ジャディアンス錠の効果と副作用【糖尿病治療薬】

ジャディアンス錠(一般名:エンパグリフロジン)は2015年から発売されている糖尿病の治療薬になります。糖尿病の治療薬の中でも「SGLT2阻害薬」という種類に属します。

糖尿病は血液中の糖分が過剰になってしまう疾患ですが、ジャディアンスをはじめとしたSGLT2阻害薬は、過剰な糖分を尿からたくさん排泄させることで血糖を下げるお薬になります。

過剰な糖分を尿から捨ててしまうわけですので、SGLT2阻害薬はしっかりと血糖を下げる力があります。しかし一方で副作用にも注意が必要なお薬でもあります。

糖尿病治療薬にはたくさんの種類のお薬があります。これらの中でジャディアンスはどのような位置付けになるのでしょうか。

ジャディアンスの効果や特徴、どのような方に向いているお薬なのかについてみていきましょう。

 

1.ジャディアンスの特徴

まずはジャディアンス錠の特徴について、かんたんに紹介します。

ジャディアンスは血液中の過剰な糖分を、尿から排泄してしまうことで血糖を下げるお薬になります。

ジャディアンスはSGLT2阻害薬という種類のお薬になりますが、SGLT2というのは腎臓の近位尿細管にあり、尿から糖分(ブドウ糖)を体内に再吸収するはたらきを持つ輸送体になります。

糖は私たちにとって、生きるために必要なエネルギー源です。貴重なエネルギー源を取りこぼさないよう、SGLT2は尿に入ってしまった糖分を体内に取り戻すはたらきがあるのです。

しかし糖尿病の方では、体内の糖分が過剰になってしまっています。この時、SGLT2のはたらきをブロックすれば、余分な糖分は尿からそのまま排泄されるため、体内の糖分を減らすことができます。これがSGLT2阻害薬です。

SGLT2阻害薬はあくまでも余分な糖分を尿と一緒に排泄するお薬ですので、血糖を下げすぎてしまう危険(低血糖)も少ないお薬になります。

糖分を体外に排泄するという特徴から、血糖を下げる効果もしっかりとしており、糖尿病を改善させるにはとても頼れるお薬の1つになります。

また脂質の分解を促して高脂血症を改善させたり、体重や内臓脂肪を減少させる作用もあり、これもこのお薬の利点になります。

デメリットとしては、副作用に注意する必要があります。特に注意すべきなのは脱水と尿路系の感染になります。

SGLT2阻害薬は糖分を尿と一緒に排泄させますが、糖分が入った尿は浸透圧が高くなるため、水分をたくさん引っ張ってしまいます。すると尿量が多くなり、脱水になりやすくなります。

また糖分が多い部位というのはばい菌が繁殖しやすくなります。糖尿病の方は感染症にかかりやすい事が知られていますが、これも健康な人と比べて体内に糖分が多すぎることが原因です。

SGLT2阻害薬は腎臓・尿管・膀胱などに糖分を多く集めてしまうため、これらの部位に感染が生じやすくなるという危険もあります。具体的には尿路感染症や性器感染症のリスクが高くなってしまうのです。

そのため、元々脱水になりやすい方や感染に弱い方はSGLT2阻害薬の使用は慎重に考える必要があります。

またSGLT2阻害薬は尿を作る臓器である腎臓に作用するお薬になります。そのため腎臓の機能が悪い方はその効果が減弱してしまい、十分な効果が得られない可能性があります。特に重度の腎機能障害がある場合は、SGLT2阻害薬はほとんど効かないと考えられます。

つまりSGLT2阻害薬は腎機能障害のある方にはあまり向かないお薬となります。

SGLT2阻害薬にもいくつかのお薬がありますが、その中でのジャディアンスはどのような位置づけでしょうか。

実はSGLT2阻害薬は2014年から発売が始まったばかりのお薬であり、現時点では各SGLT2阻害薬の大きな特徴の差というのはありません。

どれも同じような作用機序を持ち、同じような効果が期待できます。今後データが集まればそれぞれのSGLT2阻害薬の違いも見つかってくるのかもしれませんが、現時点ではどれも大きな差はないと考えてよいでしょう。

以上からジャディアンス錠の特徴として次のようなことが挙げられます。

【ジャディアンス錠の特徴】

・SGLT2阻害薬に属するお薬である
・尿から糖分を排泄させるお薬である
・効果はしっかりあり、インスリンに作用しないため低血糖も起こりにくい
・体重や内臓脂肪を減らす作用もある
・脱水や尿路感染症に注意
・腎臓に作用するため、腎機能が悪い方には効きにくい

