メタクト配合錠の効果と副作用【糖尿病治療薬】

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メタクト配合錠(一般名:ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩)は2010年から発売されている糖尿病の治療薬になります。

「配合錠」という名称からも分かる通り、メタクトは複数の成分が配合された合剤になります。具体的にはメトグルコ(メトホルミン塩酸塩)とアクトス(一般名:ピオグリタゾン塩酸塩)という2つをお薬を1錠にしたお薬です。

「メトグルコ」と「アクトス」の名前を合体させて「メタクト」という名前になっています。

配合錠はお薬の数を少なくする事によってお薬の飲み間違いを減らしたり、お薬の錠数が多い事による心理的抵抗を軽減する効果が期待できます。

糖尿病治療薬にもたくさんの種類のお薬があります。これらの中でメタクトはどのような位置付けになるのでしょうか。

メタクト配合錠の特徴や効果・副作用、どのような方に向いているお薬なのかについてみていきましょう。

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1.メタクト配合錠の特徴

まずはメタクト配合錠の特徴について、かんたんに紹介します。

メタクト配合錠は「メトグルコ(メトホルミン)」と「アクトス(ピオグリタゾン)」の2つの成分が配合されている糖尿病治療薬です。

メトグルコはAMPKという酵素を活性化させる事によって、インスリンに頼ることなく血糖を下げてくれるお薬になります

アクトスもPPARɤという受容体を活性化させる事によって、インスリンに頼ることなく血糖を下げてくれるお薬になります

メタクトには異なる作用機序を持つ2つの成分が配合されており、2つの機序で血糖を下げて糖尿病を改善させてくれるお薬になります。

メトグルコは「ビグアナイド系」という種類に属し、AMPK(Adenosine5′ Monophosphate activated Protein Kinase)という酵素を活性化させることで、血液中の糖分が組織に取り込まれるのを助け、血糖を下げやすくします。

また肝臓に蓄積されている糖が血液中に放出されるのを抑えたり、消化管から糖分が体内に吸収されるのを抑えてくれるはたらきもあります。

アクトスは「チアゾリジン系」という種類に属し、PPARγという受容体を活性化させることで、血液中の糖分が組織に取り込まれるのを助け、血糖を下げやすくします。

またメトグルコと同じく肝臓に蓄積されている糖が血液中に放出されるのを抑えたるはたらきもあります。

メタクト配合錠の特徴は、メトグルコもアクトスもインスリンに頼る事なく血糖を下げてくれる点です。インスリンは食後に分泌される血糖を下げるホルモンですが、このインスリンに関係なく血糖が下がるという事は、インスリンが出にくくなっている方・インスリンが効きにくくなっている方に特に効果が期待できるという事です。

このような状態を専門的には「インスリン抵抗性」と呼びます。インスリン抵抗性が高い方には、肥満の方、糖尿病に長期罹患している方などが該当しますので、このような方に向いているお薬になります。

メトグルコもアクトスも危険なお薬ではありませんが、どちらも副作用には一定の注意が必要になります。

メトグルコは古いお薬であり(1961年発売)、正しく使用しないと重篤な副作用が生じる可能性があるため特に注意が必要です。

詳しくは後述しますが乳酸アシドーシスという重篤な副作用が稀に生じる事があり、発症リスクの高い高齢者や肝機能・腎機能の悪い方にはあまり向かないお薬となります。

アクトスは体内の水分を過剰にしてしまう傾向があるため、浮腫(むくみ)が生じやすい事が知られています。また体内に水が溜まりすぎると心不全になってしまう事もあるため、こちらも注意が必要です。この副作用は特に女性に生じやすい事が知られています。

このお薬の残念な点として、配合されているメトグルコが力不足であるという点があります。

メタクトは1日1回服用するお薬なのですが、配合されているメトグルコは本来は1日2~3回服用するお薬です。また糖尿病の治療のためにはメトグルコは1日量750~2250mgでの服用が推奨されており、服用量が多いほど血糖値を下げる力が強くなる事が知られていますが、メタクトに含まれるメトグルコはわずか500mgに過ぎません。

