フリバス錠の効果と副作用【前立腺肥大症治療薬】

フリバス錠(一般名:ナフトピジル)は1999年から発売されているお薬で、排尿障害の治療薬になります。2006年にはOD錠(口腔内崩壊錠)も発売されました。

フリバスは尿道を広げることで排尿障害(尿が出にくくなる症状)を改善させます。特に前立腺の肥大によって尿道が押しつぶされてしまい、排尿障害が認められる場合に用いられています。

排尿障害治療薬にもいくつかの種類がありますが、その作用や特徴はそれぞれ違いがあります。

その中でフリバスはどのような特徴のあるお薬で、どのような患者さんに向いているお薬なのでしょうか。

ここではフリバスの特徴や効果・副作用を紹介させて頂きます。

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1.フリバスの特徴

まずはフリバスというお薬の総合的な特徴を簡単に紹介します。

フリバスは排尿障害の治療薬ですが、排尿障害(尿が出にくくなる症状)を改善させる作用に加えて、蓄尿障害(尿を溜めておけず、頻回に排尿するようになる症状)に対しての効果も期待できるという特徴があります。

フリバスをはじめとする排尿障害治療薬は、主に前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられます。

前立腺肥大症は前立腺が大きくなってしまう疾患です。前立腺は膀胱の下部にあり、尿道を囲むように位置しています。そのため、前立腺が肥大してしまうと尿道が圧迫され、尿が出にくくなってしまうのです。

フリバスは前立腺と尿道の筋肉に存在するα1A受容体という部位をブロックする作用があります。これにより前立腺と尿道の筋肉を緩め、尿道を広げるはたらきがあります。これにより尿を出やすくさせることができるのです。

ここまでは他の排尿障害治療薬と同じなのですが、フリバスはこの作用に加えて畜尿障害を改善させる作用も有しています。

フリバスは、膀胱に存在するα1D受容体をブロックする作用があります。α1D受容体が刺激されると膀胱は収縮して排尿が促されます。そのため過度にα1D受容体が刺激されてしまうと頻尿となってしまいます。

フリバスはα1D受容体をブロックする事で膀胱の収縮を起こしにくくさせます。これにより膀胱内に尿が溜まりやすくなり、頻尿を改善できるという効果も期待できるのです。

前立腺肥大症は高齢の男性に多い疾患ですが、フリバスはOD錠(口腔内崩壊錠)もある事も特徴です。OD錠とは、口の中で溶ける剤型の事で、水なしでも服用する事が出来ます。

高齢者のような飲み込む力(嚥下能)が弱くなっている方は、普通錠よりもOD錠の方が服用しやすいため、OD錠はこのような方々でも服用しやすい剤型です。

また作用時間も長く、1日1回の服用で十分な効果が得られるのも利点です。

以上からフリバスの特徴として以下のような点が挙げられます。

【フリバスの特徴】

・膀胱・前立腺に存在するα1A受容体をブロックし、排尿障害(尿が出にくくなる)を改善させる
・膀胱に存在するα1D受容体をブロックし、蓄尿障害(尿を溜めておけず頻尿になる)も改善させる
・作用時間が長く、1日1回の服用で良い
・OD錠もあるため、嚥下能の低下した高齢者でも使いやすい

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2.フリバスはどのような疾患に用いるのか

フリバスはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

前立腺肥大症に伴う排尿障害

前立腺肥大症とは、その名の通り前立腺が肥大する疾患です。前立腺は前立腺液を作る臓器で、これは精子の一部となる液です。男性にしかない臓器であるため、前立腺肥大症は男性特有の疾患になります。

なぜ前立腺が肥大するのかははっきりとは分かっていませんが、加齢や高血圧、高脂血症、遺伝などが関係すると言われています。特に加齢の影響は大きく、高齢者では高い確率で前立腺肥大症が認められます。

前立腺は膀胱の下部にある尿道を囲むようにして存在しています。そのため、前立腺が肥大すると尿道が圧迫され尿が出にくくなってしまいます。

フリバスは前立腺肥大症によって生じた排尿障害(尿が出にくくなる状態)に対して効果があるお薬だという事です。

ではフリバスは前立腺肥大症に伴う排尿障害に対してどのくらいの効果があるのでしょうか。

フリバスを3カ月以上、前立腺肥大症に伴う排尿障害を有する患者さんに用いた調査では、フリバスの改善率は56.1%と報告されています。

3.フリバスにはどのような作用があるのか

フリバスは主に前立腺肥大症に伴う排尿障害(尿が出にくい症状)に対して用いられるフリバスですが、具体的にはどのような作用機序を有しているのでしょうか。

フリバスの作用機序について紹介します。

Ⅰ.排尿障害を改善させる

フリバスは前立腺や尿道の平滑筋という筋肉に存在するα(アドレナリン)1A受容体をブロックする作用を持ちます。

α1A受容体がブロックされると、前立腺・尿道の平滑筋は弛緩する(緩む)事が知られています。そして筋肉が緩めば尿道は広がりやすくなります。これがフリバスの主な作用になります。

