トルリシティ皮下注の効果と副作用【糖尿病治療薬】

トルリシティ皮下注アテオス(一般名:デュラグルチド)は、2015年から発売されている糖尿病の治療薬になります。糖尿病の治療薬の中でも「GLP1アナログ製剤」という種類に属します。

トルリシティはインクレチン関連薬と呼ばれ、「インクレチン」というホルモンと同じようなはたらきをする物質を投与する事で血糖値を下げます。インクレチンは元々私たちの小腸から分泌されているホルモンで安全に血糖を下げるシステムを有しているため、インクレチン関連薬も安全に、かつしっかりと血糖を改善させる事が出来ます。

糖尿病治療薬にもたくさんの種類のお薬がありますが、これらの中でトルリシティはどのような位置付けのお薬になるのでしょうか。

ここではトルリシティの特徴や効果・副作用についてみていき、どのような方に適したお薬なのかを考えていきましょう。

 

1.トルリシティの特徴

まずはトルリシティの特徴について、かんたんに紹介します。

トルリシティはGLP1(インクレチン)というホルモンに似た物質になり、安全にかつしっかりと血糖を下げるお薬です。

飲み薬ではなく自分で皮下に注射するお薬になり、週に1回注射すれば1週間効果が持続します。

トルリシティは「インクレチン関連薬」と呼ばれるお薬です。ではインクレチンとは何でしょうか。

インクレチンは私たちの小腸から分泌されているホルモンで、インスリンを分泌させるはたらきがあります。インスリンは血糖を下げるはたらきがあるため、インスリンを増やすインクレチンも血糖を下げるはたらきがあるという事です。

インクレチンの優れている点は、血糖値に応じてインスリンを分泌させる力が変わるという点です。

血糖が高い時はインスリンをしっかり分泌させて血糖値をしっかりと下げます。反対に血糖値が低い時はインスリンをあまり分泌させないため血糖値はそれ以上下がりません。インクレチンは血糖値を感知しながらインスリン量を調整してくれるホルモンなのです。

そしてこのインクレチンの1つがGLP1(ヒトグルカゴン様ペプチド1)です。GLP1は血糖値が高いとそれを感知して小腸下部から分泌されます。

トルリシティは人工的に作られたGLP1になります。これを投与する事により、血糖が高い時にのみ効率的に血糖値を低下させ、血糖値が低い時にはそれ以上血糖値を下げないという安全な糖尿病治療が可能になります。

ちなみにGLP1はDPP4という酵素によって分解されてしまうため、普通にGLP1を投与してもすぐに効果がなくなってしまい、あまり効果が得られません。この問題点に対して、トルリシティはGLP1のアミノ酸配列を人工的に加工する事でDPP4による分解を受けにくくし、長時間作用するように改良されています。

その半減期(お薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間)は約4.5日と報告されており、投与1週間後まで効果は持続します。

トルリシティはGLP1を直接体内に入れるため、強力に血糖値を改善させます。その効果は(個人差もありますが)飲み薬よりも高く、飲み薬で最も効果が強いと言われるSU剤よりも強力です。

副作用としては、特に開始初期に胃腸系の副作用(便秘、下痢、悪心、胃部不快感など)が目立ちますが、お薬の投与を続けていくうちに自然と改善していく事も多く、重篤になる事は稀です。

注射剤であるため、どうしても投与時に痛みが多少生じる可能性があります。メーカーの話では痛みを感じる患者さんはほぼいなかったとの事ですが、針を刺すわけですので、痛みを感じる可能性はありえます。

また、薬価が高い(1本約3,600円)というデメリットもあります。もちろん保険診療ですので全額自己負担ではありませんが、1か月で4本使いますので、その3割負担と考えても、4,320円とまずまずの薬価です。

以上からトルリシティの特徴として次のようなことが挙げられます。

【トルリシティ皮下注アテオスの特徴】

・インクレチン(GLP1)に似た物質を投与する事で安全に血糖を下げるお薬である
・血糖が高い時だけインスリンの分泌を促す
・血糖が低い時はインスリンの分泌を促さないため、低血糖が生じにくい
・血糖を下げる力は強力で一般的な経口剤よりも強い
・自己注射剤であり投与時に痛みを多少感じる事もありうる
・投与初期に胃腸系の副作用が多い
・薬価が高い

 