以上から考えるとメタクトに含まれるメトグルコの糖尿病改善作用は、力不足である感は否めません。

こうなると結局はメタクト配合錠を服用しながら、更にメトグルコも追加で服用しなければいけず、これではせっかく配合錠でお薬の服薬の手間を減らしたメリットが薄れてしまいます。

以上からメタクト錠の特徴として次のようなことが挙げられます。

【メタクト配合錠の特徴】

・ビグアナイド系とチアゾリジン系の2つの成分を配合した合剤である
・ビグアナイド系がAMPKを活性化させ血糖を下げる
・チアゾリジン系がPPARγを活性化させ血糖を下げる
・インスリン抵抗性のある方(肥満、長期罹患者など)に向いている
・メトグルコを含むため、高齢者、肝機能・腎機能障害者にはあまり向かない
・アクトスを含むため浮腫や心不全に注意(特に女性)
・配合されているメトグルコの量が少なく、力不足の感はある

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2.メタクト配合錠はどのような疾患に用いるのか

メタクト配合錠はどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

2型糖尿病

ただし、アクトス(ピオグリタゾン塩酸塩)及びメトグルコ(メトホルミン塩酸塩)の併用による治療が適切と判断される場合に限る

メタクトは血糖を下げるお薬ですので、糖尿病の治療に使われます。

糖尿病には1型と2型があります。

1型は自己免疫性の疾患で、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する細胞が破壊されてしまう疾患です。β細胞が破壊されるとインスリンは分泌できないため、血糖は高くなってしまいます。

2型は一般的な糖尿病で、糖分を摂取しすぎたり肥満などによってインスリンの効きが悪くことで生じてしまうものです。

このうち、メタクトは2型糖尿病に対して用いられます。

メタクトは2つのお薬を1つにまとめた配合錠ですので、糖尿病の治療を行う際には「最初から投与してはいけない」という注意点があります。

糖尿病の薬物療法を行う際、いきなりメタクトを使うという事は、最初からお薬をいきなり2種類使うのと同じ事になります。

基本的にお薬は1つずつ効果や副作用を判定していくものですので、最初から一気に2種類を併用する事はあまりありません。

メタクトを投与するのは、

  • メトグルコを投与しているけど効果がまだ不十分
  • アクトスを投与しているけど効果がまだ不十分
  • メトグルコとアクトスを投与していて落ち着いている

などといった場合になります。

メタクトは2型糖尿病に対してどのくらいの効果があるのでしょうか。

お薬の効きには個人差があるため、「メタクトを飲むと必ずこれくらい下がります」という事は出来ませんが、一定期間の服用で、

  • メトグルコはHba1cを1.0%ほど下げる(十分量の投与で)
  • アクトスはHba1cを1.0%ほど下げる(30mg投与で)

おおよそですがこのくらいの効果が得られると考えられています。メタクトはこの両者を配合したお薬ですので、両者を合わせたくらいHba1cを低下させる事が期待できます。

ただし一般的にはメトグルコは1日750~2250mgの量で使われ、量を増やせば増やすほど血糖が改善するお薬になります(これを用量依存性に血糖を下げる、と言います)。しかしメタクトに含まれているメトグルコは1日量でわずか500mgしかありません。

そのためメタクトに含まれるメトグルコによる血糖改善作用は低くなり、0.2~0.3%程度ではないかと推測されます。

3.メタクト配合錠にはどのような作用があるのか

メタクトはAMPKを活性化する「メトグルコ」と、PPARγを活性化する「アクトス」の2つを成分を配合しています。

この2つの成分によって、メタクトはどのような作用が期待できるのでしょうか。ここではメタクトの詳しい作用について紹介します。

なおメトグルコもアクトスも様々な作用を持ちますが、ここでは糖尿病の改善に関係する作用を中心に紹介させていただきます。

Ⅰ.インスリン抵抗性の改善

メタクトの最大の特徴は、インスリン抵抗性の改善に優れるお薬だという事です。これはインスリンが効きにくくなっている方・インスリンの分泌量が減ってしまっている方にも効果があるという意味です。

