ユリーフOD錠と普通錠のそれぞれの特徴と違い

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ユリーフ(一般名:シロドシン)は前立腺肥大症の治療薬で、「普通錠」と「OD錠」の2種類の剤型があります。

どちらも含まれている主成分は同じであり、身体の中に吸収されてしまえばお薬としての効果・効能に違いはありません。しかしOD錠(口腔内崩壊錠)は、「口の中で溶ける」という剤型上の特徴があります。

普通錠とOD錠はどのような違いがあり、それぞれどのような利点・欠点があるのでしょうか。またユリーフ錠とユリーフOD錠はそれぞれ、どのような方に向いているのでしょうか。

ここではユリーフ錠とユリーフOD錠のそれぞれの特徴と違い、また使い分けについて説明させて頂きます。

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1.OD錠が持つ特徴とは

普通錠というのはみなさんイメージしやすいかと思います。「お薬」という時にみなさんがイメージする白い粒(つぶ)の剤型です。口の中に含み、お水と一緒に服用します。

ではOD錠とはどのようなお薬でしょうか。

ODとは「Orally Disintegrating」の略で「口の中で(Orally)崩壊する(Disintegrating)」剤型になります。一般的には「口腔内崩壊錠(こうくうないほうかいじょう)」と呼ばれます。

より簡単に言えば、「口の中で溶ける」という事です。普通錠は口の中で溶けませんので水を一緒に含んで、粒のまま飲み込みます。しかしOD錠は口の中で溶けて液体化しますので、水を一緒に含む必要がないのです。

OD錠は唾液(だえき)に触れる事で、口の中で溶けるように作られています。もちろん普通錠も唾液に触れると少しずつ少しずつ溶けていくのですが、OD錠はその速度が速く、数秒から遅くても30秒もすれば溶けてしまいます。そのため水薬と同じで、水を一緒に含む必要なく飲み込む事が出来ます。

OD錠は、このように「唾液に触れると溶ける」という工夫がされている剤型です。逆に言えばそれ以外の違いはありません。含まれている成分や薬効・作用などは普通錠と何ら変わりません。

口の中で溶けるため「普通錠よりも即効性があるのでは?」と勘違いされやすいのですが、効果発現までにかかる時間も普通錠と変わらない事がほとんどです。

また「OD錠の方が剤型に工夫が施されている分、高いのでは?」と思われがちですが、ほとんどのお薬で普通錠とOD錠は薬価(お薬の価格)も同じです。

そのため普通錠とOD錠は、自分の服用しやすい方を患者さんが自由に選んで問題ありません。

ではこのOD錠にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

OD錠は、服用の際に水がいらないというのがメリットです。これで期待できる具体的なメリットとしては、

  • 水を持っていない外出先でも服用できる
  • お薬を飲み込むのを嫌がる小さな子でも服用しやすい
  • 飲み込む力(嚥下能)が低下しているお年寄りでも服用しやすい
  • 服用に当たって水がいらないので、水分制限が必要な患者さんに役立つ

などが挙げられます。

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2.ユリーフOD錠が適している方とは

ユリーフは前立腺肥大症に伴う排尿障害(尿が出にくくなる症状)の改善に用いられるお薬です。

α遮断薬と呼ばれ、前立腺や尿道の平滑筋という筋肉に存在するα(アドレナリン)1受容体をブロックする作用を持ちます。α遮断薬によってα1受容体がブロックされると、前立腺・尿道の平滑筋は弛緩する(緩む)ため、これによって尿道が広がり、尿が出やすくなるのです。

前立腺肥大症に伴う排尿障害に対してユリーフの服用が検討された場合、

  • ユリーフ錠
  • ユリーフOD錠

のどちらかを選ぶ必要があります。

患者さんが何も言わなくても、処方医が適していると判断される剤型を選んでくれますが、どちらもお薬としての作用は同じですので、自分が飲みやすい方を選んで問題ありません。ではユリーフOD錠が適しているのはどのような方になるのでしょうか。

次のような場合はユリーフOD錠の方が適していると考えられます。

Ⅰ.飲み込む力(嚥下能)が低下している高齢男性

誰でも年を取ると身体は弱っていき、それに伴って嚥下能(飲み込む力)も低下していきます。

嚥下能が低下すると、食べ物をうまく飲み込めなくなるだけではありません。食道ではなく気管に食べ物が入ってしまう事もあります。これは「誤嚥(ごえん)」と呼ばれます。誤嚥は肺炎に至る事も多く、また最悪の場合、命に関わる可能性もあります。