 

2.ジャディアンス錠はどんな疾患に用いるのか

ジャディアンス錠はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には、次のように記載されています。

【効能又は効果】

2型糖尿病

ジャディアンス錠は血糖を下げる作用を持つお薬ですから、糖尿病に使われます。

血糖を下げる力がしっかりしていますが、脱水・感染症などの副作用にも注意が必要です。このような特徴から主に非高齢者の糖尿病の方に使われることの多いお薬になります(一般的に高齢者は脱水になりやすく感染にも弱いため)。

糖尿病には1型と2型があります。

1型は自己免疫性の疾患で、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する細胞が破壊されてしまっている疾患です。β細胞が破壊されてしまっていればインスリンが分泌できないため、血糖は高くなってしまいます。

2型は一般的な糖尿病で、糖分を摂取しすぎたり肥満などによってインスリンの効きが悪くことで生じてしまうものです。

ジャディアンスは2型糖尿病に対して用いられます。2型糖尿病ではまずはお薬を使う前に食事療法(規則正しくバランスの良い食事を指導する)や運動療法(適度な運動を指導する)が行われます。

これら食事療法や運動療法を行っても改善が得られない時、ジャディアンスのようなお薬が検討されます。

 

3.ジャディアンスにはどのような作用があるのか

ジャディアンスは腎臓尿細管のSGLT2という部位をブロックすることで、血液中の過剰な糖分を尿から排泄させるお薬です。

しかしジャディアンスの作用はこれだけではありません。

ここではジャディアンスで認められる作用について紹介します。

 

Ⅰ.尿から糖分を排泄する

糖尿病という疾患は、血液中の糖分が過剰になってしまう疾患です。

糖分は多すぎると血管や神経、臓器を傷付けることが分かっています。糖尿病を放置しておくと神経症状(手足のしびれなど)、網膜症、腎症などといった病気が発症してしまいます。また血管を傷つけることで心筋梗塞や脳梗塞のリスクも上げてしまいます。

ジャディアンスは血液中の余分な糖分を、おしっこ(尿)から排出させるはたらきを持ちます。

本来、健康な人の尿中には糖分はほとんど含まれていません。それは尿の中に入ってしまった糖分は、腎臓の尿細管にあるSGLTという輸送体によって体内に再吸収されるからです。

SGLTにはSGLT1とSGLT2があります。SGLT1は遠位尿細管をはじめ、小腸、心臓、筋肉にも幅広く認められます。

一方でSGLT2は主に近位尿細管に存在し、尿から体内へ糖分を取り込むはたらきがあります。尿中の糖分の90%はSGLT2から体内に再吸収され、残りの10%がSGLT1から再吸収されます。

このうち、SGLT2のみをブロックするのがジャディアンスをはじめとしたSGLT2阻害薬です。SGLT2をブロックすると、尿中に入ってしまった糖分を体内に取り戻せなくなるため、尿中の糖分はそのまま尿と一緒に身体の外に排出されます。

これによってSGLT2阻害薬は血糖を下げ、糖尿病を改善させてくれるのです。

ちなみになぜSGLT2のみをブロックするのかというと、SGLT1をブロックしてしまうと血糖は確かに下がりますが、腸管や心臓、筋肉にも作用してしまうため、余計な副作用が多くなってしまうからです。

SGLT2のみに作用するお薬の方が安全に血糖を下げてくれるため、糖尿病治療薬はSGLT2阻害薬が使われています。

 

Ⅱ.脂質を分解する

ジャディアンスをはじめとしたSGLT2阻害薬は、脂質を分解する作用があります。

そのため高脂血症を改善させる作用も期待できます。

これはジャディアンスが糖分を体外に排泄してしまうため、糖以外のエネルギー源として脂質を使う割合が増えるからだと考えられています。

私たちは、糖分・たんぱく質・脂質の3つをエネルギー源としています。これらのいずれかからエネルギーを取り出し、生命活動を行っているのです。

ジャディアンスによって体内の糖分が減ってしまうと、身体はそれ以外のエネルギー源を使ってエネルギーを取り出そうとします。すると脂質を分解してエネルギーを取り出す割合が増えますので、脂質が低下するというわけです。

 

Ⅲ.体重減少作用

ジャディアンスは体重を減らす作用があります。

この作用はジャディアンスが、

・糖分を尿から排出する
・糖分とともに水分も尿から排出する
・糖分の代わりに脂質をエネルギーとして燃焼する割合が増える

ために生じると考えられています。

約24週間の服用でプラセボ(何の成分も入ってない偽薬)と比較して、10mgの服薬で1.93kgの体重減少、25mgの服薬で2.15kgの体重減少が得られています(効果には個人差があります)。

