 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS)、剥離性皮膚炎
  • 喘息発作(アスピリン喘息)
  • 急性腎不全、間質性自腎炎、ネフローゼ症候群
  • 痙攣、昏睡、錯乱
  • 性器出血
  • うっ血性心不全、肺水腫
  • 血管浮腫
  • 肝機能障害、黄疸

などが報告されています。これらの副作用は滅多に生じるものではありませんが、報告がないわけではありませんので一応の注意が必要です。

またインテバン坐薬は次のような患者さんには投与する事が出来ません(禁忌)。

  • 消化性潰瘍のある方(胃潰瘍・十二指腸潰瘍などをより悪化させる)
  • 重篤な血液の異常のある方(血液異常を更に悪化させる)
  • 重篤な肝障害のある方(肝障害をより悪化させる)
  • 重篤な腎障害のある方(腎障害をより悪化させる)
  • 重篤な心機能不全のある方(心機能をより悪化させる)
  • 重篤な高血圧症の方(高血圧を更に悪化させる)
  • 重篤な膵炎の方(膵炎を増悪させる可能性がある)
  • インテバン坐薬またはサリチル酸系化合物に対して過敏症の既往歴のある方
  • 直腸炎・直腸出血または痔疾のある方(直腸の疾患をより悪化させる)
  • アスピリン喘息またはその既往歴のある方(喘息発作を誘発する)
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある方
  • トリアムテレン(商品名トリテレン)を投与中の方(腎障害を発症する可能性がある)

また原則禁忌(基本的には使用する事が出来ないが、やむを得ない時のみ慎重に使用して良い)として、

  • 小児

が挙げられています。

胃を荒らす可能性のあるお薬ですので、胃腸に潰瘍がある方はそれを更に増悪させる可能性があり用いてはいけません。

また心臓、肝臓、腎臓といった臓器にダメージを与える可能性がありますので、これらの臓器に重篤な機能不全がある場合もインテバン坐薬は用いてはいけません。

インテバン坐薬を妊娠後期に投与すると、胎児循環持続症、胎児の動脈管収縮、動脈管開存症、胎児腎不全、胎児腸穿孔、羊水過少が報告されています。また動物実験でも催奇形性が報告されており、妊娠中は服用してはいけません。

また、NSAIDsは喘息を誘発する危険があるため、できる限り喘息の患者さんには投与しない方が良いでしょう。

5.インテバンの用法・用量と剤形

インテバンの坐薬は次の剤型が発売されています。

インテバン坐剤 25mg
インテバン坐剤 50mg

また、インテバン坐薬の使い方は次のように書かれています。

通常成人1回25~50mgを1日1~2回直腸内に投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

低体温によるショックを起こす事があるので、高齢者に投与する場合には、少量から投与を開始する

6.インテバン坐薬が向いている人は?

インテバン坐薬はどのような方に向いているお薬なのでしょうか。

インテバン坐薬の特徴をおさらいすると、

・解熱作用・鎮痛作用は強め
・坐薬であり、飲み込む力が低下している高齢者によく用いられる
・副作用の胃腸障害に注意(他のNSAIDsと同様)
・喘息には使えない(他のNSAIDsと同様)

といった特徴がありました。

基本的にNSAIDsは、どれも大きな差はないため、処方する医師が使い慣れているものを処方されることも多々あります。

インテバンの特徴は坐剤(坐薬)である事です。坐剤のメリットは口から飲めないような状態でも投与する事が出来る点です。

ここから

  • 飲み込む力が低下している高齢者

に用いるのに適したお薬です。

ぐったりしたり不機嫌になってしまって口からお薬を飲めない状態のお子様にも坐薬は向いていますが、インテバン座薬は小児に原則禁忌ですので、基本的にはお子様には使われません(どうしても必要がある際は慎重に使われる事もあります)。

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