メジコンが効かない時に考えるべき原因と対処法

3.メジコンが効かない原因と対策

咳は、私たちの身体を守るために必要なものです。

気管に異物やばい菌が存在している状況で、ある程度の咳が生じるのはむしろ好ましい事だと理解しなければいけません。これを完全に止めてしまうと、確かに咳はなくなりますが、ばい菌が肺などの重要臓器に侵入するリスクが高くなるという事です。

気管にばい菌などの異物が存在している状況であれば、メジコンを服用していてもある程度の咳が出るのが普通です。これはメジコンが効いていないのではなく、適度な咳は生じていた方が治療的にメリットがあるのだと考えるべきです。

しかし、前項のように咳が過度になっている場合には、より咳を軽減させる必要が出てきます。

このように咳を抑えるべき状況で、メジコンが十分に効かない時は、どのような原因が考えられ、どのように対処していけば良いのでしょうか。

メジコンが効かない時に考えられる原因と対策を紹介します。

 

Ⅰ.根本の治療が不十分

メジコンは咳を抑えるお薬ですが、咳は脳の延髄に存在する「咳中枢」と呼ばれる部位で引き起こされます。

メジコンは咳中枢を鈍感にさせるはたらきがあります。これによって「咳をしなさい」という指令を発しにくくさせ、咳を少なくするわけです。

しかし「咳を抑える」という治療は、多くの場合で表面的な治療に過ぎません。

咳は何らかの原因があって生じています。メジコンはその根本の原因である疾患を治しているわけではなく、疾患によって生じた表面的な症状である「咳」を抑え込んでいるにすぎません。

例えば、ばい菌が気管に感染していて、それを追い出そうと咳中枢が頑張っているのであれば、「メジコンで咳中枢を鈍感にさせて咳を生じなくしよう」という治療は極めて表面的なものになります。

この場合、ばい菌が気管を荒らしているから咳が生じているのですから、ばい菌をやっつける事が根本的な治療です。この状況でどんどん咳止めを強めても、それは咳が生じなくなってばい菌がより悪さをしやすくなるという事につながり、治療とは言えません。

もちろん状況に応じてメジコンのような咳止めを使う事もありますが、根本的な治療として、ばい菌をやっつけるような治療(安静・栄養摂取による免疫力向上、抗生物質などによる殺菌など)をしっかりと行わなければいけません。

このように、メジコンが効かないという場合、表面的な「咳」という症状を抑えようとするだけでなく、根本に対する治療がしっかりと行われているか、根本に対する診断が適切であるかなども再確認する必要があります。

 

Ⅱ.咳が出やすい環境ではないか

咳は気管が刺激されると生じますから、気管が刺激されやすい環境にいれば生じやすくなります。

では気管が刺激されやすい環境というのはどのようなものでしょうか。

気管は、

  • 急な温度変化
  • 乾燥

に弱く、このような環境変化によって咳が生じやすくなります。

急に暑くなったり、寒くなったりすると咳は生じやすくなります。喘息の方が深夜や明け方に咳が多くなるのは、この時間帯は気温が急激に下がるためです。風邪を引いている方が布団に入って温まると咳が悪化するのは、急に温度が上昇するためです。

ここから、咳が生じている時は、なるべく気温の変化を緩やかにする事が重要だという事が分かります。室温をなるべく一定にして過ごすのが良いでしょう。

また乾燥は咳を悪化させます。気管に限らず私たちの身体の細胞は乾燥すると傷付きやすくなります。皮膚も乾燥するとひび割れなどが生じやすくなりますが、同じ事が気管の細胞でも生じると考えてください。

乾燥によって気管の細胞が障害されやすくなると、細胞のバリア機能が低下し、刺激に敏感になるため、咳も生じやすくなるのです。

また気管に異物が入りやすいような環境も良くありません。部屋の空気が汚れている、同室者がタバコを吸っている、部屋が汚くてほこりが舞っている・・・。このような状況だと異物が気管に入り、咳が生じやすくなります。

咳が出やすい環境に身を置いていれば、いくら咳止めで咳を抑えようとしても限界があります。この場合は、まずは咳を起こさないような環境を作る事が大切です。

 

Ⅲ.メジコンが合わない・弱い

お薬の効きには個人差があります。ある人には良く効くお薬であっても、別の人には全く効かないという事はよくあります。

メジコンも同様で、良く効くという人もいれば、あまり効かないという人もいます。

メジコンを使ってもあまり効果が得られないようであれば、別の咳止めに変えてみることも有効です。

咳止め(鎮咳薬)には、

  • 麻薬性鎮咳薬
  • 非麻薬性鎮咳薬

の2種類があります。

両者の違いをかんたんに言うと、

  • 麻薬性は咳を抑える効果は強いが、耐性や依存性があり、便秘などの副作用も起こりやすい
  • 非麻薬性は咳を抑える効果は麻薬性には劣るが耐性や依存性はなく、副作用も少ない

といった特徴があります。

このうち、メジコンは非麻薬性鎮咳薬に属します。咳止めの中では効果が穏やかな部類に入るため、より強い麻薬性鎮咳薬に変更すれば、よりしっかりと咳を抑えられる事が期待できます。

しかし麻薬性鎮咳薬には、耐性・依存性といったリスクの他、便秘などの副作用も生じやすいため使用には注意が必要です。

ちなみに耐性というのは、お薬を連用していると身体がお薬に慣れてしまって徐々に効きが悪くなってくる現象です。また依存性というのは、そのお薬に依存してしまう事でお薬を止められなくなってしまう現象の事を言います。

非麻薬性鎮咳薬にもたくさんの種類がありますので、まずはメジコン以外の非麻薬性鎮咳薬に変更してみるのも方法の1つです。