ラキソベロン(一般名:ピコスルファートナトリウム)は1980年から発売されている下剤(瀉下薬、便秘薬)になります。
ラキソベロンは大腸刺激性下剤という種類に属し、比較的安全性が高い割にしっかりとした排便効果を得られるという特徴があるため、現在でも広く用いられています。
下剤は飲んでからすぐに効くというイメージを持っている方が多いようですが、ラキソベロンは服用してからどれくらいの時間が経てば効果が出てくるのでしょうか。
ラキソベロンが効くまでにかかる時間について紹介します。
1.服薬してから7~12時間後に効果が出る
ラキソベロンは、服用してから7~12時間後に排便が得られることが多いと報告されています。
実際、ラキソベロンのインタビューフォームには次のように記載されています。
【作用発現時間・ 持続時間】
(内用液)
各種便秘症の患者513例を対象にラキソベロン液を就寝前に成人3~20滴、小児1~15滴を投与した。その結果、約89%の症例において投与1日目に排便がみられ、そのうち効果発現が明らかな341例の約52%の症例において7~12時間後に排便がみられた。(錠)
常習性便秘の患者を対象にラキソベロン錠2~3錠を7日間投与した。解析対象85例における改善度は、著明改善39例(45.9%)、中等度改善31例(36.5%)であり、副作用は認められなかった。効果発現時間は9~10時間および11~12時間が大部分で あった。
お薬の効きには個人差がありますから、必ずこの時間で排便が得られるわけではありませんが、平均すると7~12時間後に排便が得られることが多いようです。そのため、まず最初は、この時間を目安にして服用時間を決めると良いでしょう。
2.何で効くまでに時間がかかるのか?
ラキソベロンを服薬してから、排便が得られるまで約半日ほどの時間がかかります。
こんなに時間がかかるのはなぜでしょうか?
それは、ラキソベロンは大腸で効果を発揮するお薬ですが、口から入ったラキソベロンが大腸に到達するまでに時間がかかるからです。
通常、私たちが食事を摂取すると、その食事が大腸に到達するまでには半日~1日ほどかかります。ラキソベロンは大腸以外の腸管ではほとんど吸収されないため、食物と比べれば早く大腸まで到達しますが、それでも6~7時間はかかります。
大腸に到達したラキソベロンは、大腸に存在する腸内細菌によって分解され、活性型ジフェノール体という物質になります。この活性型ジフェノール体が、腸管の動きを活性化したり、腸管から身体に水分が吸収されるのを阻害し、下剤として作用します。
実際に排便が得られるまでにはある程度の時間がかかるのです。
3.効くまでの時間には個人差がある
ラキソベロンに限らず、どんなお薬でもそうですが、お薬の効きには個人差があります。
ラキソベロンは服用後7~12時間くらいして排便が得られることが多いとは報告されているものの、これはあくまでも平均値であり、実際はそれよりも短時間で効果が出る方もいれば、効果が出るまでにより長時間かかる方もいます。
そのため、最初は平均値を参考に服用時間を決めますが、その後は実際に効果が出るまでにかかった時間を参考にして服用時間は適宜調整して構いません。主治医と相談しながら、自分にとって最適な服用時間を見つけてください。