メタクトに含まれるメトグルコもアクトスも、ともにインスリン抵抗性の改善に優れるお薬で、インスリンに関係なく血糖値を下げてくれます。

メタクトに含まれるメトグルコ(メトホルミン塩酸塩)は、血液中の糖分(血糖)を筋肉や脂肪組織に取り込まれやすくするようにはたらきます。

これはグルコーストランスポーターという糖を血液中から組織へ輸送するシステムにメトグルコが直接作用するためだと考えられています。

またメタクトに含まれるアクトス(ピオグリタゾン)も、血液中の糖分(血糖)を筋肉や脂肪組織に取り込まれやすくするようにはたらきます。

この作用は、アクトスがPPARɤという受容体を活性化させるためです。PPARɤが活性化するとTNF-αという物質のはたらきを抑えられます。

TNFαは様々な作用があるのですが、その1つにインスリンの効きを悪くしてしまう作用があります。つまり筋肉組織や脂肪組織に血糖が取り込まれないようにしてしまうのです。

アクトスはこのTNFαのはたらきを解除するため、血糖を下げる効果が得られるというわけです。

Ⅱ.肝臓からの糖放出抑制

メタクトに含まれるメトグルコもアクトスも、肝臓から糖分が放出されるのを抑えるはたらきを持ちます。

肝臓には糖分が貯蔵されています。

糖は体内では「グルコース」として存在していますが、これは肝臓において「グリコーゲン」として貯蔵されています。グリコーゲンはいざという時の予備のエネルギー源として取ってあるものです。

メタクトに含まれるメトグルコ・アクトスは肝臓のグリコーゲンがグルコースに分解されて血液中に放出されるのを抑えます。

この作用も、血糖の上昇を抑えてくれるため糖尿病の改善に役立ちます。

Ⅲ.消化管からの糖吸収抑制

私たちは糖分を食事から摂取します。そして食べ物に含まれる糖分は、主に腸管から体内に吸収されていきます。

メタクトに含まれるメトグルコは小腸に作用し、小腸で糖を吸収するのを抑えてくれるはたらきがあることが動物実験において報告されています。

似たような作用機序を持つお薬に「αグルコシダーゼ阻害薬(αGI)」がありますが、αGIとは異なる機序で小腸からの糖吸収を抑制するようです。

Ⅳ.食欲抑制作用

メタクトに含まれるメトグルコは食欲を抑える作用があることが知られています。

メトグルコの食欲抑制作用は、「グレリン」という物質の上昇を抑えるためではないかと考えられています。

グレリンは胃から分泌されるホルモンで、視床下部の食欲中枢を刺激して食欲を亢進させるはたらきがあります。

またそれ以外にもメトグルコにはGLP-1というホルモンのはたらきを強めるという報告もあります。GLP-1は食欲中枢にはたらきかけ、食欲を抑えるはたらきがあることが報告されていますので、これも食欲を抑える効果につながります。

Ⅴ.脂質を下げる作用

メタクトに含まれるアクトスはPPARγを活性化させる事により血糖値を下げる作用がありますが、同様に脂質を下げる作用も有します。

実はアクトスは最初は脂質を下げるお薬を探している中で見つかったお薬なのです。

生活習慣の乱れから糖尿病を発症してしまった方は、同様の理由で高脂血症を合併しやすい傾向がありますが、アクトスは血糖値も脂質も両方を下げてくれるのです。

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4.メタクト配合錠の副作用

メタクトにはどのような副作用があるのでしょうか。またその頻度はどのくらいになるのでしょうか。

メタクトの副作用発生率は6.7%と報告されています。

生じる副作用としては、

  • 浮腫(むくみ)
  • 下痢
  • 発疹、掻痒

などがあります。

症状がひどい場合はメタクトの減量あるいは中止となりますが、症状が軽度であればそのまま様子をみることもあります。

特に浮腫(むくみ)は女性、インスリンを併用している方、高用量のアクトスを使用している方で生じやすい事が知られています。

また検査値の異常として、

  • LDH、CKの上昇
  • AST、ALT、ALP、ɤGTP上昇(肝臓系の酵素)
  • 赤血球、白血球、血小板減少
  • 心胸郭比拡大
  • 心電図異常

などが生じる事がありますので、メタクト服用中は定期的に血液検査や胸部レントゲン、心電図検査を行うことが望ましいでしょう。

稀ですが重大な副作用として、

  • 心不全の増悪あるいは発症
  • 乳酸アシドーシス
  • 浮腫
  • 肝機能障害、黄疸
  • 低血糖
  • 横紋筋融解症
  • 間質性肺炎
  • 胃潰瘍の再燃