このような作用からSGLT2阻害薬を「痩せ薬」として使おうとする方がいらっしゃいます。確かに作用機序的には痩せ薬として使えるお薬ではあります。

しかしSGLT2阻害薬はあくまでも糖尿病を治療するためのお薬ですので適正に使用するようお願いいたします。

 

Ⅳ.降圧作用・尿酸値低下作用

その他のSGLT2阻害薬の作用として、

血圧を下げる作用
尿酸値を下げる作用

なども報告されています。

ジャディアンス10mgを52週間の投与にてプラセボ(偽薬)と比較して、収縮期血圧を4.5 mmHg下げたという試験結果があります。

 

4.ジャディアンスの副作用

ジャディアンスにはどのような副作用があるのでしょうか。ジャディアンスをはじめとしたSGLT2阻害薬の副作用は少なくありません。そのため副作用には注意が必要なお薬になります。

ジャディアンスの副作用の発生率としては15.1%前後と報告されています。

生じる副作用としては、

  • 頻尿
  • 便秘
  • 口渇

などが報告されています。

これはジャディアンスは尿から糖分を排出するためです。尿中に糖分が多くなると尿の浸透圧が上がります。水分は浸透圧の低い方から高い方へ移動しますので、尿の浸透圧が上がると尿中に水分が引き寄せられ、尿量も増えます。すると多くの水が尿として出てしまうため、頻尿・多尿が生じるのです。またそれに伴い口渇(口の渇き)が生じることもあります。

高齢者の場合、これによって脱水になる可能性もあるため注意が必要です。

水分が抜ける事に加えて、脂質を低下させる作用もあるため、ジャディアンスは、

  • 体重減少

の副作用もあります。体重減少作用のあるお薬はダイエット薬として乱用される可能性があるため、医療者としては心配もあります。患者様には適正な使用を心がけて頂きたいと思います。

ジャディアンスは確かに体重は落ちますので、いわゆる「痩せ薬」としての効果は得られる可能性はあるでしょう。しかしあくまでも糖尿病の治療薬として用いるべきお薬になります。

また検査値の異常としては、

  • 尿中βミクログロブリンの上昇
  • 血中・尿中ケトン体の上昇

などが報告されています。

ケトン体というのは脂質が分解されたときに生じる物質です。ジャディアンスを使うと体内の糖分が少なくなるため、糖分の代わりに脂質を分解してエネルギーを作るようになります。通常より多くの脂質が分解されるため、ケトン体が増えやすいのです。

またジャディアンスは糖分を尿から排泄させるお薬ですので、服用中は尿糖検査が陽性になります。ジャディアンス服薬中は尿糖検査は糖尿病の経過を見る指標としては使えなくなってしまいますので注意が必要です。

稀ですが重大な副作用として、

  • 低血糖
  • 腎盂腎炎
  • 脱水

が報告されています。

糖分が多いところというのは、ばい菌が巣食いやすくなるという特徴があります。ジャディアンスは尿中に糖分をたくさん集めるお薬であるため、腎臓や尿路・尿管、膀胱などの尿路系が感染症、また性器感染症を起こす可能性が高くなり、これが進行すれば腎臓まで達して腎盂腎炎になったり、血液に菌が入ってしまって敗血症になったりする危険もあります。

また下記に該当する方は、ジャディアンスで治療するのではなくよりインスリン製剤による厳格な治療が必要になり、ジャディアンスを使用することは出来ません。

  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者さん
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の患者さん

 

5.ジャディアンスの用法・用量と剤形

ジャディアンスは、

ジャディアンス錠 10mg
ジャディアンス錠 25mg

の2剤型があります。

ジャディアンスの使い方は、

通常、成人には10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。

となっています。

ジャディアンスは腎臓にある近位尿細管で行われる糖分の再吸収をブロックするのがはたらきです。

そのため腎機能が悪い方では十分な効果が発揮されない事があります。腎機能が悪くなればなるほど、ジャディアンスの効きは弱まることが分かっています。

軽症~中等症の腎機能障害のある方は、主治医に自分がジャディアンスの適応になるか判断して頂く必要があります。

また重度の腎機能障害がある方は、基本的にはジャディアンスをはじめとしたSGLT2阻害薬の効果は期待できないため、これらのお薬を使う事は出来ません。

ジャディアンスは食事の影響をあまり受けませんので、空腹時・食後のどちらに服用しても同じような効果が得られます。

ジャディアンスはしっかりとした効果を持ち、10mgの服薬で血糖の平均値であるHba1cをおおよそ0.74前後下げ、25mgの服薬でHba1cを0.85前後下げるという結果が出ています(服用を24週間続けた場合)(個人差はあります)。

 

6.ジャディアンス錠が向いている人は?