2.トルリシティはどのような疾患に用いるのか

トルリシティはどのような疾患に用いられるのでしょうか。添付文書には次のように記載されています。

【効能又は効果】

2型糖尿病

トルリシティは血糖を下げる作用を持つお薬ですから、糖尿病に使われます。

糖尿病には1型と2型があります。

1型は自己免疫性の疾患で、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する細胞が破壊されてしまう疾患です。β細胞が破壊されてしまっていればインスリンが分泌できないため、血糖は高くなってしまいます。

2型は一般的な糖尿病で、糖分を摂取しすぎたり肥満などによってインスリンの効きが悪くことで生じてしまうものです。

トルリシティは2型糖尿病に対して用いられます。2型糖尿病ではまずはお薬を使う前に食事療法(規則正しくバランスの良い食事を指導する)や運動療法(適度な運動を指導する)が行われます。

これら食事療法や運動療法を行っても改善が得られない時、トルリシティのようなお薬が検討されます。

トルリシティを投与すると、糖尿病はどのくらい改善するのでしょうか。

効果には個人差がありますが、トルリシティ0.75mgの投与を12週間続けた調査では、血糖の平均値であるHba1cをおおよそ1.35%下げたと報告されています。

また長期の投与でも、Hba1cをおおよそ1.4%前後下げる事が報告されています。

トルリシティは血糖を下げる力が強力な割に、低血糖などの重篤な副作用を起こしにくく、効果と副作用のバランスに優れるお薬です。

しかし自己注射剤である事や薬価が高い事から、現状そこまで多くは使われていません。

 

3.トルリシティにはどのような作用があるのか

トルリシティはGLP1というホルモンに似た物質を投与する事で糖尿病を改善するお薬です。

ここではトルリシティの詳しい作用について紹介します。

 

Ⅰ.インクレチンを増やす

トルリシティはインクレチンの1つであるGLP1製剤ですので、トルリシティの作用機序を知るには、まずはインクレチンについて知らなければいけません。

インクレチンというのは、私たちの身体の中に元々あるホルモンで、GLP-1(Glucagon-Like Peptide1)の他、GIP(Glucose-dependent Insulinotropic Polypeptide)などがあります。

GLP1は血糖値が上がってくると小腸下部から分泌され、膵臓のβ細胞上にあるGLP1受容体に結合します。これによりインスリン(血糖を下げるホルモン)の分泌を促します。またグルカゴン(血糖を上げるホルモン)を減らすことで血糖値がこれ以上上がらないようにするはたらきもあります。

インクレチンは、ただ血糖を下げる指令を出すだけではありません。インクレチンのすごいところは血糖が下がりすぎないような仕組みを持っていることです。インクレチンは血糖が高い時だけインスリンをしっかりと分泌させ、血糖が低い時にはインスリンをあまり分泌させないという仕組みを持っており、これによって血糖が高い時のみ血糖を下げ、血糖が低い時はそれ以上血糖を下げないのです。

糖尿病治療を行う際、例えばSU剤などのお薬はインスリンそのものの分泌量を増やします。これはしっかりと血糖を下げますが、血糖が低い時も更に下げてしまうため、低血糖のリスクが出てきます。低血糖は意識レベルが低下し、最悪の場合は命にも関わるような重篤な副作用です。

これに対してトルリシティ(GLP1アナログ製剤)は、インスリンそのものを増やすのではなくインクレチン(GLP1)を増やします。

GLP1はインスリンの分泌を促しますが、直接インスリンを分泌させるのではなくGLP1を介してインスリンを間接的に分泌させます。

GLP1が膵臓β細胞にあるGLP1受容体にくっつくとインスリンが分泌されますが、β細胞はインスリンを分泌する際に血糖を取り込んでそれをエネルギーとしてインスリンを分泌します。という事は血糖が低い時はたとえGLP1受容体が刺激されてもインスリンは分泌しにくいという事です。

このようにGLP1を増やす事で、血糖が高い時にはよりしっかりと血糖を下げてくれつつ、血糖が低くなってしまったときには血糖を下げすぎない、という理想的な治療が可能になります。

 

Ⅱ.膵臓のβ細胞を保護する

GLP1製剤は、膵臓のβ細胞を保護する作用があるのではないかと推測されています。

膵臓β細胞はインスリンという血糖を下げるホルモンを作る細胞ですので、β細胞が保護されればインスリンの分泌がスムーズに行えるようになり、血糖も上昇しにくくなります。