これによって、尿の出にくさ、排尿時痛、残尿感などの前立腺肥大症に伴う排尿障害の各症状の改善が期待できます。

Ⅱ.畜尿障害を改善させる

またフリバスは、α1A受容体だけでなく、α1D受容体をブロックするはたらきも持っています。

α1D受容体は刺激されると膀胱を収縮して排尿が促しますが、フリバスはこれをブロックする事で膀胱の収縮を起こしにくくさせます。

これにより膀胱内に尿を多く溜められるようになります。

少し膀胱に尿がたまっただけでα1D受容体が刺激されて頻尿になってしまうような方にとって、フリバスのα1D受容体をブロックする作用は、頻尿を抑えてくれる作用になるのです。

そのためフリバスは蓄尿障害を伴う前立腺肥大症にも良い適応となります。

ちなみにα1受容体は、前立腺・尿道以外の平滑筋にも存在しています。例えば血管の平滑筋にも存在しており、ここにも作用してしまうと血管が拡張してしまい血圧が下がってしまいます。

フリバスは前立腺・尿道の平滑筋に選択的に作用するように作られており、血管などその他の部位の平滑筋にはあまり作用しません。そのため、時には血圧低下などの副作用が起こりますが、その頻度は多くはありません。

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4.フリバスの副作用

フリバスにはどんな副作用があるのでしょうか。また副作用の頻度はどのくらいなのでしょうか。

フリバスの副作用発生率は3.28%と報告されています。

フリバスをはじめとしたα1受容体遮断薬は、安全性は高く、副作用の頻度は全体的に少なめです。

生じうる副作用としては、

  • めまい、ふらつき
  • 立ちくらみ、
  • 低血圧
  • 胃部不快感

などが報告されています。

また頻度は稀ですが重篤な副作用としては、

  • 肝機能障害、黄疸
  • 失神、意識消失

が報告されています。

先ほど説明した通り、フリバスはα(アドレナリン)1受容体をブロックするお薬です。前立腺・尿道の平滑筋に存在するα1受容体に選択的に作用するように作られてはいますが、時に他の部位に存在するα1受容体に作用してしまう事があります。

血管の平滑筋に存在するα1受容体に作用してしまうと血管が拡張し、血圧低下、めまい、ふらつき、立ちくらみなどが生じることがあります。ひどい場合だと稀に失神や意識障害などに至る事もないとは言えません。

また胃部不快感などの消化器症状の報告もあります。

フリバスは主に肝臓で代謝されます。そのため、肝障害が生じることがあり、それに伴い血液検査で肝臓系酵素の上昇が認められることがあります。AST、ALTなどの肝臓系酵素の上昇が生じることもあることが報告されており、肝機能障害に伴う黄疸が出ることも報告されています。

特に肝障害が元々ある方は特に注意しなければいけませんので、事前に主治医に自分の病気についてしっかりと伝えておきましょう。

5.フリバスの用法・用量と剤形

フリバスは次の剤型が発売されています。

フリバス錠 25mg
フリバス錠 50mg
フリバス錠 75mg

フリバスOD錠 25mg
フリバスOD錠 50mg
フリバスOD錠 75mg

フリバスの使い方は、

通常成人には1回1回25mgより投与を始め、効果が不十分な場合に1~2週間の間隔をおいて50~75mgに漸増し、1日1回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は75mgまでとする。

と書かれています。

フリバスは半減期が約10~20時間ほどのお薬です。半減期とは、お薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、そのお薬の作用時間の一つの目安になる数値です。半減期には幅がありますが、おおよそ1日持つと考えられており1日1回の服用とされています。

またフリバスは食事の影響をほとんど受けないと報告されています。添付文書上は食後の服用となっていますが、空腹時(例えば寝る前など)に服薬しても、同様の効果が得られるという事になります。

6.フリバスが向いている人は?

以上からフリバスが向いている人はどんな方なのかを考えてみましょう。

フリバスの特徴をおさらいすると、

【フリバスの特徴】

・膀胱・前立腺に存在するα1A受容体をブロックし、排尿障害(尿が出にくくなる)を改善させる
・膀胱に存在するα1D受容体をブロックし、蓄尿障害(尿を溜めておけず頻尿になる)も改善させる
・作用時間が長く、1日1回の服用で良い
・OD錠もあるため、嚥下能の低下した高齢者でも使いやすい

などがありました。

ここから、

・排尿障害だけでなく、蓄尿障害も認める方
・OD錠(口腔内崩壊錠)が良いという方
・1日に何回も服薬したくない方

などにとって向いているお薬となるでしょう。

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