以上から考えて、ジャディアンス錠が向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

ジャディアンス錠の特徴をおさらいすると、

・SGLT2阻害薬に属するお薬である
・尿から糖分を排泄させるお薬である
・効果はしっかりあり、インスリンに作用しないため低血糖も起こりにくい
・体重や内臓脂肪を減らす作用もある
・脱水や尿路感染症に注意
・腎臓に作用するため、腎機能が悪い方には効きにくい

というものでした。

ジャディアンスは、しっかりと血糖を下げる効果が期待できる反面、副作用の問題から使う人を選ぶお薬だと言えます。

ジャディアンスのデメリットとしては、

  • 糖分と一緒に水分も多く排泄されるため、脱水になるリスクがある
  • 尿路系の糖分が多くなるため、尿路感染症のリスクがある
  • 腎臓で作用するため、腎機能が悪い方には効かない可能性がある
  • 糖分が排泄される代わりに脂質が分解される比率が高まり体重が落ちる

という事があります。ここから考えると、

  • 脱水になる危険の高い方(高齢者、寝たきりの方など)
  • 感染症にかかりやすい方、慢性的に感染症にかかっている方
  • 腎機能障害の方
  • 痩せている方

などにはあまり向かないお薬だと考えられます。特に高齢者は一般的に脱水・感染のリスクが高いため、SGLT2阻害薬は慎重に用いる必要があります。

反対に向いている方としては、

  • 非高齢者
  • 肥満傾向のある方

が挙げられます。

このような方には、しっかりと血糖も下げてくれ、また体重減少作用も期待できるジャディアンスは良い適応となるでしょう。

SGLT2阻害薬の意外なデメリットとしては薬価の高さが挙げられます。新薬というのはどうしても薬価が高くなりがちです。SGLT2阻害薬は日本では2014年から発売が始まった新しいお薬であるため、他の糖尿病治療薬と比べると値段は高めなのです。

糖尿病のお薬にはいくつか種類がありますが、大きく分けると3種類に分けられます。

1つ目が、血糖を下げるホルモンである「インスリン」の分泌を促すことで血糖を下げようとするお薬です。これには「スルホニル尿素(SU)薬」「グリニド系(速効型インスリン分泌促進薬)」「DPP4阻害薬」「GLP1作動薬」などがあります。

2つ目は、インスリン自体を分泌させるのではなく、インスリンの効きを高めることで血糖を下げるお薬です。これには「ビグアナイド(BG)剤」「チアゾリジン誘導体」などがあります。インスリンの作用は血液中の糖分を筋肉や脂肪などに取り込ませることですが、同じように血液中の糖分を筋肉や脂肪に取り込ませやすくするのがこれらのお薬の主な作用になります。

最後が、糖分を吸収しにくくしたり排泄しやすくするお薬です。血糖の吸収を穏やかにする「αグルコシダーゼ阻害剤」や、尿から糖をたくさん出すようにする「SGLT2阻害薬」などがあります。

この中でSGLT2阻害薬であるジャディアンスは3つ目の糖分を排泄しやすくするお薬になります。

 

7.お薬以外の糖尿病の治療法

お薬は疾患を治療するために重要な方法の1つです。

しかし糖尿病をはじめとした生活習慣病は、お薬だけでなく日々の生活を工夫する事も大切です。むしろこのような生活習慣の改善が主であり、お薬は補助的な役割だと考えるべきです。

実際に、糖尿病治療薬の添付文書には次のように書かれています。

本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。

「まずは食事・運動療法を行って、それでも効果が不十分な時のみお薬は使ってね」という事です。

では糖尿病を改善させるためには、どのように食生活・運動習慣を気を付けていけばいいのでしょうか。大切なポイントをお話します。

 

Ⅰ.規則正しく・バランスの良い食事を

食事は規則正しく食べる事が大切です。朝食・昼食・夕食と1日3食規則正しく食べましょう。

「1日1食しか食べない」
「朝食を抜いている」

このような不規則な食生活をすると糖尿病をむしろ悪化させる事もあります。

1日に食べる量が同じでも、3食に分けて少しずつ食べるのと、1食でドカッと食べるのとでは血糖値の上がり方が異なります。一気に大量に食べると血糖値が急激に上昇するため、全身の臓器も痛みやすくなります。