実際、動物実験(ラット)の膵臓β細胞にGLP1製剤を投与すると、

  • β細胞の細胞死が減少する
  • β細胞の増殖が促進する
  • β細胞の容積が増える

事が報告がされています。ヒトでも同じような効果がある可能性は十分にあり、今後の報告が待たれるところです。

糖尿病治療薬の中には、このβ細胞を傷付けてしまうものもあります。例えばβ細胞を直接刺激してインスリンを分泌させるお薬にSU薬(スルホニルウレア薬)があります。

SU薬は血糖を下げる力は強力で頼れるお薬なのですが、β細胞から無理矢理インスリンを「絞り出す」ような作用のため、長期的に見るとβ細胞が傷ついてしまいます。実際、長期間SU薬を使用していると、だんだんと効きが悪くなることが知られており、これを二次無効と呼びます。

二次無効は、SU薬によってβ細胞がダメージを受けすぎた結果生じるものです。

これに対してGLP1アナログ製剤は、β細胞を傷付けるのではなく、反対に保護するような作用があることが推測されています。

 

Ⅲ.食欲抑制作用

GLP-1は食欲中枢にはたらきかけ、食欲を抑えるはたらきがあることが報告されています。

また胃の動きを抑制する事で、お腹に食べ物が溜まりやすくなり、満腹を感じやすくする作用もあります。

これは腹部膨満感や胃部不快感といった副作用となる事もありますが、早期に満腹感を感じるようになるため食欲の抑制につながるという良い作用でもあります。

となると、GLP-1を増やす作用があるトルリシティにもこの作用があることが推測されます。

 

Ⅳ.心保護作用

GLP-1は、ナトリウムの排泄を促進することで血圧を下げたり、心筋(心臓の筋肉)を保護する作用があり、これにより心保護作用を持つ可能性が報告されています。

となると、GLP-1を増やす作用があるトルリシティにも心保護作用があることが推測されます。

 

4.トルリシティの副作用

トルリシティにはどのような副作用があるのでしょうか。また副作用の頻度はどのくらいなのでしょうか。

トルリシティの副作用発生率は29.7%と報告されていますが、トルリシティは基本的には安全性に優れるお薬です。

生じる副作用としては、

  • 便秘
  • 悪心
  • 下痢

などが報告されています。

トルリシティは特に開始初期に胃腸系の副作用が出やすいのが特徴です。これはトルリシティをはじめとしたGLP1製剤は、胃の動きを抑える作用があるためです。

多くは軽度にとどまり、数週間で自然と改善していきます。ただし症状がひどい場合は減量あるいは中止を検討する事もあります。

頻度は稀ですが重大な副作用として、

  • 低血糖症
  • 膵炎
  • 腸閉塞

が報告されています。

トルリシティを使えない方というのは少ないのですが、下記の状態の方には禁忌(絶対に使ってはいけない)となっています。

  • トルリシティの成分に対し過敏症の既往歴のある方

また下記に該当する方は、トルリシティで治療するのではなくよりインスリン製剤による厳格・速やかな治療が必要になるため、同様にトルリシティを使用することは出来ません。

  • 重症感染症、手術等の緊急の場合
  • 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病の方

トルリシティは妊婦さんには禁忌にはなっていませんが、安全性は確立していないため、基本的には使用しない事が勧められています。

 

5.トルリシティの用法・用量と剤形

トルリシティは、

トルリシティ皮下注アテオス 0.75mg

の1剤型のみがあります。

「アテオス」というのは製造メーカーが作った注射キットの名称の事です。「アテオス」というキットの中に「トルリシティ」というお薬が入っているという意味になります。

アテオスは毎回使い捨て型のキットになり、1キット0.5ml中に主成分であるデュラグルチドが0.75mg入っています。針も最初から付けられていますので、そのまま使う事ができます。

注射針は29Gと、一般的にインスリン注射で使われる針(32G)より太くなりますが、刺入時の痛みはほぼ感じないという方がほとんどです。

注射針はG(ゲージ)が大きいほど細くなります。ちなみに一般的な採血や点滴で使われるのは22~23Gです。

トルリシティの使い方は、

通常、成人には、0.75mgを週に1回、皮下注射する。

となっています。

注射頻度は週に1回ですが、必ず注射する曜日を固定し、等間隔で投与するようにしましょう。

投与する曜日・時間帯は毎回固定すればいつでも構いませんし、食前でも食後でも問題ありません。

ではもし予定されていた日に注射するのを忘れてしまったらどうすればいいのでしょうか。思い出した時点で打った方がいいのでしょうか。それとも次の投与予定日まで待った方がいいのでしょうか。

これに関しては打ち忘れてから何日経っているかによって対応は異なります。

次回の投与予定日までの期間が3日以上(72 時間以上)ある場合は、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与します。

