３．スチブロンと似た作用のある市販薬
スチブロンと同じ強さのステロイド外用剤は市販されていません。
そのためスチブロンと同等の強さのステロイドが必要な皮膚状態の場合は、安易に市販薬で解決しようとせず、何とか時間を作って皮膚科を受診する事をおすすめします。
一方でなかなか病院を受診する時間が取れず、かつ「スチブロンで大分皮膚状態がよくなっていてステロイドを弱めて良い状態」と判断される場合では、市販薬のステロイドでもとりあえず対処できる可能性があります。
では、市販薬の中でスチブロンと似た作用が期待できる市販薬にはどのようなものがあるでしょうか。代表的なものをいくつか紹介します。
Ⅰ．ベタメタゾン吉草酸エステル
ベタメタゾン吉草酸エステルはⅢ群に属するステロイドで、処方薬としては「リンデロンV」というステロイドに含まれています。
市販薬では「ベトネベート」などの名称で販売されています。
スチブロンよりは一段階弱いステロイドになりますが、まずまずの強さを有しています。
市販されているステロイドの中では、Ⅲ群に属するこの「ベタメタゾン吉草酸エステル」がもっとも強く、もっともスチブロンに近い強さになります。
Ⅱ．プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルはⅢ群に属するステロイドで、処方薬としては「リドメックスコーワ」というステロイドに含まれています。
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルはⅢ群の中でも弱いお薬で、Ⅳ群に位置付けられる事もあり、Ⅲ群とⅣ群の間くらいのイメージの強さです。
スチブロンより弱く、また上記のベタメタゾン吉草酸エステルよりもややステロイドになりますので、スチブロンを使っていた時よりも皮膚状態がある程度改善している時に検討される外用剤になります。
市販薬では「リビメックスコーワ」などの名称で販売されています。
Ⅲ．ヒドロコルチゾン酪酸エステル
ヒドロコルチゾン酪酸エステルはⅣ群に属するステロイドで、処方薬としては「ロコイド」というステロイドに含まれています。
スチブロンと比べるとかなり弱いステロイドになります。
市販薬では「ロコイダン」などの名称で販売されています。
４．皮膚トラブルは医師に相談しましょう
スチブロンと全く同じ強さのステロイド外用剤は市販薬にはありません。しかし一段階弱い市販薬であれば、ドラッグストアなどで簡単に購入する事が出来ます。
忙しくてなかなか病院を受診できない方は、「似たようなものを自分で買ってしまおう」と考えられる事もあるでしょう。
しかしもし少しでも時間に余裕があるのであれば、やはり出来る限り皮膚科医の診察を受けて、自分に最適なお薬を処方してもらって欲しいと考えます。
受診して処方してもらうとなると、市販薬ではなく処方薬になるため、欲しいと言えば処方してもらえるものではなく、医師が治療に必要と判断しなければ処方してもらえません。しかし、本当にスチブロンが必要な状態なのであれば、病院を受診して医師に処方してもらった方が安価ですし、何よりも正しい診断に基づいた正しい治療を行えます。
お忙しい方は、なかなか受診する時間が取れない事もあり、つい「市販薬で何とかならないかな」と考えてしまいます。しかし皮膚のトラブルで悩んでいるのであれば自分の不正確な診断で市販薬を塗るのではなく、出来るだけ時間を作って皮膚科を受診するようにしましょう。