などが報告されています。

メタクトは投与してはいけない方がいます。下記に該当する方はメタクトを服用できません(禁忌)ので、該当しないかどうか注意しましょう。

  • 心不全の患者及び心不全の既往歴のある方
  • 重篤な肝機能障害のある方
  • 栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の方
  • メタクトの成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • 妊婦または妊娠している可能性のある方

メタクトに含まれるアクトスは浮腫(むくみ)を起こしやすいとお話ししましたが、これは身体の水分を過剰にしてしまうためです。身体の水分が過剰になると浮腫だけでなく心不全を発症する事もあります。そのため心不全のリスクが高い方には使用する事は出来ません。

またアクトスは主に肝臓で代謝されるため、肝機能が極めて悪いとアクトスが体内に蓄積しすぎてしまう可能性があります。そのため重篤な肝機能障害のある方にも使用する事は出来ません。

メタクトに含まれるメトグルコ・アクトスは動物実験において胎児死亡率の増加、出生児生存率の低下・催奇形性が報告されているため、妊婦さんにも使う事は出来ません。

下記の状態に該当する方は、メトグルコによる乳酸アシドーシスをきたしやすいため、同様にメタクトを使用する事は出来ません。

  • 乳酸アシドーシスの既往がある方
  • 腎機能障害がある方(軽度も含む)
  • 透析をしている方
  • ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など心血管系、肺機能に高度の障害のある方及びその他の低酸素血症を伴いやすい方
  • 過度のアルコール摂取者
  • 脱水症、脱水状態が懸念される下痢、嘔吐等の胃腸障害のある方
  • 高齢者

また下記に該当する方は、メタクトで治療するのではなくインスリン製剤による厳格な治療が必要になるため、同様にメタクトを使用することは出来ません。

  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の方

ちなみにメタクトに含まれるアクトスは、一時期「膀胱がんを発症する恐れがある」として問題になりましたが、これは本当なのでしょうか。

現時点では「アクトスが膀胱癌の関係は明らかではない」というのが大筋の結論となっています。しかし長期間投与すると、その恐れはゼロとは言えないため一定の注意は必要になります。

ちなみに糖尿病自体も癌のリスク因子であり、糖尿病の経過が不良であると大腸がんや膵臓がんなどの癌を発生しやすくすることが指摘されています。

そのため「アクトスを使わなければ、癌になりにくくなる」と一概に言えるものではありません。

5.メタクトの用法・用量と剤形

メタクトは、

メタクト配合錠LD
メタクト配合錠HD

の2剤型があります。

それぞれメトグルコ(メトホルミン)の配合量は変わりませんが、アクトス(ピオグリタゾン)の量が異なり、

  • メタクト配合錠LD:メトグルコ500mgとアクトス15mg
  • メタクト配合錠HD:メトグルコ500mgとアクトス30mg

となっています。

メタクトの使い方は、

通常、成人には1日1回1錠を朝食後に経口投与する。

となっています。

特に女性ではアクトスによる浮腫が生じやすいため、低用量であるメタクトLD配合錠から開始する事が推奨されています。

6.メタクト配合錠が向いている人は?

以上から考えて、メタクト配合錠が向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

メタクト配合錠の特徴をおさらいすると、

・ビグアナイド系とチアゾリジン系の2つの成分を配合した合剤である
・ビグアナイド系がAMPKを活性化させ血糖を下げる
・チアゾリジン系がPPARγを活性化させ血糖を下げる
・インスリン抵抗性のある方(肥満、長期罹患者など)に向いている
・メトグルコを含むため、高齢者、肝機能・腎機能障害者にはあまり向かない
・アクトスを含むため浮腫や心不全に注意(特に女性)
・配合されているメトグルコの量が少なく、力不足の感はある