次回の投与予定日までの期間が3日未満(72 時間未満)の場合は、トルリシティを投与しないで、次のあらかじめ定めた曜日からまた投与再開とします。

また投与する曜日を変更したい場合は、最終投与日から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けてから新しい曜日への投与を開始するようにしてください。

注射する部位は、

  • 腹部(おなか)
  • 大腿(ふともも)
  • 上腕(にのうで)

が推奨されています。これはこれらの部位が比較的皮下脂肪が多いためです。

毎回同じ部位に注射を続けてしまうと、皮膚がへこんだりふくれたりしてしまう事がありますので、注射場所は毎回変更する必要があります。

保管時の注意点として、使用前は冷蔵庫で保管する事が勧められています(2~8℃で遮光保存)。やむを得ず室温で保存する場合は、遮光の上で14日以内に使用する必要があります。

またトルリシティは皮下注射剤であるためインスリンだと勘違いされる方が時々いらっしゃいますが、これはインスリンではなくGLP1製剤ですので間違えないようにしましょう。

 

6.トルリシティが向いている人は?

以上から考えて、トルリシティが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。

トルリシティの特徴をおさらいすると、

【トルリシティ皮下注アテオスの特徴】

・インクレチン(GLP1)に似た物質を投与する事で安全に血糖を下げるお薬である
・血糖が高い時だけインスリンの分泌を促す
・血糖が低い時はインスリンの分泌を促さないため、低血糖が生じにくい
・血糖を下げる力は強力で一般的な経口剤よりも強い
・自己注射剤であり投与時に痛みを多少感じる事もありうる
・投与初期に胃腸系の副作用が多い
・薬価が高い

というものでした。

トルリシティをはじめとしたGLP1アナログ製剤は、血糖を下げる力が強力であり、なおかつ安全性も高いため、優秀なお薬になります。

更にトルリシティは週1回の注射で良いという点も大きなメリットです。

ただしデメリットとして、

  • 注射である
  • 薬価が高い

という点が挙げられ、これらの理由からあまり多くは使われていません。

トルリシティはインスリンと同じく皮下に注射します。皮下注射は慣れてしまえば難しいものでもありませんし、痛みも気になるほどではありませんが、そうは言っても注射と聞くと「毎回面倒そう」「痛そう」と避けてしまう方が多いのです。

また薬価は高く、月10,000円以上になります。保険が効きますので、実際に患者さんが支払うのは1~3割になり非常に高額というわけではありませんが、飲み薬の糖尿病治療薬と比べれば高価であるのは変わりありません。

このような特徴から、

  • 飲み薬の糖尿病治療薬では効果不十分である方
  • 毎日お薬を服用するのが面倒という方
  • 注射にあまり抵抗がなく、しっかり治るのであれば使っても良いと考えられる方

に向いているお薬となります。

糖尿病のお薬にはいくつか種類がありますが、大きく分けると3種類に分けられます。

1つ目が、血糖を下げるホルモンである「インスリン」の分泌を促すことで血糖を下げようとするお薬です。これには「スルホニル尿素(SU)薬」「グリニド系(速効型インスリン分泌促進薬)」「DPP4阻害薬」「GLP1アナログ製剤」などがあります。

2つ目は、インスリン自体を分泌させるのではなく、インスリンの効きを高めることで血糖を下げるお薬です。これには「ビグアナイド(BG)剤」「チアゾリジン誘導体」などがあります。インスリンの作用は血液中の糖分を筋肉や脂肪などに取り込ませることですが、同じように血液中の糖分を筋肉や脂肪に取り込ませやすくするのがこれらのお薬の主な作用になります。

最後が、糖分を吸収しにくくしたり排泄しやすくするお薬です。血糖の吸収を穏やかにする「αグルコシダーゼ阻害剤」や、尿から糖をたくさん出すようにする「SGLT2阻害薬」などがあります。

この中でGLP1アナログ製剤であるトルリシティは1つ目のインスリンの分泌を促すお薬になります。

 

7.お薬以外の糖尿病の治療法

お薬は疾患を治療するために重要な方法の1つです。

しかし糖尿病をはじめとした生活習慣病は、お薬だけでなく日々の生活を工夫する事も大切です。むしろこのような生活習慣の改善が主であり、お薬は補助的な役割だと考えるべきです。

実際に、糖尿病治療薬の添付文書には次のように書かれています。

本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。

「まずは食事・運動療法を行って、それでも効果が不十分な時のみお薬は使ってね」という事です。

では糖尿病を改善させるためには、どのように食生活・運動習慣を気を付けていけばいいのでしょうか。大切なポイントをお話します。

 

