ラキソベロン液(ピコスルファートナトリウム)は、主に便秘の方を対象に用いられる下剤です。
大腸刺激薬という種類に属し、大腸を刺激することで大腸の動きを促進します。腸の動きが良くなれば便が出やすくなるため、ラキソベロンは下剤として作用するのです。ラキソベロンは大腸の作用することで、しっかりと排便効果が得られるお薬です。古いお薬ですが、今でも便秘の患者さんに広く用いられています。
ラキソベロンの特徴は、「液剤」である事です。ラキソベロンの錠剤もありますが、液剤の方が人気があり、多く処方されています。
しかし液剤というのは使い慣れない剤型であるため、「どうやって使えばいいのか」と疑問に思ってしまう方もいらっしゃるようです。
そこでここでは、ラキソベロン液の使い方について紹介させて頂きます。
1.ラキソベロン液はどんな形なの?
お薬と言えば、錠剤が一般的です。そのため「液剤」と言っても、どんなものなのかイメージが沸かない方もいらっしゃるかもしれません。
ラキソベロン液は高さ5cmほどの小さなボトルに入っています。ボトルをつまんで押す事で液が滴下されます。ちょっと大きめの目薬といった感じでしょうか。見た目が眼科で処方される目薬と似ているためか、ラベルには「目には入れないこと」と赤字で注意が書かれています。
2.ラキソベロン液の使い方
ではこの液剤であるラキソベロン液は、どのように使用すればいいのでしょうか。
コップ1杯ほどのお水にラキソベロン液を何滴か垂らして飲む、というのが標準的な服用法です。直接口に垂らすのではなく、水で薄めて服用してください。
滴下する量が多いほど大腸を刺激する力が強くなり、排便させる力も高くなります。
添付文書的には、成人であれば10~15滴ほどと書かれていますので、まずはこれくらいの量を滴下してみるのがいいでしょう。効きには個人差がありますので、効かないあるいは効きすぎるという場合には主治医と相談の上、増減する事も可能です。
具体的には、まずは10~15滴で使用してみて数日様子を見てみます。それでちょうどよければそのままの用法でいいでしょう。便秘が続くようであれば、2~3滴ずつ増やしていきましょう。反対に下痢・軟便になるようであれば2~3滴ずつ減らしていきます。
実際に臨床でラキソベロン液を使用している患者さんを見ていても、効きには個人差が大きくあります。5滴でも下痢になってしまう人もいれば、20滴入れても出ないという人もいます。最初は少量から始め、少しずつ増やしていき、自分に合う量を見つけていきましょう。
ただし、いくらでも増やしてもいいというわけではありません。
ラキソベロンは大腸を刺激する事により、大腸の動きを促進させ、排便を促すお薬です。ラキソベロンを大量に投与すれば、大腸を刺激しすぎてしまうことになり、腹痛などの原因となります。
またラキソベロンには多少の耐性があるため、大量投与を続けていると、だんだんと大腸がラキソベロンの刺激に慣れてしまい、効きずらくなってきます。
20滴以上の使用が続くようであれば、ラキソベロン液以外の方法でも排便コントロールの工夫をする必要があるでしょう。主治医と相談して、他の下剤を併用したり、生活習慣の改善をしたり工夫してみてください。
3.ラキソベロン液はいつ飲めばいいの?
ラキソベロン液を飲むタイミングは、いつが良いのでしょうか。
これも個人差がありますので、自分にとって最適な時間帯を見つける必要がありますが、一般的には服用してから8~12時間くらいで効果が出現すると言われていますので、最初はこの時間を目安として飲む時間を決めると良いでしょう。
服用する時間としてもっとも多いのは、眠前(寝る前)です。眠前に飲めば、ちょうど朝起きて少し経った時に排便できるためです。反対に、昼や夕方に服用してしまうと、夜中に便意が生じてしまい、睡眠が中断されてしまう可能性があります。
ただし実際は効果が出現する時間には個人差があります。服用してから6時間で効果が出る人もいれば、12時間以上かかる人もいます。そのため、8~12時間というのは目安として考え、実際は自分にとって最適な時間帯で服用して構いません。
4.ラキソベロン液はどんな味なの?
ラキソベロン液は水に溶かして服用します。また、ラキソベロンは安全性が高く、乳児・小児などに用いられることもあるお薬です。
液体となると、その味が気になる方もいらっしゃいます。特に子供は味によってはお薬を飲んでくれないこともありますから気になりますよね。
ラキソベロン液は、味としては「甘い」味がします。子供でも飲みやすいように、という配慮からでしょうか。しかし実際はコップ1杯ほどの水に溶かして服用するため、ほとんど味を感じないという方も少なくありません
ラキソベロン液を服用するに当たって、「味がイヤで飲めない」という意見はほとんど効きません。中には「甘ったるい感じがちょっと苦手」という方もいますが、服用を拒否するまでの方はあまりいない印象があります。