というものでした。

メタクトは「メトグルコ」と「アクトス」という2つの糖尿病治療薬が配合されたお薬ですので、お薬による治療を開始する際に、最初から投与する事は出来ません。

  • メトグルコを投与しているけど効果がまだ不十分
  • アクトスを投与しているけど効果がまだ不十分
  • メトグルコとアクトスを投与していて落ち着いている

といった方が検討すべきお薬になります。

メトグルコ(ビグアナイド系)とアクトス(チアゾリジン系)の両方が必要な糖尿病患者さんにとってメタクトは、お薬の量を減らす事ができ、飲み間違いや「お薬がたくさんあってイヤだ・・・」といった心理的抵抗を改善させるために効果的なお薬になります。

メトグルコもアクトスもどちらもインスリン抵抗性が生じている患者さんに向いているお薬ですので、メタクトは、

  • 肥満の方
  • 糖尿病歴が長い方

に特に向いているお薬になります。

ただしメタクトに含まれるメトグルコは、

  • 高齢者
  • 腎機能が悪い方
  • 肝機能が悪い方

にはあまり向きません。

またアクトスも、

  • 心不全の方
  • 重篤な肝障害の方
  • 重篤な腎障害の方

には使う事が出来ませんので、該当する方はメタクト以外の治療薬を用いるようにしましょう。

更にメタクトは含まれているメトグルコの量が少ないため、これは増量の余地が大きくありますので、結局は増量する事になる可能性が高いでしょう。

増量してしまうと、せっかく配合剤にして服薬回数を減らしたのに、そのメリットが薄れてしまいます。このように考えるとメタクトは配合錠のメリットを最大限に生かしきれていないお薬だと感じます。

糖尿病のお薬にはいくつか種類がありますが、大きく分けると3種類に分けられます。

1つ目が、血糖を下げるホルモンである「インスリン」の分泌を促すことで血糖を下げようとするお薬です。これには「スルホニル尿素(SU)薬」「グリニド系(速効型インスリン分泌促進薬)」「DPP4阻害薬」「GLP1作動薬」などがあります。

2つ目は、インスリン自体を分泌させるのではなく、インスリンの効きを高めることで血糖を下げるお薬です。これには「ビグアナイド(BG)剤」「チアゾリジン誘導体」などがあります。インスリンの作用は血液中の糖分を筋肉や脂肪などに取り込ませることですが、同じように血液中の糖分を筋肉や脂肪に取り込ませやすくするのがこれらのお薬の主な作用になります。

最後が、糖分を吸収しにくくしたり排泄しやすくするお薬です。血糖の吸収を穏やかにする「αグルコシダーゼ阻害剤」や、尿から糖をたくさん出すようにする「SGLT2阻害薬」などがあります。

この中でメタクトは、ビグアナイド系とチアゾリジン系の両方を含んだお薬になります。

7.お薬以外の糖尿病の治療法

お薬は疾患を治療するために重要な方法の1つです。

しかし糖尿病をはじめとした生活習慣病は、お薬だけでなく日々の生活を工夫する事も大切です。むしろこのような生活習慣の改善が主であり、お薬は補助的な役割だと考えるべきです。

実際に、糖尿病治療薬の添付文書には次のように書かれています。

本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。

「まずは食事・運動療法を行って、それでも効果が不十分な時のみお薬は使ってね」という事です。

では糖尿病を改善させるためには、どのように食生活・運動習慣を気を付けていけばいいのでしょうか。大切なポイントをお話します。

Ⅰ.規則正しく・バランスの良い食事を

食事は規則正しく食べる事が大切です。朝食・昼食・夕食と1日3食規則正しく食べましょう。

「1日1食しか食べない」
「朝食を抜いている」

このような不規則な食生活をすると糖尿病をむしろ悪化させる事もあります。

1日に食べる量が同じでも、3食に分けて少しずつ食べるのと、1食でドカッと食べるのとでは血糖値の上がり方が異なります。一気に大量に食べると血糖値が急激に上昇するため、全身の臓器も痛みやすくなります。

また食事回数が少ないと、間食で補ってしまう事が多々あります。アメやチョコレート、スナックなど、間食には糖質を多く含むものが多く、これも糖尿病をかえって悪化させます。