Ⅰ.規則正しく・バランスの良い食事を

食事は規則正しく食べる事が大切です。朝食・昼食・夕食と1日3食規則正しく食べましょう。

「1日1食しか食べない」
「朝食を抜いている」

このような不規則な食生活をすると糖尿病をむしろ悪化させる事もあります。

1日に食べる量が同じでも、3食に分けて少しずつ食べるのと、1食でドカッと食べるのとでは血糖値の上がり方が異なります。一気に大量に食べると血糖値が急激に上昇するため、全身の臓器も痛みやすくなります。

また食事回数が少ないと、間食で補ってしまう事が多々あります。アメやチョコレート、スナックなど、間食には糖質を多く含むものが多く、これも糖尿病をかえって悪化させます。

食事は、よく噛んでゆっくり食べる事も大切です。ゆっくり食べればゆっくり血糖値が上昇していきますので、急いで食べるよりも臓器への負担も少なくなります。

また食事内容のバランスも大切です。

近年は糖質制限などがもてはやされていますが、糖質はエネルギーとしてある程度は必要になります。極端な偏食をするのではなく、バランス良く摂取するようにしましょう。

推奨されているバランスは、

炭水化物:たんぱく質:脂質=45~60%:10~20%:25~35%

程度と言われています。

一人暮らしなどで食事バランスを十分に考えられないという方は、配食を利用するのも手です。近年はバランスが考えられた食事を冷凍で自宅まで送ってくれる業者もあります。

 

ウエルネスダイニング【低糖質・低カロリーご飯を配食してくれます】


ウエルネスダイニングでは、低糖質の食事を宅配してくれます。

普通の米飯は1膳で250kcal(糖質55g)ほどありますが、こちらの米飯は1膳192kcal(糖質43.2g)に抑えられています。1日(3食)で考えれば約180kcalほど違ってきます。

 

彩ダイニング【食事療法用食を提供】


彩ダイニングでは、糖尿病の方に向けた副食(おかず)を配送してくれます。

1食240kcalに抑えて作られており、炭水化物・タンパク質・脂質も理想的なバランスになるよう考えられています。

種類もたくさんあるため、飽きずに続ける事が出来ます。

 

Ⅱ.野菜を先に食べよう

食事を食べる際に、普通に食べるのと、野菜を先に食べて糖質を後で食べるのとでは後者の方が糖尿病が改善しやすいという報告があります。

これは野菜を先に食べる事で血糖値の上昇が緩やかになるためだと考えられています。

食事は野菜から先に食べるようにしましょう。

生活習慣上なかなか野菜を先に食べれないという方は、サプリメントを利用するという方法もあります。

 

食事前に食べる野菜ゼリー「ベジファス」


ベジファスは野菜に含まれる食物繊維を多く含んだゼリーで食事前に簡単に服用する事できます。ベジファスを最初に取る事で、血糖値の上昇を抑え、糖尿病を改善させやすくします。

 

Ⅲ.カロリー制限を

自分が1日に摂取してよいカロリーの上限を意識しておきましょう。

成人であればおおよそ1200~2000kcal/日になりますが、どのくらいのカロリーを摂取して良いかはその人の身長や活動量によって異なります。

摂取カロリーの決め方は「BMI×身体活動量」で簡易的に計算できます。

BMIは身長によって設定されている標準体重(理想的な体重)の事で、「BMI=身長(m)×身長(m)×22」で計算できます。

身体活動量は、日常で身体をどれくらい動かしているかで、

・軽労作:デスクワークが主・主婦など:25~30kcal
・中等度労作:立ち仕事が多い:30~35kcal
・重労作:力仕事が多い:35kcal~

と分けられます。

下表で自動で計算できますので、自分の1日摂取カロリーの上限を計算してみましょう。

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どうしても甘いものや炭水化物食を食べてしまうという方は、最近はカロリーゼロスイーツや低糖質食など工夫された食事もありますので、無理な制限をするのではなく、このような食べ物を上手に利用するのも手です。

 

Ⅳ.適度な運動を

血糖値を下げるためには適度な運動も必要です。

理想は毎日ですが、毎日まで行かなくても週3回以上、1回30分以上の運動習慣を目指しましょう。

無理な運動習慣は長続きしませんので、無理なく続けられる程度の運動を設定する事が大切です。

  • 毎日公園を散歩する
  • プールでゆっくり泳ぐ
  • ゆっくりジョギングやサイクリングする

などの負荷の低い運動でも十分に効果があります。日々続けていく事が何よりも大切です。