そのため嚥下能の低下というのは決して軽視してはいけない問題であり、嚥下能の低下が生じ始めたら適切な対応を取る必要があります。

口の中のものを飲み込む時、液体を飲み込むとの比べて、固形物を飲み込むのはより力が必要になります。

お年寄りの方の嚥下能が低下すると、キザミ食・軟食・ミキサー食など食事の形態を液体化させます。これは飲み込む力が低下している方は液体化している食事の方が飲み込みやすいからです。

お薬に関してもこれは同じで、飲み込む力が低下している方にとっては固形である普通錠よりも口の中で液体化するOD錠の方が飲み込みやすく、誤嚥しにくくなります。

そのため飲み込む力が低下している高齢者の方はOD錠の方が適しているでしょう。

前立腺は男性にしかない臓器であるため、前立腺肥大症の治療をするのも男性だけですので、ユリーフOD錠は嚥下能が低下している高齢男性に適しているという事が出来ます。

Ⅱ.心不全・腎不全などで水分制限が必要な方

前立腺肥大症は年を取れば取るほど発症率が高くなる疾患です。

また高血圧や糖尿病・脂質異常症などの基礎疾患があると、より発症しやすくなります。

そしてこのような基礎疾患がある方は、前立腺肥大症だけでなく心不全や腎不全を合併している事もあります。

心不全・腎不全では、疾患の程度によって主治医から水分制限を指示される事があります。重度の方だと1日800ml以下など、かなり制限しなくてはいけない事もあります。

このように水分制限がある場合、OD錠は「水無しで飲める」という利点がありますので、水分の摂取を抑える事が出来ます。

Ⅲ.外出先で服用する事が多い方

ユリーフは基本的には1日2回、朝食後と夕食後に服用するお薬になります。

飲み物を持っていない出先で「ユリーフの服用を忘れた!」と気付いた場合、普通錠だと手元に水がないと服用できません。しかしOD錠であれば、お薬さえ手元にあれば服用する事できます。

このような状況になる可能性が高い方はOD錠の方が飲み忘れが減るでしょう。

3.ユリーフOD錠が向かない方は

では反対にユリーフOD錠ではなく、普通錠の方が向いている方というのはいらっしゃるのでしょうか。

次のような場合は、ユリーフの普通錠でもよいかもしれません。

Ⅰ.複数のお薬を服用しており、OD錠以外もある方

複数の疾患をお持ちの方は、ユリーフ以外にも様々なお薬を同時に服用しなければいけないという方もいらっしゃいます。

その中に普通錠も含まれていた場合、ユリーフOD錠には確かに水は必要ありませんが、他の普通錠に対しては水が必要になるため、結局はユリーフOD錠も含めて水で服用する事になると思います。

これに問題があるわけではありませんが、このような場合はユリーフをOD錠にしているメリットは特にないと言えるでしょう。

Ⅱ.複数のお薬を一包化している方

一包化とは服用するタイミングが同じ薬をまとめて1袋にすることです。こうする事でお薬の飲み間違いや飲み忘れを減らす事が出来ます。

一包化は服用するお薬の数が多い方や、お薬の飲み間違いが多くなってしまう高齢者などに利用されています。

OD錠には水に触れると溶けてしまうため、空気中の水分(水蒸気)などでも溶けてしまう事があります。そのため、一包化はあまり勧められていません。

OD錠の中にも一包化してはいけないものと、一包化してもそこまで問題のないものがあります。

ユリーフOD錠は後者であり、絶対に一包化してはいけないというわけではありません。しかし剤型上、吸湿性があるのは確かであるため、一包化するのであれば普通錠の方が無難でしょう。

Ⅲ.ユリーフ錠を割って使いたい方

あまり見かける事はありませんが、ユリーフ錠を割って0.5錠などで使いたい場合は、OD錠は不向きです。

割るためにはシートから取り出さないといけませんので、前項と同じく吸湿性の問題から、服用前に溶けてしまう可能性があります。

お薬を割る場合は普通錠の方が良いでしょう。

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4.ユリーフ・ユリーフODの剤型

最後にユリーフ錠とユリーフOD錠にはそれぞれどのような剤型があるのかを見てみましょう。

ユリーフには次のような剤型が発売されています。

ユリーフ錠 2mg
ユリーフ錠 4mg

ユリーフOD錠 2mg
ユリーフOD錠 4mg

ユリーフには2mgと4mgの剤型があります。通常使われるのは4mgであり、これを1日2回服用するのが一般的です。

4mgでは副作用が出てしまうという方や、肝機能障害や腎機能障害などの臓器障害がある方は、2mgを1日2回と少ない量が使われる事もあります。

ちなみに薬価(お薬の価格)は、普通錠でもOD錠でも同じ額になります。

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