食事は、よく噛んでゆっくり食べる事も大切です。ゆっくり食べればゆっくり血糖値が上昇していきますので、急いで食べるよりも臓器への負担も少なくなります。

また食事内容のバランスも大切です。

近年は糖質制限などがもてはやされていますが、糖質はエネルギーとしてある程度は必要になります。極端な偏食をするのではなく、バランス良く摂取するようにしましょう。

推奨されているバランスは、

炭水化物:たんぱく質:脂質=45~60%:10~20%:25~35%

程度と言われています。

一人暮らしなどで食事バランスを十分に考えられないという方は、配食を利用するのも手です。近年はバランスが考えられた食事を冷凍で自宅まで送ってくれる業者もあります。

ウエルネスダイニング【低糖質・低カロリーご飯を配食してくれます】

ウエルネスダイニングでは、低糖質のご飯を配送してくれます。普通の米飯は1膳で250kcal(糖質55g)ほどありますが、こちらの米飯は1膳192kcal(糖質43.2g)に抑えられています。1日(3食)で考えれば約180kcalほど違ってきます。

彩ダイニング【食事療法用食を提供】

彩ダイニングでは、糖尿病の方に向けた副食(おかず)を配送してくれます。1食240kcalに抑えて作られており、炭水化物・タンパク質・脂質も理想的なバランスになるよう考えられています。

種類もたくさんあるため、飽きずに続ける事が出来ます。

Ⅱ.野菜を先に食べよう

食事を食べる際に、普通に食べるのと、野菜を先に食べて糖質を後で食べるのとでは後者の方が糖尿病が改善しやすいという報告があります。

これは野菜を先に食べる事で血糖値の上昇が緩やかになるためだと考えられています。

食事は野菜から先に食べるようにしましょう。

生活習慣上なかなか野菜を先に食べれないという方は、サプリメントを利用するという方法もあります。

食事前に食べる野菜ゼリー「ベジファス」

ベジファスは野菜に含まれる食物繊維を多く含んだゼリーで食事前に簡単に服用する事できます。ベジファスを最初に取る事で、血糖値の上昇を抑え、糖尿病を改善させやすくします。

Ⅲ.カロリー制限を

自分が1日に摂取してよいカロリーの上限を意識しておきましょう。

成人であればおおよそ1200~2000kcal/日になりますが、どのくらいのカロリーを摂取して良いかはその人の身長や活動量によって異なります。

摂取カロリーの決め方は「BMI×身体活動量」で簡易的に計算できます。

BMIは身長によって設定されている標準体重(理想的な体重)の事で、「BMI=身長(m)×身長(m)×22」で計算できます。

身体活動量は、日常で身体をどれくらい動かしているかで、

・軽労作:デスクワークが主・主婦など:25~30kcal
・中等度労作:立ち仕事が多い:30~35kcal
・重労作:力仕事が多い:35kcal~

と分けられます。

下表で自動で計算できますので、自分の1日摂取カロリーの上限を計算してみましょう。

[CP_CALCULATED_FIELDS id=”6″]

どうしても甘いものや炭水化物食を食べてしまうという方は、最近はカロリーゼロスイーツや低糖質食など工夫された食事もありますので、無理な制限をするのではなく、このような食べ物を上手に利用するのも手です。

▽ 低糖質のとんこつラーメン

糖尿病で食事制限をしているけど、ラーメンが食べたい、という時にお勧めです。一般的なとんこつラーメンは800kcal程度ありますが、このラーメンは糖質を極限までカットしており麺とスープを合わせても約300kcalと超低カロリーになっています。

味は、やはり一般的なラーメンと比べるとやや物足りなさを感じる方もいらっしゃいますが、アンケートでも高い満足度が得られています。

▽ カロリーゼロの和スイーツ

くずもち、わらびもち、あんみつ、ようかん、おしるこなど、年配の方が好まれる和菓子を超低カロリーで作っています。

Ⅳ.適度な運動を

血糖値を下げるためには適度な運動も必要です。

理想は毎日ですが、毎日まで行かなくても週3回以上、1回30分以上の運動習慣を目指しましょう。

無理な運動習慣は長続きしませんので、無理なく続けられる程度の運動を設定する事が大切です。

  • 毎日公園を散歩する
  • プールでゆっくり泳ぐ
  • ゆっくりジョギングやサイクリングする

などの負荷の低い運動でも十分に効果があります。日々続けていく事が何よりも大切です。

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