また食事回数が少ないと、間食で補ってしまう事が多々あります。アメやチョコレート、スナックなど、間食には糖質を多く含むものが多く、これも糖尿病をかえって悪化させます。

食事は、よく噛んでゆっくり食べる事も大切です。ゆっくり食べればゆっくり血糖値が上昇していきますので、急いで食べるよりも臓器への負担も少なくなります。

また食事内容のバランスも大切です。

近年は糖質制限などがもてはやされていますが、糖質はエネルギーとしてある程度は必要になります。極端な偏食をするのではなく、バランス良く摂取するようにしましょう。

推奨されているバランスは、

炭水化物:たんぱく質:脂質=45~60%:10~20%:25~35%

程度と言われています。

一人暮らしなどで食事バランスを十分に考えられないという方は、配食を利用するのも手です。近年はバランスが考えられた食事を冷凍で自宅まで送ってくれる業者もあります。

 

ウエルネスダイニング【低糖質・低カロリーご飯を配食してくれます】

ウエルネスダイニングでは、低糖質のご飯を配送してくれます。普通の米飯は1膳で250kcal(糖質55g)ほどありますが、こちらの米飯は1膳192kcal(糖質43.2g)に抑えられています。1日(3食)で考えれば約180kcalほど違ってきます。

 

彩ダイニング【食事療法用食を提供】

彩ダイニングでは、糖尿病の方に向けた副食(おかず)を配送してくれます。1食240kcalに抑えて作られており、炭水化物・タンパク質・脂質も理想的なバランスになるよう考えられています。

種類もたくさんあるため、飽きずに続ける事が出来ます。

 

Ⅱ.野菜を先に食べよう

食事を食べる際に、普通に食べるのと、野菜を先に食べて糖質を後で食べるのとでは後者の方が糖尿病が改善しやすいという報告があります。

これは野菜を先に食べる事で血糖値の上昇が緩やかになるためだと考えられています。

食事は野菜から先に食べるようにしましょう。

生活習慣上なかなか野菜を先に食べれないという方は、サプリメントを利用するという方法もあります。

 

食事前に食べる野菜ゼリー「ベジファス」

ベジファスは野菜に含まれる食物繊維を多く含んだゼリーで食事前に簡単に服用する事できます。ベジファスを最初に取る事で、血糖値の上昇を抑え、糖尿病を改善させやすくします。

 

Ⅲ.カロリー制限を

自分が1日に摂取してよいカロリーの上限を意識しておきましょう。

成人であればおおよそ1200~2000kcal/日になりますが、どのくらいのカロリーを摂取して良いかはその人の身長や活動量によって異なります。

摂取カロリーの決め方は「BMI×身体活動量」で簡易的に計算できます。

BMIは身長によって設定されている標準体重(理想的な体重)の事で、「BMI=身長(m)×身長(m)×22」で計算できます。

身体活動量は、日常で身体をどれくらい動かしているかで、

・軽労作:デスクワークが主・主婦など:25~30kcal
・中等度労作:立ち仕事が多い:30~35kcal
・重労作:力仕事が多い:35kcal~

と分けられます。

下表で自動で計算できますので、自分の1日摂取カロリーの上限を計算してみましょう。

[CP_CALCULATED_FIELDS id=”6″]

どうしても甘いものや炭水化物食を食べてしまうという方は、最近はカロリーゼロスイーツや低糖質食など工夫された食事もありますので、無理な制限をするのではなく、このような食べ物を上手に利用するのも手です。

 

▽ 低糖質のとんこつラーメン

糖尿病で食事制限をしているけど、ラーメンが食べたい、という時にお勧めです。一般的なとんこつラーメンは800kcal程度ありますが、このラーメンは糖質を極限までカットしており麺とスープを合わせても約300kcalと超低カロリーになっています。

味は、やはり一般的なラーメンと比べるとやや物足りなさを感じる方もいらっしゃいますが、アンケートでも高い満足度が得られています。

 

▽ カロリーゼロの和スイーツ

くずもち、わらびもち、あんみつ、ようかん、おしるこなど、年配の方が好まれる和菓子を超低カロリーで作っています。

 

Ⅳ.適度な運動を

血糖値を下げるためには適度な運動も必要です。

理想は毎日ですが、毎日まで行かなくても週3回以上、1回30分以上の運動習慣を目指しましょう。

無理な運動習慣は長続きしませんので、無理なく続けられる程度の運動を設定する事が大切です。

  • 毎日公園を散歩する
  • プールでゆっくり泳ぐ
  • ゆっくりジョギングやサイクリングする

などの負荷の低い運動でも十分に効果があります。日々続けていく事が何よりも大切です。